チリの落盤事故から作業員の救出がつづいている。新聞、テレビで報道がつづいている。そのなかで、あ、これはいいなあ、と思ったのが読売新聞10月14日朝刊のグラフ(西部本社版、 5面)の見出しである。
心の底から ただいま
人は帰って来たとき「ただいま」という。これは普通のことである。地底から奇蹟の生還をした人たちも「ただいま」と言っただろう。こういうとき、「地底から ただいま」という見出しが考えられる。
シャトルから帰って来た宇宙飛行士の見出しに「宇宙のてっぺんからただいま」という見出しを読んだ記憶がある。そういう流儀でいけば「地底から ただいま」。
でも、その「地」を「心」に置き換えて「心の底から ただいま」。
あ、びっくりしたなあ。
たしかにそうなのだ。落盤事故でとじこめられていたひとたちは、毎日毎日地上へ生還することを願っていた。「ただいま」は普通のあいさつではないのだ。心の底からあふれてきたことばなのだ。
その喜びが伝わってくる。
こういう見出しを読むと、とてもうれしくなる。