棋書 感想・レビュー 第23回「現代横歩取りのすべて」 | 将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~

将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~

オールラウンドプレイヤーを目指す序盤研究ブログです。最近は棋書 感想・レビューのコーナーで、棋書の評価付けもしています。

こんばんは。
このコーナーも、気付いたら1年以上ぶりなのね。

今回の棋書はこちら。


現代横歩取りのすべて [ 村田顕弘 ]

最近コメントで、
「うちのブログに書いてある内容がこの本に書いてある」
という情報を頂きまして、
「それは買うしかないかー」と思い立ったわけです。

具体的には、横歩取り 横歩取り△4五角戦法の最新研究 の下図。
将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~
これが書かれているんですわ。

本には詳しい手順が書いてある訳じゃないので、
詳しくは私の記事を読んでね(笑)

最近、奨励会有段者の方も、
このブログを読んで頂いてると聞くので、
もしかしたら、そんな関係で情報が伝達したのかも?
そうじゃなくても、一致してるだけで嬉しいんだけどね。
(序盤のStrategy読みました、とか書いてあったらもっと嬉しいけど:笑)


他にもびっくりしたのは、
以前出した結論と同じ内容が結構書いてあった事。

横歩取り山崎流△2四飛 なんかは以前記事に書いたのと大体一緒だった。
でも、先手には他にも有力な変化が二つはあると思ってるので、
わざわざこの局面にはしないけど。

そして、最近私がギブアップした研究会で指した将棋が沢山載っていた。
青野流▲7七角型対△5二玉型は後手勝ち筋って書いてあって、
変化手順含め、同じ事を考えていたんだなとニヤリとした。
研究課題とされる局面の先を、自分は研究会で2局は経験している。
(こういう事があると、厳しい環境に身を置く事が上達の鍵だと思いますね)

他にも、自分の研究と一致している点が色々あって、見比べが楽しかった。
一部については本に書いてあるよりも突っ込んで研究できていたから満足です。
村田先生よりも研究できているなんて大それた事は思ってないけどね(笑)
この本の先を考える事で、更に研究が洗練していくと思うと嬉しいです。

自分の認識では、相当真面目に書いてある本だと思うので、
この時点では「本気で横歩取りを指したかったらこの本を読め」と断言できる。


では、私の独断と偏見による

現代横歩取りのすべて 」の評価です(5段階評価)。

難易度      ・・・星星星星星
価値の不変度 ・・・星星星星
お役立ち度   ・・・星星星星
楽しめ度     ・・・星星星

総合       ・・・星星星星

総評:


難易度・・・
横歩取り本は、研究を常にしていないとついていくのが大変なので、
難易度はMAXの5に設定しました。
自分も研究会での経験が無かったらキチンと理解できていなかったと思う。

価値の不変度・・・
横歩取りはナマ物なので、1年後も役に立つ研究であり続ける保障はありません。
ただ、この時点で最高の品質を提供していると思うので、
「あの頃はどうだったかな」と振り返る本として役立ってくれると期待しています。
村田本を読んでいつも思うのは、思うところを全て書いている訳ではないという事。
もっと分厚い本で研究を書ききってくれていたら・・・というのは贅沢すぎるでしょうね。
書き足りない感がにじみ出ているところは、自分で研究しま~す(笑)

お役立ち度・・・
研究の下地があった上でこの本を参照するならば役に立つはずです。
しかし、そういった下地がある人がどれだけいるのか、と思うと星4つ。
みんな、これを読んで研究しようぜ!(笑)

楽しめ度・・・
知的好奇心を満たしてくれたという意味では非常に満足していますが、
いわゆる、楽しい本、という感じではないと思います。
まあ、自分は定跡書に楽しさを求めてはいないけどね。

総合・・・
平均とって星4つ。



横歩取りは研究将棋の上、
アマチュアの身分では情報少なすぎで記事が書きにくい。
勝手に研究して、勝手に自己満足してる分には良いんですけど、
やっぱ公の記事にするってなると身構えるんだよね。

でも、こういう本で基準を設けてくれると、
その上で何か面白い発想が出てくれば記事にしたいという気になるよね。
棋譜を見てると、何がしか思うところは出てくるから。
まぁ、大体誰かが既に考えてる事が多いんだけど・・・

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