「描く将プレイバック」

読者の皆様こんにちは。雁木師でございます。今日は「描く将プレイバック」のコーナーです。

コーナーに入る前にご報告から。先日発売の将棋世界3月号にて私のイラストが掲載されました。

 

 

今回は、渡辺明九段をロゴマーク風に描いてみました。将棋世界さん、本当にありがとうございます。

 

 

将棋世界 2024年3月号

 

 

もちろん、他の方の作品もどれも素敵なものばかりです。ぜひ将棋世界の3月号をお買い求め「あつまれ！描く将」コーナーをチェックしてみてください。当ブログや将棋世界がきっかけで描く将を始められたという方がいらっしゃると嬉しいです。

 

 

では本題の「描く将プレイバック」に入ります。この「描く将プレイバック」は私がこれまでに描いた作品の中で、将棋世界に応募するも掲載されなかった作品や、将棋世界に応募せず旧Twitter(現在のX)で掲載した作品を披露し、当時を振り返るというものです。今回の作品はこちらです。

 

 

大阪府高槻市のマスコットキャラクター「はにたん」を最中にした、その名も「はにたん最中」でございます。高槻市の薩喜庵(さつきあん)さんにて販売されている商品で、2年前の王将戦で挑戦者の藤井聡太竜王(当時)が食べて勝利を収めたことから注目を集めました。

 

はにたん最中の特徴は、王将戦の中継ブログによれば

「丁寧に炊き上げたあんこを用い、瑞々しさを保つため高槻名産の糸寒天を使用。食感はサクサク」

とのこと。詳しくは、薩喜庵さんのホームページをチェックしてください。

 

高槻で和菓子を購入するなら丁寧に炊いた自家製餡子が人気の薩喜庵

 

では、イラストに話を戻します。このイラストを描こうと思ったきっかけは、昨年1月に行われた藤井聡太王将に羽生善治九段が挑戦した前期の王将戦七番勝負第2局。その2日目の午後のおやつに羽生九段がはにたん最中を注文されました。そして、羽生九段はこの高槻対局に勝利。はにたん最中は2年連続で食べた棋士に勝利を呼び込んだことになったのです。この勝利を呼ぶおやつを描かないわけにはいかない。また、高槻市は後述しますが関西将棋会館の移転先となっているためこれは是が非でもと思い描くことにしました。

 

というわけで、実際に描いてみた感想はというと…。アナログで最中の色合いを出すのはとても難しかったです。あんこの色合いはうまく出せましたが、表面の最中のはにたんの部分は難しくて苦戦しました。当時は写真を見ながら再現に挑戦するのが私のスタイルでしたが、いかにして最中のはにたんを際立たせるかに苦労したという感覚です。母のアドバイスをもらいながら色を重ね塗りしましたが、完全な再現には至りませんでした。食べ物を描くのがいかに難しいかがよくわかります。ゆえにかつて「将棋めし」というコミックを連載されていた松本渚先生のすごさがよくわかります。

 

 

さて、今期の王将戦七番勝負でも高槻対局が予定されています。今年は第5局、日程は2/17(土)～18(日)。会場は「摂津峡花の里温泉山水館」です。ただ、今期の王将戦はここまで藤井聡太王将が挑戦者の菅井竜也八段に3勝0敗と王将戦3連覇に王手をかけている状況。次の第4局の立川対局に藤井聡太王将が勝つと決着となり、高槻対局は幻に終わることになります。そうなれば当然、はにたん最中が王将戦でお目見えすることはなくなります。関係者の方はもちろんのこと、地元の将棋ファンも複雑な胸中で王将戦を見守ることになるでしょう。

 

そして、高槻市は関西将棋会館の移転先となります。「将棋のまち　高槻」というキャッチコピーで、将棋を軸とした町づくりに力を入れる高槻市。昨年末まで、クラウドファンディングで建設費を募ったことはご記憶の方も多いかと思います。

そして今年、日本将棋連盟創立100周年の節目に新関西将棋会館は完成します。今年の10月には完成予定。現在の大阪市福島区での関西将棋会館は、年内でその役割に幕を下ろすことになります。将棋界新時代へ向けて、大きな役割を担う高槻市。お越しの際は、ぜひはにたん最中をお土産に選んでみてはいかがでしょうか？

 

なお、この「描く将プレイバック」ですが昨年までは自分の将棋分析と合同で発表していましたが、今年から「描く将プレイバック」単独で発表したいと思います。毎月第1日曜日に発表できればと思います。また、将棋世界にイラストが掲載された時は「プレイバック」とは別に発表することもございます。次回の「描く将プレイバック」もどうぞお楽しみに。

 

今日はここまでとさせていただきます。本日も長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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