HLRCC交流会に参加しました。 | 湘南鎌倉産婦人科ライフ

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福田です。5月18日に横浜市立大学附属病院内で横浜市立大学泌尿器科の主催で行われた第1回HLRCC交流会に参加しました。HLRCC(Hereditary Leiomyomatosis and Rneal Cell Cancer syndrome)とは遺伝性平滑筋腫症腎細胞癌症候群という遺伝性腫瘍です。HLRCCとは生まれつきFH遺伝子に病的バリアントがあり皮膚平滑筋腫、子宮筋腫、腎細胞癌になりやすい疾患です。稀な疾患とされていますが、近年、報告例が増えてきているようです。横浜市立大学泌尿器科は遺伝性の腎臓がんの臨床に以前から取り組んでおり、HLRCC以外にもBHD症候群やVHL病などの遺伝性腎がんについても経験の豊富な診療科になります。今回、患者さんと医療者の交流や疾患へ知識の習得、泌尿器科での研究報告のため、初めて開催されました。婦人科としては子宮筋腫は比較的若年で発症し、多発性で過多月経など症状がでやすい特徴があります。子宮筋腫は女性全体で30%くらいは持っているため筋腫からHLRCCを拾い上げるのは難しいと思います。若年発症、多発性で症状のある筋腫で皮膚病変や腎臓がんの家族歴から疾患の可能性を疑うくらいでしょうか。ただ、この疾患のことを知らないと皮膚病変や家族歴も確認もしないので、まずこの疾患を認識することが重要と思います。気にしながら診療していきたいと思いました。