きぬママは、雷を伴うハリケーンもような人でもあった。
圧倒的なパワーで常に新しいことにチャレンジする姿は、多くの人を魅了した。
一方で自身も自称する瞬間湯沸かし器の一面があり、矛先を向けられた多くの人が去っていった。
それは多分、ただ理不尽に怒り散らすのではなく、人の深いところに入り込んでしまうきぬママだからこその、無意識に決定的なダメージを負わせてしまうようなところがあったからだと思う。
そのようなことは大抵、イベントなどをやろうという時に勃発した。
そしてそうしたことがある度に、きぬママ自身も傷ついていた。
それは側で見ているだけでも痛々しいものだった。
そうして多くの人が弾き出されたり、自ら離れたりしていく中、何人かの人間がその台風の目に残った。
私もきぬママと全く衝突しなかった訳ではない。
しかしなぜか私は、常に移動し続けるその台風の目の中心に、最後まで残り続けていたのだった。
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