こんにちは、助手です。


今回は次号アングリングファンの実験「リトリーブスピードの違いによるルアー抵抗値の変化」と

所長がビギナーさんに薦めるルアーについてのお話です。




こちらは前号に関する日誌。

ロッドが硬い、柔らかいの違いでルアーのターン数(動き)に変化はあるのか?


3月号ではロッドアクションの違いによるターン数の変化を調査しました。


「ターン数」という言葉を初めて聞いた釣り人さんも多いと思いますので解説しますと、

ターン数とはルアーの動きを数値にしたもので、

スプーンとクランクではそのターン数の変化に大きな違いがあります。



詳しくはこちらをどうぞ!

スプーンの泳ぎをターンという単位で数値化! 


クランクのターン数も調べたところ、スプーンとの性質の違いが数値で明らかに!



スプーンのターン数は形状やサイズ(大きさや重さ)に関係なく幅広い数値でした。

一分間の測定の中でもその差は100ターンを超えます。

クランクも同じくターン差は多いもので100以上あります。


驚いたのはスピードによる変化。

スプーンとクランクでは、ターン数の変化傾向に大きな違いがあったのです。

スプーンは適正スピード内ならばターン数の変化がほとんど見られませんでした。

適正スピードとはルアーがきれいに動く範囲内です。

その範囲内では、速く引いても遅く引いてもターン数はほぼ変化なし。

アピール力そのままに同じレンジをスピード違いで引いたり、レンジを細かく刻んだり、

どちらもロッドアクション(ポジション)を駆使するので

スプーンを使うにはそれなりの技術が必要となります。

そしてもしそのターン数、つまりアピールがその時の魚とマッチしていなかったら

違うターン数のスプーンを投入・・・?あれ?それともカラー?



所「僕はいつも、[変えるなら一つ]って言ってるんだ」


助「ひとつ?」


所「300ターンの白いスプーンを使っていたとして、

次に変えるなら同じく300ターンの黒いスプーン(いわゆるカラー違い)か、

200ターンの白いスプーン。ターン数もカラーも変えちゃったら、また0からスタートになっちゃうからね」


助「それはクランクもですか?」


所「基本はそうだね。クランクは速い遅いでターン数が変わってくるから・・・」




そうなんです。

クランクは適正スピード内だと、速い遅いの差は多ければ66ターン、少なくて39ターン。

同じレンジを違うスピードで引くことができるので、

一つのクランクでアピール力を変えて活性を探ることができるようです。

とはいえ、一つのクランクで水面から底までまんべんなく引くのは難しい場合もあり、

ウエイト違いを作るのはその辺りにも理由があるようですが。


助「でも、スプーンにもウエイト違いはありますよね。その意味とは・・・」


所「僕の考えでは一番は飛距離かな。

でも飛距離が変わるとリトリーブコースも巻くスピードも変わるし、

スプーンのレンジコントロールは奥が深いよね。

それにターン数ありきでルアー開発されてきたわけじゃないから、

違いがあるよっていうのを念頭にルアーを選んでいくのが一番じゃないかな?」


助「なるほど!」





実はここからが今回の本題。

次号アングリングファンでは、

ルアーの特性をさらに別の数値で表現してみようということになったのです。




所「ルアーを引いた時にブルブルする感覚あるでしょ?

それって実際どのくらいの抵抗なのか知りたかったんだ」





助「クランクとか引いた時にすごくブルブルするやつですね。

たまに、釣れたんじゃないかなって勘違いする時あります」


所「でしょう?僕はビギナーさんに釣りを教える時、できればクランクを使うことを薦めているんだ。

理由はいくつかあるんだけど、あのブルブル感はビギナーさんにとってルアーの動きとワクワクを体験してもらえる重要なポイントなんだよね。

それに今回の実験でルアーの抵抗値を調べることで、

どうしてビギナーさんにクランクを推せるのかはっきりわかったことがあるんだよ」


助「わかったことですか?いったいどんな?」


所「それは再現性です」


助「再現性・・・」


エリアフィッシングにおいて(他の釣りもそうなんでしょうか?)、再現性って結構重要な気がします。




今回行った「ルアーの抵抗値」実験では

リトリーブスピードの違いによる抵抗値の変化を調査しました。

ブルブル感といえば思い浮かぶのはクランクですが、スプーンの抵抗値も調べてみましたよ。

検証に使ったのはもちろんこちらの流水装置。








これで、いったいどうやってルアーの抵抗値を計測するのかというと

 

 


今回の実験のために所長が作った「10g計」を使います。



 

 




実験に使ったクランクはボディ形状もリップも様々です。







スプーンは代表的な3つのタイプで検証しました。




ルアーがしっかりと泳ぐ範囲内で、速いスピードの時、遅いスピードの時の

ルアーの抵抗値に変化はあるのでしょうか?

そしてその結果でわかったこととは!?

次号アングリングファン(5月号)にて解説いたします!