Con te Partiro ーvia Francigenaへの招待状ーvol.30 | ちびタンクのひとりごと

ちびタンクのひとりごと

大好きな旅のこと、心理学・スピリチュアル・ヨーガのこと、日々の気づきなどをつぶやいています♪



2017年4月10日

妖精さんから翌火曜日に退院する旨の連絡があったのは、私がお見舞いした翌日であった。

あの帰りたい攻撃は半端なかったので、妖精さんが力を尽くして、段取りをしたであろうことは想像に難くなかった。



2017年4月11日

自宅に戻ったきぬママを仕事帰りに見舞った。ここのところ食欲がなかったが、珍しくスイカとヨーグルトを食し、家に帰れたことを心底喜んでいた。

”妖精さんに感謝だね“

お腹いっぱいで眠そうにしているきぬママにそう告げて、その日は帰った。



2017年4月13日

その日も仕事帰りにきぬママを見舞った。

前日、妖精さんが作った汁物を食べて以来、寝込んでいるとのこと。

私が伺った時も眠ったままだった。


きぬママは寝ているし、誰もいないし、はて、どうしたものかと思案していると、

”意識がなくとも、聴覚は最後まで残っている“

という言葉を思い出した。


病院で見舞ったとき、エターナリーを歌った時の写真が欲しいと言っていたので、コンサートでいつも機器周りを務めていた操さんにそのことを相談していた。

写真はなかったが2014年のコンサートの録画を共有してくれていたのだ。


寝ているきぬママの脇でその録画を流した。

一曲目がエターナリーで、私も一緒に歌った。

私にできることはそれくらいしかなかった。


しばらく聴いてなんとなく満足すると、

“きぬママ、ありがとうね。また来るからね“

そう告げて門を出た。


駅へと向かう途中、2階の電気がついていたかが気になって、もう一度きぬママ宅に引き返した。

玄関を開けっぱなしにしているので、誰かがいると思わせるため、2階の電気は常時つけっぱなしにしていたのだ。


戻って2階の電気がついていることを外から確かめると、なぜか不思議な安心感に包まれた。

ぼうっとオレンジ色に包まれたカーテンのない部屋。

その部屋を見あげると、そこでたくさんの話しをしたことが思い出された。


”きぬママ、また来るから大丈夫だよ。“

心の中でそう言って、その場を離れた。


ーーー


↓前回のお話