将棋ウォーズ戦記 | 将棋大好き雁木師の新将棋文化創造研究所

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「将棋大好き雁木師の将棋本探究」をリニューアルしたブログです。
主に将棋に関する詩などの作品紹介と、自分の将棋の近況報告を行います。

読者の皆様こんにちは。雁木師でございます。今日は「将棋ウォーズ戦記」のコーナーです。長文となりますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。このコーナーは将棋ウォーズの実戦を振り返る内容です。

 

内容を振り返る前に、まずは将棋ウォーズの近況から。4月から本格的に資格の勉強を始めたため、将棋の勉強はほぼしておらず実戦が勉強という感覚です。ここ2カ月は、達成率が唯一二桁の10秒将棋の対局に挑戦しましたが、達成率の低下に歯止めがかからず。現在は10分切れ負け重視で戦っています。

ここ2カ月は私の将棋のタイプは変化に次ぐ変化を重ねました。これまでは右玉を軸に居飛車の将棋を指していましたが、勉強不足では勝てないのは当たり前で達成率も低下傾向に。そこで振り飛車を取り入れ、序盤から駆け引きを駆使して優位に持っていく将棋にシフトチェンジ。対抗形を狙っていく序盤の戦い方でしたが、10切れに舞台を移してからは再び居飛車重視の将棋に変更。迷走といってもいいかもしれません。

将棋ウォーズの特徴は対局開始前に、相手の得意戦法が紹介されること。良く言えば、相手の戦法の骨格をある程度把握できたうえで戦いに臨めます。一方で、相手が紹介されているのとかけ離れた戦法を採用された場合に立て直しが効きにくいという欠点もあります。私は右玉が得意というデータが出ていますが、これを逆用して振り飛車を指すこともあるという感覚でしょうか。現在は矢倉志向の傾向で、後手番で振り飛車を採用する傾向にあります。

さて、4月は不振にあえぐ中でうれしい出来事がありました。ウォーズでは、無料で指導対局券がもらえる抽選に月に1度だけ参加できますが、なんとその抽選に見事当選し指導対局券を無料でもらえました(通常購入は2,000円)。指導対局券には有効期限があったため、4/18(木)に指導対局券を行使。いざ、指導対局に無謀にも平手で挑戦しました。

相手は中村真梨花女流四段。女流タイトル戦にも挑戦経験のある実力者で、昨年は千田翔太八段とのご結婚でも話題を呼びました。結果を先に述べますと完敗。戦型は、中村女流四段の先手中飛車に、後手の私は服部スペシャルで対抗。序盤~中盤の入り口まではまずまずの戦いでしたが、中盤の私の一瞬のミスを的確にとがめられてその後はいいところなく敗れました。中村女流四段には改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。本来ならその将棋を紹介しようかと思いましたが、諸事情を考慮し今回は断念します。

やはり、ウォーズ二段の実力ではプロに平手で挑むのは無理がありました。なので、次回指導対局に挑戦するときは設定をよく確認の上で挑戦したいと思います。

 

さて、近況はそこまでにして、今回の将棋は今月の10秒将棋対局の中からお相手の石田流に対抗した将棋です。後手番が私でお相手の方は10秒二段です。

 

初手からの指し手

▲7六歩    △3四歩    

▲7五歩    △4二玉    

▲6六歩    △6二銀 

▲7八飛  △3二玉

▲4八玉    △4二銀    

▲3八玉    △3一金

 

(1図)

3手目▲7五歩でお相手は早くも石田流宣言。ここで△4二玉が定跡の一手で、これに対していきなり▲7八飛だと

△8八角成 ▲同銀

△4五角

からの乱戦を誘う狙いです。本譜は▲6六歩と角道を止めて乱戦の変化を避けてから▲7八飛。私はまずは囲いの整備から入りましたが、本譜はエルモ囲いに構えました。右金は保留していますが、これは石田流対策の作戦をするためでした。

 

1図以下の指し手


▲2八玉    △6四歩    

▲3八銀    △6三銀    

▲1六歩    △1四歩    

▲5八金左 △8四歩
 

▲7六飛    

 

(2図)

お相手も三間飛車にした後は囲いに専念。美濃囲いを完成させてから、▲7六飛と浮き飛車に構えます。私は右銀を6三の位置に配置。右金はまだ保留です。

 

2図以下の指し手

△9四歩    ▲7七角    

△8五歩    ▲6八銀    

△7二金    ▲6七銀    

△8三金    ▲9六歩    

 

(3図)

