さあ、各学年の授業内容を書いてみよう。
1年生はまだひらがなを練習している時期だから、パス。
2年生。
1年の漢字は頑張っただろう。
2年生になって約1ヶ月。
「2年生になって漢字が難しくなったなあって感じてる?画数が増えてきたね。大丈夫?」
ちょっとうなずく子、自信なさげな様子の子が増えている様子。元に戻して・・・
「カタカナは書ける?」急に表情が明るくなった。
「漢字にいっぱいカタカナが使われているのは知ってる?」うんうんとうなずく子がいっぱい。
「じゃあ、質問。漢字に使われているカタカナは何があるかな?」
ハイ、ハイといっぱい手が上がる。次々と当てた。
ロカエイタ・・・ウも出た。
「じゃあ、質問。漢字にウは使われている?」
みんな、口々に「使われているよ!」と言う。
「え~っ、ホント?ウってこんな形だよ。使われていないと思うけどな。」
黒板にウと右はらいがちょん切れている形の両方を示す。
「でも、うかんむりって名前がついているから、ウだと思いたいよね。
上からシューッと下にのびているのが、短くなっているよね。」
「じゃあ、質問。なんでのばさないでちょん切れているんだろう?理由を言える人?」
ぽつぽつと手が挙がる。
「字」の例を出して、「下に書きたいものがあるから・・・ぶつかっちゃうから・・・」
「ナイス!そうなんだよね。じゃまになるから、ちょん切っているんだよね。」
「じゃあ、質問。
うかんむりと同じように、下にのばしたいんだけどちょん切っているカタカナは他にもある?」
う~、考える、考える。
「ワ、ツ、サ」が出た!
「そうだよ、よく見つけたね。みんな同じ理由で短くなっているんだよ。
サだけはくさかんむりっていう名前に変わったんだよ。
地面から草がつんつん生えているみたいだね。」
「実はね、もう一つあるんだよ。いろんな所に使ってあるんだけど、見つけられるかな?」
・・・・・・。
「ソだよ!これものばさないでちょん切って使われているんだよ、何の字だったかな?」
「火!金!」ってすぐに答えてくれた。
さすが、1年の時にもカードを使ってくれていたからね。
「このカードには、みんなが迷いそうな点々をちゃんと区別して書いてあるから、しっかり覚えてね。ちょっと復習してみようか。」
『ソ ハ 八(はち) ノ \(てん) ||(たてたて)』と黒板に書き、
手でパフォーマンスを作り、みんなで大きな声で唱えた。
ついでに、木へんの右はらいが短くとめてある理由も考えた。「じゃまだから、のばせない!」
どんな漢字に出てくるか・・・1年生で「校 村 林 森」にあったと確認。
そして、カタカナの変化で「空」の「ル」がはねないで丸く横に行くだけの理由も考えた。
「ねえ、ねえ、2年生になったら画数が多い字が急に増えたでしょ?
2年生になって覚えにくい字は何だった?」
やっぱり「曜」が出ました!
曜日を表記するために最初の方で習う。これが難しいんだよ!
「さあ、曜の中に知っている字を探してごらん。」
「日(にち)→「にちへん」と言おう。ヨ→「ヨヨ」って早く言っちゃおう。」
「この形(ふるとり・隹)の中にも見つけられる?」
「イ、ノ→(ちいっちゃいノって言おうか。)」
「あとはたて線とよこ線だけど、書き順通りに言おうか。
「一 たて 一 一 一(いち・いち・いちと言うものだから→三ってまとめて言おうよ!」
「だから、こう唱えて覚えるよ~、イ・ちっちゃいノ・一・たて・三」
「はい、どうぞ」と早口で、リズムよく、大きな声で5回ほど唱えた。
目をつぶって1回言わせた。「頭に浮かんだ?」うん、うんと自信ありげにうなずく。
「これを"ふるとり”って言うんだよ。これはね、スズメみたいな小鳥が一緒になって動いている様子を表しているんだよ」と付け加えた。
「へえ~、そうなんだ!」という顔をしていた。
「ここで、ポイント!形にはみんな名前がある。だけど、名前だけ覚えても忘れてしまう。
意味も一緒に覚えておこうね!」
その後、最初の「にちへん、ヨヨ」も加えて、「曜」を口で言えるようにしたのが3回ほど。
もちろんその時に、両手を使って壁押しパントマイムのように、配置の確認もする。
「はい、目をつぶって言ってごらん。両手も使ってね。」とやらせたら、
ほとんどの子ができるようになっていました。
「2年生の漢字で難しそうだなあって思ったら、
中に隠れているカタカナや知っている字を探してごらん。きっといっぱい見つかるよ!」
例として、まだ習っていないが「帰 楽」などを出したら、見つける、見つける!
実にみんな楽しそうに漢字を分解していました。
最後に、今覚えた字の音読みは何かを教えて(子どもたちは訓読みしか知らない)、
その漢字の音読み言葉を探しました。
子どもたちはそんなに出てこない。そんなことに関心が向いていないからだろう。
あまりにも出てこないものだから、後ろで参観している先生にも聞いてみた。
う~ん、やっぱりあまり出てこない。
私も急には出てこない。
そこで「私も浮かばないからカンニングをするから、ちょっと待ってて!」と後ろ向きでiPhoneを操作。
「あった!○○、△△、□□・・・、ほら、こんな言葉知っているでしょ?」
「あ~、聞いたことがある!知っている!」と思い出せるものがあったようだ。
「実はね、みんなが持っているカードの裏にQRコードがあるでしょ。
それを読み込むと、こんなお得情報が読めるんだよ。先生と一緒に使ってみてね。」
と、授業の最後を締めくくりました。
伊那北小学校で、授業の後に保健室に駆け込んで保健の先生に、
ああだ、こうだと熱心に語っていたのは、この楽しさがあったからだろう。