監督 ピーター・ウェーバー 出演 マシュー・フォックス、トミー・リー・ジョーンズ、夏八木勲
トミー・リー・ジョーンズがどんなふうに天皇を裁くのか、天皇と向き合うのか--それを楽しみに見たのだが。
期待外れ。
映画は、マッカーサーが主役ではない。マッカーサーの部下の日本通の兵士が主役。マシュー・フォックスが開戦、終戦に天皇がどう動いたかを調べる過程を追う。天皇の側近や軍部の幹部と面会しながら事実を探る。
それだけならおもしろくなったかもしれない。そこに恋愛が絡んでくる。日本の女性がマシュー・フォックスの恋人で、マシュー・フォックスは天皇の戦争責任を調べると同時に恋人の消息も探している。
若い男にとって恋人の消息と、天皇の戦争責任の追及は「同じもの」なのかもしれないけれど、これは、ちょっとねえ。あまりにも戦争責任というものをあまく見ていない? 同時並行で調べるのにはむりがない?
ここに描かれている天皇の姿が「真実」かどうか知らないが、これでは、ご都合主義のフィクションに見えてしまう。ほんとうに、そうだったの? 逆に疑問がわいてくるね。いま、なぜ、こんな映画?
映画のなかでは、唯一、夏八木勲が天皇を信じきって演技していて、彼が登場するシーンだけ不思議な充実感があった。
(2013年07月39日、天神東宝3)
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