詩はどこにあるか(58)唐詩三百首1(平凡社東洋文庫) 李白「子夜歌」を読む。その三「秋歌」の3、4行目。秋風吹不尽総是玉関情 「吹不尽」に立ち止まる。いつまでも吹いてくる風――ではなく、どこまでもどこまでも、遠く遠く吹いていく風、長い風が目に浮かぶ。 その長さが「玉関」を呼び起こす。 目加田誠は3行目を「やまず吹きくる秋の風」と訳しているが、かなり物足りない。 秋の風は遠く遠くから立ち止まらずに私のもとまで吹いてくる、という感じではないかと思う。