コブシ | 詩はどこにあるか

詩はどこにあるか

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3月28日(月曜)
咲き始めたコブシを小雨がつつむ。空気が静かに灰色の空へつづく。コブシの静かな色が空気のなかに広がるように。――どこか奥深いところで静かな緊張と緩和が調和している。矛盾でしかいえないものがかすかな灰色のグラデーションをつくっている。



 ナボコフ「ラ・ヴェネツィーア」(「ナボコフ短篇全集」作品社)の160ページ。マゴアが絵の鑑賞について語ることば。
 陶酔があふれている。絵はこうやって味わうべきである――という手本のように思える。