この4年間、私はただただ旅人でありたい自分と、社会に適応した自分とのギャップに苛まれてきた。
仕事は楽しかった。
もちろん辛いこともあったが、多くの方に出会い、学び、触発された。
やりたいことを自由にやらせてもらい、加えて社会的地位と、生活に困らないだけのお給料もいただいた。
それだけに、ことあるごとに思い出されるドーバーでの記憶とあの道を歩くことへの渇望は、もっともっと先にチャレンジすべきことのように感じていた。
現に2023年8月、私はなおさんにこう告げている。
「あと3年で、きぬママのことを書きますね。
それを書き上げたら、旅の続きをしようと思います!」
しかし私が上司に退職の申し出をしたのは去年の年末、2023年12月だった。
そしてこうして書き始めて初めてわかったことがある。
物語を書き終えたから、旅に出るんじゃない。
旅に出ると決めたから、書くことができるんだ。
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↓前回のお話