「現代詩手帖」12月号に2012年の収穫というアンケートが掲載されている。
私も回答したのだが、掲載されていない。
なぜかな?
そのとき回答したものを「転載」しておく。
2012年の収穫 谷内修三
<1詩集>
1華原倫子『樹齢』(思潮社)ことばのリズムのなかに肉体を感じた。
2疋田龍乃介『歯車vs丙午』(思潮社)豆腐の出てくる3篇が非常におもしろかった。
3永井章子『表象』(編集工房ノア)正直が哲学になっている、といえばいいのか、哲学が正直になっているといえばいいのか……。
4高柳誠『大地の貌、陽の声/星辰の歌、血の闇』(書肆山田)実際に「声」を聞いてみたい。
5池井昌樹『明星』(思潮社)私は池井の詩が大好きだ。
<2詩集以外>
1和田まさ子「水すまし」(「地上十センチ」創刊号)肉体がしなやかだ。
2石毛拓郎「イワシの頭」(「パーマネントプレス」夏の号)強引だね。
3廿楽順治(詩)+宇田川新聞(版画)の「現代詩手帖」の連載 どこで生きてたんだろう、というような肉体。
4依田冬派「季節の名前を云おうとしてきみは愛と云ってしまった」(「現代詩手帖」6月号)ひさしぶりにかっこいいということばを思い出した。
5田中郁子「有刺鉄線と野茨」(「ぶーわー」28号)岡山の女性詩人の詩はどれもおもしろいが、たぶん田中のような詩人がその基礎をつくったのだろう。敬意をこめて、田中の詩を選んでみた。
<3その他>
映画「桐島、部活やめるってよ」(吉田大八監督)最後の吹奏楽が美しい。
芝居「下谷万年町物語」(シアターコクーン)宮沢りえの追っかけをやりたくなった。で、「THE BEE」も見てしまったが、北九州で見たので全体の芝居が小屋になじんでいなくて残念だった。