第58期王位戦挑戦者決定リーグ白組 渡辺明-佐藤天彦
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先手：渡辺 明 竜王
後手：佐藤天彦 名人
▲７六歩 △８四歩 ▲２六歩 △３二金 ▲７八金 △８五歩
▲７七角 △３四歩 ▲８八銀 △７七角成 ▲同 銀 △２二銀(下図)
角換わり。
上図以下
▲３八銀 △６二銀 ▲４六歩 △４二玉 ▲４七銀 △７四歩
▲３六歩 △６四歩 ▲６八玉 △７三桂 ▲３七桂 △９四歩
▲９六歩 △６三銀 ▲１六歩 △１四歩 ▲２九飛 △６二金
▲４八金 △８一飛 ▲６六歩 △５四銀 ▲５六銀 △３三銀
▲７九玉（下図）
▲２五歩を保留して、▲６六歩と▲７九玉を優先したのが工夫。
△６五歩▲同 歩△同 桂に▲６九飛を用意している。
６二の金が浮いているのが狙いである。
上図以下
△５二玉 ▲２五歩（下図）
△５二玉で金にヒモを付けたが、△６五歩とは行きにくい。
▲６九飛△６六歩▲同 銀は後手玉の方が戦場に近い。
上図以下
△４二玉 ▲８八玉 △６三銀 ▲９八香 △５四銀 ▲６九飛（下図）
細心の注意。
▲９九玉は△６五歩と仕掛けられ、
▲６九飛△６六歩▲同 飛△６五歩▲６九飛△６四角・・・
こういうのは先手が嫌なんですかね。
上図以下
△３一玉 ▲９九玉 △４四歩 ▲５八金 △４一飛（下図）
後手も仕掛けを封じ、千日手辞さずの構え。
上図以下
▲８八銀 △２二玉 ▲４八金 △８一飛（下図）
▲４五歩△同 歩▲３五歩と打開したいが、
△９五歩▲同 歩△８六歩▲同 歩△８五歩が嫌な反撃。
しかし、▲７七銀と受けるのは△４一飛で千日手模様か。
上図以下
▲７七金 △６五歩 ▲同 歩 △８六歩 ▲同 歩 △９五歩
▲同 歩 △同 香 ▲同 香 △８五歩（下図）
▲７七金を見て打開。
少し強引でも、▲６九飛と回っているため後手玉の条件は良い。
上図以下▲同 歩は△同 飛が香当たりなので、
８五の歩を払いたければ▲９二香成△８三飛▲８五歩だが、
△同 桂▲７八金△８七歩▲同 銀△９七桂成の大技がある。
▲６九飛が何かと標的になるのが痛いところ。
上図以下
▲９三香成 △６五銀（下図）
渡辺竜王はジッと▲９三香成だったが、
豪快に△６五銀と捌く手が利いた。
▲同 銀なら△６八歩▲同 飛△５九角で指せるという見立てだ。
上図以下
▲２四歩 △同 銀 ▲５五角 △９七歩（下図）
▲５五角は攻防手だが、△９七歩が良いタイミングで入った。
▲９八歩には△８六歩▲８三歩△９一飛が絶好だ。
上図以下
▲同 銀 △８六歩（下図）
▲９七同銀と取らせる事で８七の地点が弱くなった。
上図で▲同 銀は△同 飛▲同 金△８五歩で、
金の適当な逃げ場所が無い。
上図以下
▲８二歩 △８七歩成 ▲同 金 △７八角 ▲６七飛 △９一飛
▲９二歩 △６一飛（下図）
△７八角が入った事や、▲８二歩～▲９二歩と打たされた事が痛く、
香車得でも先手が悪い。
上図以下▲７七飛とかわしたが、以下
△８七角成 ▲同 飛 △７六銀で佐藤名人が圧倒した。
▲６九飛を作るアイディアが面白い将棋だったが、
更に工夫が出来ないものか。
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