将棋ポエム「封じ手:1日目」 | 将棋大好き雁木師の新将棋文化創造研究所

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「将棋大好き雁木師の将棋本探究」をリニューアルしたブログです。
主に将棋に関する詩などの作品紹介と、自分の将棋の近況報告を行います。

読者の皆様こんにちは。雁木師でございます。今日は「将棋ポエム」の作品発表です。早速作品を披露いたします。

 

封じ手:1日目

 

午後6時を迎え立会人が声をかける

 

「…の手番で封じてください」

 

手を封じる者は立ち上がり対局場からいったん退場

 

立会人は座る位置を変え用紙の受け取りに備える

 

手を封じる者が戻ってきた

 

赤ペンでお互いに封をする

 

封じた者は立会人に用紙を渡す

 

上位者が駒を片付けて

 

すべてが終わり礼をする

 

こうして1日目が終わる

 

一体次の一手はなんだろう?

 

そう思いながら翌朝9時を待つ

 

 

解説:今回の作品はいかがでしたか?ここからは作品と将棋用語の解説です。今回は、名人戦が開幕直前ということで「封じ手」にスポットライトを当てた作品を書いてみました。

作品のイメージとしては、2日制タイトル戦の番勝負における1日目の午後6時ごろの風景をなるべくそのまま書いてみるという感覚です。特にひねりも技法も加えることはなく、風景をそのまま作品化したものとお考えいただけると幸いです。

ただしそれでは単なる説明文になってしまいかねないので、形式を変えました。これまでの私の作品は、形式分類では「口語自由詩」のスタイルで書いてきましたが、今回は「口語散文詩」を目指した作品に仕立てました。とはいえ、なんとなく説明文見えてしまうのはまだまだ改善の余地があるといえます。

 

※参考文献はこちらから

 

ではここからは将棋初心者の方にもわかりやすい将棋用語の解説です。今回は作品のタイトルでもある「封じ手」についてです。封じ手とは、将棋においては2日制の対局の1日目が終了するときに、手番の棋士が指し手を盤面が書かれた用紙に次の手を記入して封筒に入れて封をします。

ポイントは同じものを2通用意すること。これは紛失などの事態に備えて、立会人と対局場でそれぞれ1通ずつ保管することになっています。そして、翌日に用紙の封筒を開封し、次の手を発表した後で2日目の対局が再開されます。

 

今回の作品では、午後6時を封じ手の時刻としていますが、2日制のタイトル戦のうち名人戦は午後6時30分頃。竜王戦、王位戦、王将戦は午後6時頃に封じ手を行うのが慣例です。

将棋界で封じ手が導入されたのは1927年にさかのぼります。考案されたのは報知新聞の将棋担当の生駒粂蔵記者。チェスで用いられたのを参考に将棋界にも導入されました。

封じ手制度のメリットとしては、互いに公平性を持って行えるということです。もしこれがないと、手番を持って中断された側は実質持ち時間をオーバーして次の手を考えることができます。

 

タイトル戦における封じ手の流れは作品を読んで想像していただければと思いますが、実際の1日目の流れはこんな感じです。

 

①封じ手時刻を迎えたら、立会人が「封じ手の時刻になりました。【棋士名】の手番で封じてください」と声をかける

②この時点で手番を得ている棋士は、誰にも見られないように別室に移動(すぐに封じるのが慣例だが指し手が決まってない場合は考えることもできる。ただしその分持ち時間は消費される)

③封じ手を行う棋士は、封じ手用紙に赤ペンで動かす駒、もしくは持ち駒に〇をつけて矢印で指す位置を示す

④これを2通、同じものを書く。理由は前述したように紛失などの事態に備えるため

⑤用紙を封筒に入れて糊付けしたら対局室へ戻る

封筒の糊付け部分に両対局者のサインを入れる。いわゆる「封緘(ふうかん)」と呼ばれるもので、開封されていないことの証明になる

⑦立会人に封筒を渡す

⑧駒を片付けて一礼して1日目終了

 

