なぜ、こんな映画を見る気になったのかなあ。時間があうのがこの作品しかなかった、というのがいちばん正しい「理由」なのだけれど……。半分、カトリーヌ・ドヌーヴのジャージー姿が見たかった、ということもあるなあ。
で、フランス映画特有の安っぽいファッション(フランス映画の登場人物は意外なほど服装を変えないね、変なところでリアリティーにこだわっていて、同じ服を着ていることが多いよ)の、とっても安上がりなジャージーのドヌーヴ。だめだよ。ちゃんと走らないと。まあ、年齢的に走れというのはむりなのかもしれないけれど、走るふりをしているだけ。息も上がらなければ汗もかかない。あ、リアリティーを追求した映画じゃないから、関係ない? そう言ってしまうと、まあ、反論のしようがないけれど。
これ、きっと、映画ではなく、芝居(舞台)なら、大笑いできる作品なんだよなあ。表現媒体を間違えているよなあ。
荒っぽいストーリーの展開も、舞台なら、直接役者の肉体が見えるから、いきいきとする。でも、映画は、どんなにアップになってもそれは役者の肉体ではなく、どうしたってイメージ。弱いよなあ。細部を飛躍を肉体のパワーで埋めるには。
70年代のディスコ(?)で、ドヌーヴとドパルデューが踊るもの、まあ、舞台ならもっと、おおーっとどよめきが起きるだろうなあ。最後のドヌーヴの歌も、舞台向きだねえ。舞台なら、最後にドヌーヴが歌って、幕--というのはとてもいいだろうなあ。
しかし、あくまで、映画だからなあ。
まあ、映画だから、ドパルデューの不細工な太った肉体、ドヌーヴの緩慢な動きも、それなりに見えるのかもしれないが。
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