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昆虫の基礎知識

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昆虫は広義的に"甲殻類目節足動物"と言う動物の一種で、カニやエビの親戚に当たります。カニやエビ同様、昆虫の身体も"キチン質"と言う堅い外皮に包まれているのが特徴で、第2にその堅い外皮が多くの小節に分かれており、それが柔軟な膜でつながれて体節構造となっているので、身体はよく屈伸し伸び縮みします。第3に成長に応じて変態する事で、カニやエビも成体になるまで動物プランクトン生活の変態を繰り返しながら成体になるように、昆虫も変態します。しかしながら卵→幼虫→サナギ→成虫と言う完全変態性の昆虫もいれば、卵→幼虫→成虫と言った不完全変態の昆虫もいます。

まず、昆虫の卵は球形・長卵形等さまざまな形をしており、表面に固い殻があります。卵の産み付け方は1個毎にバラバラに産卵される場合と、数十個あるいはそれ以上の数が固まって産卵される場合があります。また卵の固まりは毛や粘液等で保護されているものもあり、これら卵の産み付け方は種類によって一致しています。

幼虫は、完全変態する昆虫のものであればイモムシ(蝶・カブトムシ類)・ケムシ(蛾類)・ウジ(ハエ・蟻・蜂類)のようなタイプで、普通4~5回の脱皮を繰り返した後にサナギになりますが、食物は成体とは異なる事(蝶の場合、幼虫は葉を食べるのに対して、成体は蜜を吸うetc.)がほとんどです。不完全変態する昆虫の幼虫はトンボやセミのように生態と異なるものもいれば、バッタやゴキブリなど成虫の小型化(ただし、羽は無い)のようなものもいます。食物も成体とはよく似ています。

サナギは完全変態性の昆虫のみに行われる行為で、幼虫が成熟すると食物を食べるのを止め、植物体内や枝葉・地中などでサナギになります。サナギは蝶のように裸の場合と、蛾のように繭(まゆ)を作ってその中でサナギになるものがあり、養蚕で得られる繭(まゆ)はカイコガのサナギ時に得られます。

成体は、頭部・胸部・腹部の3つの部分に分かれ、頭部には口・目・触覚とあり、食性は顔を見れば分かります。肉食性の昆虫は三角形。草食性の昆虫は四角形。雑食性の昆虫は円形と覚えておくといいでしょう。次に胸部はさらに3つの体節に分かれ、各体節に1対ずつの足があります。最後に腹部は6~8節に分かれ、腹端(最後の節)には、肛門と生殖器があります。また頭、胸・腹の各部の微細な形態の違いや、羽の形。翅脈(足の脈)の状態等で、種類を見分けます。

鶏の産卵周期

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鶏の産卵は数日間続くと1日休産し、翌日から再び数日間続くという周期性を持っています。これを産卵周期と言い、休産日から休産日の間の連続産卵した個数または日数を、専門用語で"クラッチ"と言います。クラッチのうち、産卵時間が最も早いのは初日で、その後は徐々に遅れ、午後遅く産卵するようになると、次の日は1日休産して1クラッチの終了となります。
産卵は月齢の他、気温・日長の影響も受け、これらのよい条件が揃った時に、鶏は最も産卵をします。月例の上では、初産(初めての産卵)後2~4ヶ月が最高に達します。気温は13~24℃位が適温です。また日長の影響については、日長が長い季節(夏等)が最も産卵するので、冬場の夜に養鶏場に灯りが灯っている事は、それだけ鶏に多くの産卵を求めている事でもあります。
また、産卵パターンも孵化の季節毎によって異なり、春雛と秋雛・冬雛と夏雛ではそれぞれ対照的な産卵パターンを示します。

タマネギの栽培

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秋から始める野菜栽培に、タマネギ栽培があります。冬越しをする野菜のために、栽培期間は長めですが、見事に丸く身の付いたタマネギを収穫するのは感動モノです。一般的には、市販の苗を購入して植え付けるのが一般的ですが、ここでは種から育てるやり方を説明します。

まず種まきは10月中旬位から行い、幅1m・高さ10cmの畝に棒などで10cm間隔に深さ1cm程度の溝を付け、種を筋蒔きしていきます。種が隠れる程度に覆土し、たっぷり水やりをした後に、藁を敷いて乾燥を防ぎます。発芽したら藁は外し、(発芽後)しばらくした後に間引きを行います。間引き語は、化成肥料30g/㎡を株元に施し、軽く土寄せを行います。
植付けの2週間前に、石灰150g/㎡を畑全面に散布してよく耕し、1週間前に堆肥2kg/㎡・化成肥料100g/㎡・ヨウリン50g/㎡・ダイシストン粒剤を施して耕します。このとき、堆肥は鶏糞のような臭いの強いものを使わない事。そしてダイシストン粒剤を必ず施しておきます。この理由は、タマネギの害虫であるタネバエの防止対策で、タネバエは冬を幼虫・蛹でタマネギの根元で冬を越しますが、これが土の中に入ってしまうと"芽が育たなくなるため"ダイシストン粒剤と、タネバエの幼虫が好む"鶏糞有機質肥料"は施さないようにします。植付け直前には、幅60cm・高さ10cm程度の平畝を作ります。

植付けは11月中旬。遅くとも"ジャパンカップウィーク"には行いますが、このとき、根元の太さが7~8cmの物で良質の苗(太すぎるとネギ坊主ができてタマネギの質が悪くなり、細いと越冬に耐えられないので)を選んで、畝の中央に深さ15cm程度のV字の溝を掘り、株間10cmの間隔で、苗を立てかけるように並べて植え付けます。苗が立てかかっている反対側の土を根元に浅くかぶせ、くわ等で株元の土をしっかり押さえつけて水をやります。また追肥は2月と3月に1回ずつ行い、どちらも株元に化成肥料30g/㎡を施し土寄せをします。
収穫適期は、植え付けて翌年の5~6月で、全体の7~8割程度の株が倒伏した頃、天気のよい日に引き抜いて収穫し、収穫後は吊るして乾燥させます。

タマネギの病気で"べと病"と言う葉が溶ける病気が、春先から収穫期にかけて発生しますが、発生したら防止策として"ダコニール水和剤1000倍液"を散布して被害の拡大を防ぎましょう。害虫は先に挙げたタネバエですが、土にダイシストン粒剤を蒔く事で防止はできているので、害虫に関してはそれほど神経質にならなくてもよいでしょう。