1日目の流れは以上となります。ただ、④の封じ手を2通書くという行為ですが、過去のタイトル戦では3通書かれたこともありました。藤井聡太竜王名人が初めての2日制のタイトル戦を戦った第61期王位戦七番勝負でのこと。木村一基王位(当時)の発案で、3通のうち1通をチャリティーオークションに出品し、その収益金を九州地方の豪雨災害の被災地に寄付するというものでした。

過去にも封じ手をオークションにかけて売り上げを被災地に寄付するということはありましたが、この第61期王位戦の金額はなんと桁違いの額で落札。なかには1,500万円で落札された封じ手用紙もあったそうです。

 

さて、2日目以降の流れはどうなるかといいますと…。これは次回の将棋ポエムで詳しく解説します。というわけで、次回の将棋ポエムも「封じ手」を題材にした作品を予定しています。どうぞお楽しみに。ご意見やご感想、リクエストなどもお待ちしております。

 

※将棋用語解説での参考文献はこちら

 

 

 

 

 

近況「両立」

先週日曜日に整理収納アドバイザーの資格取得に挑戦すると当ブログで表明いたしました。仕事、資格の勉強、趣味…これをいかに両立できるかが、現在の私の生活の課題といえます。

私の仕事は介護施設での環境整備。通勤時間を含めると朝8:00~夕方5:30までが仕事に当たる時間です。帰宅し入浴や夕食などを済ませたらあとは基本的に自由です。両立を支える家族に感謝しなくてはなりません。

で、その自由な時間をどう充てるのかは課題の1つで、これまでならブログの執筆はもちろんですが将棋書籍の勉強や実戦、イラストやポエムの制作、完全なオフとして大好きなゲームで遊ぶということもしていました。就寝は大体夜10:30前後なので、意外と時間というものはありそうでありません。

 

今月から資格の勉強を本格的に始めたわけですが、そうなると時間の使い方は言うまでもなく制約をかけなくてはなりません。今回の資格取得のことは職場の上司の方に伝えたところ

「がんばれ。だけど無理はしないこと」

と言われました。長いスパンでの勉強になるので「休息」の大切さを上司の方は説いてくださいました。

 

整理収納アドバイザーの取得を目指すきっかけもお話ししたいと思います。動機は職場の引越作業を経験したことにありました。昨年12月、私が働いている部署は場所を移転することになり、私も引越における作業を手伝いました。そこで大きな壁に直面したのです。それは用具の問題です。用具の取捨選択に一苦労し、備品の配置も苦戦。その影響かは不明ですが、移転後の私の仕事は苦しみが続きました。

もちろん環境の変化には職員、利用者様ともに戸惑いやストレスを感じることも多かったので、私に限らず苦しんだ方もいました。私は一時、以前の上司の方に

スランプ

と漏らすくらいもがいていました。現在は他の職員の方が率先して施設の清掃をしてくださったこともあり、一時の不調からは戻りつつあります。その中で自分ができることは何かを考えて環境整備を心がけています。

整理収納アドバイザーを目指すきっかけは、このスランプから脱出するために思いついたことでした。取捨選択の力の弱さ、用具必要性を見極める力の弱さが今回の不調を招いたと考え、ならばその力を養っていこうと決めて資格取得を目指すことにしました。

 

では、実際に勉強してみてどうなのかといいますと…。まだ本格的に始めて1週間ですが、まずは考え方を改めることから始めないといけないと実感します。まずは身の回りの小さなモノの整理から始め、次第に大きな空間の整理に移行していくことになりますが、自分の部屋の整理から始めないと意味がない状況です。もしかしたら将棋に関するモノともお別れしないといけないのかもしれませんが、資格取得のためのステップアップとして考えないといけないかもしれません。

 

いずれにせよ、本格的な勉強はこれからです。まずは小さな目標をクリアして、少しずつアドバイザーの道を進めていければと思います。

 

さて、長々と話してきましたが今日はここまでとさせていただきます。本日も長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

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