詩はどこにあるか(45) | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

詩の感想・批評や映画の感想、美術の感想、政治問題などを思いつくままに書いています。

王昌齢「寒下曲」(「唐詩三百首Ⅰ」東洋文庫)


黄塵足今古


 「足」は「みちる。満の意」と目加田誠が注釈に書いている。「新漢語林」(大修館書店)にも「多い。満ちている」という意味が書いてあり、「人生足別離」が引いてある。
 これを、目加田誠は「黄塵いまもかわらねど」と訳している。

 「足りる」=「満ちる」=「かわらない」(減らない、ということか)

 ことばは意識の深いところ、未分化の領域を動き、そこから意味が生成する。その生成の瞬間に「詩」がある。