帰国後の2020年はご存じのとおり、世界を震撼させる新型コロナウイルスが猛威を奮った。
約3年間に渡る入国制限をきっかけに、私は海外に出る機会を失ったままだった。
その間、いろいろなことがあった。
ただ旅を終えた私に残されたのは、あの道=via francigenaに対する強烈な渇望だけだった。
ドーバーからの帰り、私はこう綴っている。
「私は、幾つになっても旅人であり続けたい。
旅人であるとは何か、
それは何にも囚われないことなのかもしれない。
だから、私も、旅人であり続けたい。
旅の形や行き先は変わるかもしれないけれど、
その時の自分に合った、自分らしい旅人でありたい。
どこからか始まり、やがて終わりを迎える旅。
その美しさを、きちんと感じたい。
短いけれども、そんなことをしみじみと思わせてくれる、
愛おしい旅になりました。
ドーバー、いつかまた来たいと思います。
(多分、また歩きに行くんだろうな。)」
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↓前回のお話