私のお骨を少し頂きたいという申し出に妖精さんは少し困惑していたが、きぬママの従姉妹さん、それから納骨式を取り仕切る牧師さんに事情を説明してくれた。
従姉妹さんと私はきぬママの生前から面識があったので、すぐに了解してくれた。
牧師さんは私と話がしたいとのことだったので、納骨式の前に連絡を取った。
簡単に理由を聞かれた後、他人のお骨を家に置くということは一緒に住む家族の了解が必要なこと、安易に捨てたりすると事件と間違われる可能性があるため、取り扱いには十分注意することなど、納得の説明を受けた。
その上で、私がお骨を引き取ることを了承してくれた。
納骨式の日曜日は秋晴れの爽やかな一日だった。
きぬママのお骨は真っ白で、青空とのコントラストが印象的だった。
私はその中の小さなかけらを二つほどいただいた。おろしたて白いガーゼのハンカチに包み、箱に入れて持ち帰った。
そしてその二ヶ月後。
私はそのお骨を持って、イタリアの道を歩いていた。
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