ブレイクを読む | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

詩の感想・批評や映画の感想、美術の感想、政治問題などを思いつくままに書いています。

 「サムソン」のなかの次のことば。

今や夜が、地獄に落とされた霊たちの真昼が、

 「夜」と「真昼」が強烈に出会う。「地獄に落とされた霊」は現代では存在しないが、「夜」と「真昼」の出会いは現代にも存在する。「地獄に落とされた霊」のかわりに、ふいに何かが頭をよぎる。凶悪な殺人者の行為、ではなく、なぜそうしたことを侵してしまうのかわからない平凡な人間の、突然の殺人のようなものが。
 「闇」ではなく、「真昼」にこそ、何かが隠れている。