【Day78 2025.11.20 サンティアゴ滞在】のつづき
(1)から読んでね!
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とりあえず明日の予定を決めた私は、ガリシアで有名なタコを食べに行って、カテドラルをゆっくりみて、そのあと自分へのお土産にカミーノグッズを買いまくった。
天気はあんなに晴れていたのに、また雨が降ったりと、本当に気まぐれに移り変わる。
一度荷物を置きに宿に帰ろうとすると、もう宿に着くという直前で、目の前に虹が現れた。
また!?
そう思わずにはいられない。
私はホテルを通り過ぎて、虹に向かってそのまま歩いた。
よく見ると、それはまた二重になっていた。
サンティアゴでも虹を見るなんて!
私はそれをまた、旅の家族たちに送った。
宿で一息着くともう夕方になっていた。
軽く飲みにでも行くかと外に出る。
ちょうど夕暮れどきで、カテドラルとは反対の方向に日は沈んでいった。
建物が多く日の入り自体は見れなかったが、雲がピンクの光を帯びて、サンティアゴの古い街並みと重なり、それはとても美しかった。
夕日を見おさめるとカーリーン、サイモンと行ったバルに行こうとするが、なかなか辿り着けない。
道はまっすぐではなく、すぐ近くなのに道同士が繋がっていなかったりする。
こっちの方向だろうと歩き出すといつのまにか違う方向に進んでいて、同じような建物が方向感覚を失わせる。
本当にこの街は迷路のようだ。
そうして迷っているうちに私は一つの小さな教会に辿り着いた。
中は静かで暗く、二、三人の人が祈りを捧げていた。
私も椅子に座ってぼうっと正面を眺めた。
前方斜め上のドームに宗教画が描かれていた。
それは黄色や水色やピンクの優しいパステルカラーで天使やら地上の人やらが描かれていて、ちょうど良い目線とその色合いの優しさに、ずっと見ていたくなるような心地よい感覚だった。
タバラでもらったカードを思い出した。
教会で何も感じなくなったら、答えは自分の中にある。
何とかバルに着いたが、今日はやけに混んでいた。
カウンターに座ってビールを飲みながら昨日の日記を整理した。
ビールとワインを一杯ずつ飲むと、いつまでも賑やかなバルを後にした。
そしてもう一度、サイモンが好きだと言うスタチューの影を見に行った。
それだけ見ても全く巡礼者には見えない。
誰かが計算して作ったのだろうか、それとも偶然の産物なのだろうか。
そのままカテドラルの前の広場に向かった。
寒いせいか人はほとんどいない。
町中なのでそれほどハッキリとではないが、カテドラルの背後に星が瞬いていた。
そうだ、今日は新月だった。
最近、思っていることがある。
この日記を書くことで、物語が紡がれていったのではないかと。
この日記に書いた内容に応じて、物語が展開していったのではないかと。
正直、いつまで書くのだろうと自分に問うている。
歩きも終わり、サイモンとの物語も終わった今、なんだか中途半端な気もするが、もう書くのをやめても良いのだろうか?
それとも出国?帰国まで続くのだろうか?
問いを放つと必ず答えが現れてくれた。
その答えは、きっとそのうち出るだろう。