お相手は石田流の流れを組む左辺の動きに対し、私は△7二金~△8三金と棒金を選択。棒金は石田流対策の有効戦法の1つとして昔から伝えられています。△6三銀型なら右四間飛車も考えましたが、右の桂馬がやや使いにくいと判断して棒金を選択しました。金の力で押さえ込むのが狙いですが、△6三銀型が不安材料の1つ。金が上ずっているので押さえ込みに失敗したときは先手に飛車を成りこまれてしまいます。本譜もお相手の飛車さばきが勝つか、私の押さえ込みが勝つかが対局のポイントとなります。

 

3図以下の指し手

△7四歩    ▲同 歩    

△同 金    ▲6五歩    

△7七角成 ▲同 桂    

△7五歩    ▲3六飛    

 

(4図)

 

3図の局面で手番の私は△7四歩から押さえ込みを図りますが、お相手の▲6五歩からのさばきはいかにも振り飛車の感覚。本譜は私から角を交換しましたが、お相手が手順で桂馬をはねることに成功し、先手まずまずの展開。△7五歩に対する▲3六飛はエルモの弱点を突いた飛車回り。さて、後手の3四の歩はあえて取らせるか、それとも防ぐか…。

実戦は4図から△3三銀と3四の歩を守りましたが、この手は疑問手。代えて飛車が3筋に回ったのをスキとみて、△8八角が優りました。△3三銀と上がったことで後手のエルモにスキができましたが、以降はお相手は▲6四歩から銀をいじめる手を選択。しかし△3三銀に対する最善手は▲7一角で、△5二飛と角成を受けたところで▲6四歩と取り込み、△6四同金と取らせてから▲6二歩とと金を作れば先手有利となりました。実戦は

△3三銀    ▲6四歩    

△同 銀    ▲6五歩    

△7三銀    

と進行。以降は、お互いに駒をさばきあう展開になり5図の局面を迎えます。

 

(5図)

 

▲6四金は取った金を攻めに使う積極的な一手。銀桂に狙いを定め、かつ▲5三金からの飛車成を見せています。一見先手有利に見えますが、先手の飛車の位置に注目するとうまく切り返す一手があります。 

切り返しの手は△6五銀。銀で飛車に当て返す派手な戦い方で勝負に出ます。実戦は△6五銀に対し、お相手が10秒ぎりぎりまで考えて▲2六飛と逃げたことで△5五角から先手の攻めを根絶やしにすることに成功し後手優勢となりました。△6五銀に対しては、強く▲7三金と攻めを催促させる手や▲5五飛と縦に逃げて△5四銀打と銀を打たせてから△3五飛と逃げるという順が有力ですが、個人的には強く▲7三金が怖かったです。金がそっぽを向いてしまう難点はありますが、陣形の差に自信はありませんでした。    

その後の進行は後手優勢をほぼ維持して最終盤を迎えます。そして6図の局面がこちら。

 

 

ソフトや棋神解析ではこれまでのところ後手勝勢まで進んできましたが、この局面で流れがもつれかけました。それが6図からの3手1組の手順です。6図の▲5六銀打は馬の両取りですが、攻めを継続させるにはこの銀は取るよりありません。実戦も

△5六同馬上    ▲同 歩 

と取って被害を最小限に食い止めましたが、続く△4六香が形勢をもつれさせる一手になりました。△4六香には▲7三角が絶好の切り返し。打った香車と▲5一角成からの攻めの両狙いが受からなくなります。戻って△4六香では、いったん傷を消す△6二歩や△8九龍が有力で、戦いの中でいかに陣形をまとめていく力も課題の一つとなりました。

実戦は△4六香に対して▲4六同銀と応じたことで再び後手優勢となりましたが、一手でひっくり返る怖さを恐れずに指してしまったのは反省しなくてはなりません。実戦は▲4六同銀以下
△5八馬    ▲同 金    

△同 龍    ▲4九角

と進行します。

(7図)

ここから私は決めにかかりました。

 

7図以下の指し手    

△3九銀    ▲同 玉
 

△4八金    ▲2八玉    

△4九金    ▲4三歩    

△3九角    ▲1八玉
 

△3八龍
まで170手で後手の勝ち
 

(投了図)

△3九銀の王手で一度玉をおびき寄せてから△4八金と力強く打ち付け、俗手の△4九金で詰めろをかけて勝負あり。投了図は合い利かずの詰みです。

 

この一局を振り返ると、危なっかしい場面は何度かありましたが、終始ペースは握れたと思います。一瞬のスキを見せるも土壇場で危機回避できたというところでしょうか。とはいえ、今月は内容の悪い将棋が多いので10切れに主戦を移したことで、長考癖を身に着けて改善を図りたいと思います。

 

今日はここまでとさせていただきます。本日も長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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