新企画「将棋ウォーズ戦記」 | 将棋大好き雁木師の新将棋文化創造研究所

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「将棋大好き雁木師の将棋本探究」をリニューアルしたブログです。
主に将棋に関する詩などの作品紹介と、自分の将棋の近況報告を行います。

読者の皆様、こんにちは。雁木師でございます。今日は延期していた新企画発表を行いたいと思います。

 

当ブログでは昨年までの約5年間にわたり、私の将棋俱楽部24の対局と分析結果を発表してきました。

しかし、先月にもお話ししたとおり今年からこの活動を休止することになり、代替企画を計画することになりました。

※詳細は下記記事リンクをご確認ください

 

それでは、新企画を発表します。タイトルは…。

将棋ウォーズ戦記

 

趣旨を説明しますと、単に将棋ウォーズの対局を分析し、公表するというものです。これまでの将棋俱楽部24の分析発表とは違い、対局数の制限は設けず、成績の詳細分析も行いません。その分、1局の分析に専念して検討していくという内容になります。

さて、分析に入る前にまずは私の将棋ウォーズの現状からご説明します。

ウォーズを始めたのは8年近く前になります。将棋歴は長いのですが、ウォーズを始めたのは社会人になってからと遅いデビューでした。始めてからしばらくはどの持ち時間でも初段に停滞していましたが、2022年の大みそかに10分切れ負けで二段昇段。昨年7月に初段に落ちましたが、先日二段に復帰。3分切れ負けは10切れの初段降段と同じ時期に二段昇段しました。10秒将棋はしばらく指していませんでしたが、先日10切れが二段復帰したのを機に再開しています。

今回分析する将棋は、10切れで二段に復帰した将棋を検証していきます。先手番が私です。

(1図)

居飛車対振り飛車の対抗形。相手が三間飛車から四間飛車に振り直して美濃囲い。対する私は得意の右玉で対抗します。右玉はツノ銀型を採用。最近の私の対振り飛車戦のトレンドです。実戦は1図から☗9七角と端角からの揺さぶりを狙います。以下、相手が☖6三金と高美濃に囲ったところで☗7五歩と仕掛けます。

(2図)

2図は桂馬交換から☖7五歩と角道を封じます。次に☖5五桂の銀の両取りが待っているため☗5六歩と受けました。以下

☖8四歩 ☗6八角

☖5四歩

と進行して3図。

私はここから☗3五歩と相手の角頭を狙います。角頭を守る術がない相手は☖3五同歩と応じますが、すかさず一歩を投じて☗3四歩と角頭を攻撃。以下

☖2二角 ☗2四歩

から飛車を成ることに成功。以降の評価値はやや先手持ちに進みました。しかし、その後は相手の反撃に私の駒は後退。駒を当てて先手を取る狙いも上手くいかず評価値も後手優勢に変化。そして迎えた4図がこちら。

私の方針は攻め駒を責めて反撃に転じるというものです。☗4三とは飛車に当てつつ後手の高美濃に迫っていくというものです。しかし、ここで相手の切り返しから先手陣が絶体絶命に追い込まれます。その3手1組は

☖5五飛 ☗同歩

☖6六角

の流れ。後手は飛車を取られても陣形にスキはなく、馬の利きを最大限に生かす角の重ね打ちで2枚目の馬を作るのがほぼ確実な状況です。実戦は以下

☗4九飛 ☖5七角成

☗6九玉 ☖5六銀

☗5八銀打 ☖4七銀成

☗同金

と進んで5図。

この局面で残り時間は先手の私が6分20秒、後手の相手は2分12秒。ウォーズの棋神解析では後手大優勢との評価です。しかし、ここで相手が12秒の考慮の末に☖4八銀と持ち駒の銀を打ったことから流れが変わります。☖4八銀はやや重すぎた攻め。持ち駒が消え、かつ攻め駒が渋滞したため息切れの可能性が出てきました。

最善手はあっさり☖4七同馬。☗同飛に☖4八桂成が攻めの継続手で、これなら持ち駒を温存しつつ駒得を果たして後手が勝利に近づく流れです。実戦は☖4八銀以下

☗5七金 ☖同銀成

☗同銀 ☖同馬

☗5八銀 ☖4八馬

と進行。以降も相手の猛攻を私がギリギリでしのぐ展開が続きます。そして迎えた6図の局面がこちら。

 

この時点での残り時間は先手の私が5分26秒。後手の相手が1分10秒。局面の評価は後手優勢も、後手の飛車が狙われている状態です。実戦は次の一手から形勢がもつれましたが、この局面の最善手はどれでしょうか?選択肢は2つです。

☖5六銀

☖5六桂

どちらも、持ち駒を使って攻めを継続する一手ですがどちらかが棋神解析の正解手。もう一方が形勢をもつれさせた悪手です。果たして最善手はどちらでしょうか?

 

 

それでは正解です。6図での最善手は①☖5六銀でした。☗5六同角は☖同飛なので☗7六角と飛車を取りますが、以下

☖4七銀 ☗3七玉

☖5七銀成 ☗2六玉

☖3六銀成 ☗同玉

☖4七角

で王手龍取りが決まり、先手玉は危険な状態になります。

実戦は相手が②☖5六桂と王手をかけたところから形勢がもつれました。以下

☗3七玉 ☖4八銀

☗同角 ☖7八飛成

☗同角 ☖4八桂成

☗同玉

となり形勢が互角に戻りました。その後も、相手の攻め、私の受けの攻防が続きましたが、私は持ち駒の桂馬をフル活用して相手の攻めをしのいでから反撃に転じ、時間が切迫して駒が後退していく相手を追い込み169手で私の勝ちとなりました。

(投了図)

投了図は次に

☗8一金 ☖9三玉

☗7二龍

までの必至がかかるので、後手は受けるか先手玉を詰ますしかありません。しかし、王手をかけるにも先手陣の2枚の桂馬が後手の馬の利きを遮断しており、受けに回る☖8一金でも☗2二飛の追撃手が厳しく、投了図時点での後手の持ち時間は30秒しかなかったことを考えると挽回も困難と判断して投了もやむなしというところでしょうか。

 

この一局全体を振り返ってみると、中盤の途中まで優位に進めましたが、駒アタリに対する反発を喰らってからは苦難の受けでしのぐ状況が続きました。相手の攻めが重たくなったことからなんとかしのぎ切って勝てましたが、その要因はウォーズ特有の「時間攻め」にあったと考えられます。

切れ負け将棋の怖さと魅力はタイムマネジメントの難しさにあります。将棋ウォーズの棋力レーダーチャートには「早指力」というものがあります。その名の通り、指し手を早く進めれば「早指力」は向上します。私の早指力は4.0でこれはチャートの最高点です。早見え早指しの棋風の方はこの能力値が高いのかもしれません。もちろん、早指しゆえの弱点もありますがそれも「時間攻め」でうまくごまかして勝った。そんな将棋だった気がします。

今日はここまでとさせていただきます。本日も長文となりましたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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