【Day74 2025.11.16 ムシア→フィステーラ 29+5km】の続き
(1)から読んでね!
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虹が消えるともう一度太陽に目をやった。
水平線はもくもくとした雲を帯びていたが、もしかしたら夕陽が拝めるかもしれない。
毎日荒れたお天気のガリシアの秋に、夕陽が拝めたらラッキーだ。
まだ少し時間がありそうなので、先端手前のカフェでビールを飲んだ。
旅の家族たちに写真を送ると、みんなからすぐに返信が返ってくる。
それに返信するのがまた忙しい。
ビールが終わりそうなタイミングでふと日の入りの時刻を調べると、もう10分ほど過ぎていた。
全く私らしい。
慌てて支払いを済ませて外に出ると、雲と水平線は美しいピンク色の空を見せていた。
しかしそれより驚いたのは、さっき虹を見せていた湾だった。
湾の上空に広がる雲が一面ピンクに染まっていて、それを受けた湾全体の海もピンクなのだ。
伊豆育ちの私でも、海がこんな風にピンク色に染まるのを私は見たことがない。
それはやさしいピンク色だった。
この世のものとは思えない海の色に、なんだか不思議な気分になった。
この後の予定は?
カフェでのやり取りでベゴに聞かれ、24日ごろに行きたいと返した。
いつもすぐに返事をくれるベゴから、返信はまだない。
確かなことは何もないまま、私は明日も歩きまくることになりそうだ。
結局、今はそれが必要なのだろう。