今回の職員研修は「宿題の出し方」 | しずえばあちゃんの回想録 “We Can Do It !”

しずえばあちゃんの回想録 “We Can Do It !”

教師生活35年、子供3人。
パワフルに生き抜くしずえばあちゃんの
子育て論、教育論、人生論を綴っていきます。

人生の後半で取り組んだ漢字学習についても
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栃木県佐野市と日光市で授業&研修会をした内容は、前に書いた長野県伊那市の授業と同じ。

だから省略するが、低学年の子どもたちは楽しそうに参加してくれたし、

高学年は真剣に聞いてくれたので、とってもうれしく、私のテンションはまた上がりっぱなし!

アドレナリンが出まくって、疲れは感じなかった。

 

違ったのは、放課後の職員研修。

平日の放課後は1時間程度の時間しか取れない。

だから、どちらの学校も事前にzoom研修をして、ミチムラ式のエビデンスを伝えてあった。

その上で授業をして、子どもたちの食いつきや漢字カードの使い方ポイントを見てもらった。

 

授業での活用方法は分かってもらえたと思うが、

さて、どこまで定着させることができるかが不安そうだった。

特に宿題をどのようにさせるかが大きな課題。

 

漢字カードを使っているほとんどの学校は、たぶんカードを見ながら書かせている。

授業で少しは唱えるかもしれないが、宿題は漢字ドリルに書かせるものばかり。

全国どこでも定番の漢字ドリルは欠かせないのだ。

 

しかし、この2つの学校はいわゆる書いて覚える方式の漢字ドリルの採用は今年度していない。

その代わり、どんな宿題を出して、どのように定着させるのかが不安げだった。

 

そこで用意したプレゼンはこれ。

 

読んでもらえると分かると思うが、強調したのは次のようなこと。

○先生たちはパターン化が大好き。同じような宿題を毎日出す。

 今日の宿題は3文字。ドリルに書いて覚えればできると思っている。

 子どもたちは面倒だなあと思いつつ、仕方なしに空欄を埋めているだけで、楽しくない。

 そんな方法でも、やらせていると先生は安心する。

○覚えたかどうかの小テストをする。休日に勉強して月曜日にテスト。これは絶対にいけない。

 子どもたちは土日は忙しいのだ。翌日の簡単な小テストの準備なんてするわけがない。

 じゃあ週末の金曜日に。これもダメ。週の前半は何もしない。

○いつしようかな?と子どもに問いかける。やる気の度合いに合わせてテスト日を決める。

○テストも個人の課題としない。班活動が実にいいよ!と少し具体例を示した。

 

○やってみよう!と思える課題を出して、子どもの心にやる気スイッチを入れることが大事!

○宿題の視点は3つ。新出漢字を覚えるだけが漢字学習ではない。

 高学年は特に雑多な既習漢字を整理して、使えることにも目を向けなければいけない。

 

○宿題を出すと、集めて、赤ペンを入れて返却。そんな事務的な作業はできるだけ避けるべき。

○先生たちは自ら事務作業を増やしているようなもの。

 子どもたちをやる気にさせる言葉かけやしかけを工夫するだけでいい。

○学習の基礎を作る単純な漢字学習でクラスを沸き立たせることができる。

 みんなで向上する雰囲気を作るのが、教師の本来の仕事!

 

などを伝えたら、先生たちは身につまされることがいっぱいあったようだった。

ほんの少しやり方を工夫するだけで、先生はラクになるし、子どもたちはやる気を見せる。

 

そんなことは明治図書の第3章にいっぱい書いた。

この本は、2017年7月に発行したもの。

ミチムラ式の読み書きのエビデンスを書いたが、今でも何も変わっていない。

3章にクラスで取り組むいろんな方法を示したのだが、その後コロナ禍に突入し、

集団で声を出して・・・という学習スタイルができなくなった。

あ~あ、もう古い方法になってしまったかなあと思っていたのだが、

もう学校は復活した。その上で、自学自習を個に合ったスタイルでというのも定着し始めた。

 

この本はまだまだ使える!是非読んでもらいたい!積極的に宣伝しようと思う。

(かんじクラウドのオンラインショップでも販売していて、ちょくちょく注文が来る。)

・・・時を同じくして、明治図書の担当者から「重版決定!なんと9刷です!」と連絡があった。

 

直接伝えられない先生方に読んでもらって、頭を転換してもらいたいと、心から願う。