Con te Partiro ーvia Francigenaへの招待状ーvol.49 | ちびタンクのひとりごと

ちびタンクのひとりごと

大好きな旅のこと、心理学・スピリチュアル・ヨーガのこと、日々の気づきなどをつぶやいています♪



2019年12月26日

ドーバーまでの道のりは想像以上に過酷だった。


昨日までの晴天とは打って変わり、天気は一気に悪化した。

そしてそれは暴風・豪雨となり、私を襲った。


30kmと思っていた道のりはあくまでも直線距離で、紆余曲折するその道は35、6kmになると思われた。

さらに道に迷い、ぬかるみに足を取られると体力は瞬く間に消耗した。


そして12月も終盤のイギリスである。

午後を過ぎると時間と共に気温は下がっていく。

日没は日本同様に早い。

土地勘のない山道に、やがて訪れる暗闇への恐怖が募る。


なんとか街の灯りが見えた頃には、すっかり日は暮れていた。

住所を頼りに、予約した民泊の宿へと向かう。

マンション風の建物に到着すると、指示された方法でインターフォンのボタンを押した。


しかし、それに応答する人はいなかった。

しばし待てども誰かが訪れる気配はない。


ずぶ濡れの身体に寒さが堪える。

これ以上、そこで待つことに限界を感じた私は、明かりを頼りにショッピング街へと向かった。


とにかく宿の主人に連絡を取りたい。


びしょびしょのまま一番近くにあった大きな服屋に入って、どこかインターネットが使えるところはないかと尋ねた。


近くのカフェを案内されるが、その日はクリスマス休暇で店は閉まっていた。

それでもう一度服屋に戻り、お門違いは承知で電話を貸して欲しいと願い出た。

さっきと同じ店員は、大きなバックパックを背負った濡れネズミのようなを私を可哀想に思ったのか、親切に電話を貸してくれた。


しかし結局、電話は繋がらず。

どこか近くに宿がないかを尋ねると、店のすぐ裏にビジネスホテルがあると教えてくれた。


予約した宿での宿泊は諦め、私はそのビジネスホテルのレセプションに向かった。

幸い、部屋は空いていた。

部屋に入り熱くシャワーを浴びると、その日のことを振り返った。


ーーー

↓前回のお話