こんにちは、助手です。


あっという間にGWが終わってしまいました!

みなさん楽しい釣りはできましたか?


今回はルアーの「ターン数」についてです。


こちらはアングリングファン3月号の予告を少しお話した時のものです


3月号は5月号と連続して

YouTube釣人塾でもご紹介した「ルアー流水装置」を使い、

スプーンとクランクの1分間の「ターン数」を調査した内容でした。



一家に一台流水装置、おすすめです!



そもそも、

ルアーのターン数っていったいなんのこと?

という方も多いのではないでしょうか。







この日誌を読んでくださっているみなさんはすでにご存知かと思いますが、

所長は釣りを数値化、データ化するのが大好きです。


今回ご紹介する「ルアーのターン数」も

ルアーの動き方を数値化して、たくさんのルアーの違いを比較したいという考えから生まれました。


当初は一つのスプーンを早く巻いた時と遅く巻いた時の差を知りたかったそうです。


早く巻いた時に早く動いていればそれに合った魚にアピールでき、

遅く巻いた時にゆっくり動くならば

一つのルアーで幅広い魚のコンディションにアピールできるのではないか。

新しいルアーを開発するのにも役立つはずだと、なんとかしてその差を調べようと考えました。









「ちょうどその頃にスピード調節ができる流水装置が完成したから、速い流れと遅い流れを使ってスプーンの泳ぎを見てみたんだ」


※当時の装置だと測定できるスプーンのサイズは限られていて、さらにクランクはまだ難しい状態でした


実験にピッタリの装置が完成したものの、

問題はどこをどう比べるか。


ルアーの動きといえば、

スプーンの動き方を表すのに「ピッチ」という表現がありますよね。




ピッチが早いとか、細かいと聞くと

キビキビよく動くスプーンに感じますし、

ピッチが大きいとゆっくり動くイメージです。


「でもピッチの大小は見た目の感想なんだよね。そこを数値化しないといけないと思って」


ピッチの振り幅を測ることも考えましたが、

ルアーのどこからどこまでを幅とするかの基準が難しい。


そこで、ルアーが右に左に揺れる動きに注目し

「1往復で1ターン」と数えることにしました。





これなら振り幅の大きさ関係なく、何ターンするかで動きを表すことができます。


スプーンを流水装置の中で泳がせ、それを撮影した中から綺麗な姿勢で動いている部分をピックアップして

ターンの数をカウントします。

そこから一分間のターン数を算出します。




https://twitter.com/professor_NAGAI/status/1362507183565524994?t=qDLN4uMZpxYV2kQENkyBKA&s=19 

 


時速0.86kmと時速1.2km(当時の装置)、異なるスピードで泳がせたものを調べてみると・・・


「ターン数はあまり変わらなかったんだよ」


「スピードを変えてもですか?」


「厳密にいうと、そのスプーンがしっかり動く範囲のスピード内だけどね。ちゃんと泳ぐ状態じゃないと意味がないから」


「たしかに、あまりにも早く巻いてぐるぐる回ったりしては使えませんけど、

動く範囲のスピードでターン数があまり変わらないなら、早く引いても遅く巻いてもアピール力はほぼ変わらないってことでしょうか」


「そうなるんだよね。早く巻けば、倍とは言わないまでもターン数は絶対に増えると思ってたのになあ・・・」



この事実は所長にとってかなり衝撃だったようですが、すぐに方向を転換。

次はこんなことを始めました。


「他のスプーンのターン数も知りたくて137個のスプーンの動きを調べたんだ」




実験の内容は以前行われた釣人塾ライブでお披露目されました。

スプーンのターン数を次々に発表していくというマニアックな内容。


137個のデータを比べてみると、同じスピードでもターン数が多いスプーン、少ないスプーンがあることがわかりました。

多いものと少ないものは1分間で約200ターンの差があります。


「この実験で調べたのは0.3gから1.8gのスプーンなんだけど、重いからターン数が少ないとかいうわけでもないんだ。それぞれ個性があって面白かったね」




ここで、

今年のアングリングファン3月号「あなたはスプーン派?それともクランク派?」の結果を元にターン数の違いを整理してみましょう。



一つのスプーンをキレイに動く範囲内で

早く巻いたり遅く巻いたりしてもターン数に大きな差は出ませんが、

AとBのスプーンで比べると

同じスピードで引いた場合、一分間に39ターンの差がでます。


「これがスプーンの動きの違いなんですね」


「そうなんだ。数字で表せる方法で考えると、こういう結果になったね」



以前所長からこんな話を聞いたことがあります。


あるご夫婦アングラーさんがいつも一緒に釣りをしています。

お二人ともスプーンをよく使っていますが、お互いお気に入りのスプーンが違うのだそう。

別々のタックルボックスにそれぞれ好みのスプーンが並んでいます。


「釣果を聞いてみると、ご主人が釣れている時は奥さんが釣れていないことが多くて、奥さんが調子いいとだんなさんが釣れないというのがよくあるんだって」





ボックスを見せてもらったところ、

ご主人の持っているスプーンと

奥様の使うスプーンのターン数が違ったそうです。




所長は「ターン数」を、ルアーの動きの特徴であり音や波動と考えています。


「ターン数が違うということは音や波動、動きが違うってことだから、

いろんなターン数のルアーを魚の活性に合わせて使い分けできたら面白いんじゃないかなって思うんだ」



釣果の違いはルアーのターン数に関係があるかのも!?


次回はクランクのターン数について解説します。

それではまた!




こちらの日誌でもほんの少しターン数について書いています



ターン数とはルアーの音、波動、動き。
クランクは音あり音なしでアピール力が大きく変わります
シーンに合った使い分けで釣果アップ!