失恋カミーノーvol4ー | ちびタンクのひとりごと

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大好きな旅のこと、心理学・スピリチュアル・ヨーガのこと、日々の気づきなどをつぶやいています♪



朝焼けの中、二階で新聞を読んでいた地元のお父さんの、
窓越しに聞こえた「ブエン・カミーノ」と言う優しい声。





書ききれないんだ。

想い出が沢山ありすぎて。

こんなところには、書ききれない。




サンティアゴで、カミーノ上で会ったことのある男の子に再開した。

「僕にこと覚えてる?」って聞かれて、「もちろん」って答えた。


でもね。
どこでどんな風に会ったか、どうしても思い出せなかったんだ。
会ったことは覚えてる。
でも、思い出せなかったんだ。

君が誰だったか、
思い出せなかったんだ。


いつか、ちょっとづつ忘れてしまう。


全部、一つも忘れずに覚えていたいくらい、
キラキラと輝く美しい日々だったのに。


忘れてしまう。私も、みんなも。

あんなに大好きな時間だったのに。

ちょっとづつ、忘れていってしまうんだ。

海辺ですくう砂が、指の間からすり抜けるように。

忘れていってしまう。

それが悲しいんだ。




こんな想いをするくらいなら、やらなければよかったって思った。



こんなにたくさんの人と出会い、
たくさんの愛を貰うことが、あるだろうか?


こんなに出会った人全てを大好きになってしまうことが、
この先あるだろうか?


こんなにたくさんの別れを、
一度に経験しなければならないことがあるんだろうか。



苦しいんだ。

終わってしまったのが。

淋しくて、悲しくて、胸が苦しいよ。



ああ、まるで、恋みたいだ。

そう、思った。



そう、
あたし、カミーノに恋したんだ。




でも、矢印はもうない。

終わったんだ。この恋は。



最初から、
成就しない、
一生続かない、
そう分かっている、
初恋のようなもの。



それでも、

だからこそ、

愛おしくて、美しくて、
切なくて、たまらなかった。


ーーー続くーーー