ソウル・ヤンジョン高校での授業、その2 | しずえばあちゃんの回想録 “We Can Do It !”

しずえばあちゃんの回想録 “We Can Do It !”

教師生活35年、子供3人。
パワフルに生き抜くしずえばあちゃんの
子育て論、教育論、人生論を綴っていきます。

人生の後半で取り組んだ漢字学習についても
情報を発信していきます。かんじクラウド株式会社 http://kanji.cloud

2校時目は、日本語を専攻している学生の希望者たちが集まった。

教室には入りきれないので、小ホールのような所で。

 

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ヘヨンさんに特に準備はいらないよ、と伝えていたのだが、

それではなんだか申し訳ないと、こんな素敵なタイトル看板まで作って、で~んと投影してくれていた。

 

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『漢字って簡単だよ!日本の漢字、マスター術!』

 

最初に学生たちに何に困っているのかを聞いたら、1時間目の時と同じだった。

まず、「簡単だよ~!ってことをインプットしなくては」と思った。

そのために「覚えなくちゃいけない量はこんな少しだよ!」ということを伝えるべきだ。

 

そこで、いつもの講演で強調している、

「各学年で学ぶ基本漢字の量と、漢字を構成している部品の量」を提示した。

「たったのこれだけさえマスターすれば、3年生までのこれだけをマスターすれば、

多くの漢字が書けてとっても楽になるよ!

しかも、漢字の中にカタカナがいっぱい使われているし!」

と持論を簡潔に説明した。

 

私がゆっくり話し、その後にヘヨンさんが通訳するから、時間がとられ、そんなにたくさんの例は話せない。

エキスだけを話した。

おまけに日本の先生方向けに配布している「きっと役立つ資料」という人気の資料1〜3年分を配った。


1年の資料はこんなのです。

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その3年生までの資料を見て、学生たちは「そうか、これだけ覚えればいいのか」と思った様子で、

うなずいたり、目を丸くして資料を何度もめくり直している生徒がいた。

 

そして、カタカナそのままが使ってある字、ちょっと変化して入っている字などを問うていくと、

日本の小学校低学年の子が反応するように、知っている字を発言してくれた。

 

ただし、ちょっと違いを感じた。

日本の小学生はとにかく書かされている。

やみくもに書かされて、その中にカタカナや基本漢字が入り込んでいることや、

過去に習った部分の組み合わせだという意識がないままに書いていて、混乱している。

 

韓国の学生は、日本語を専攻しているといっても、「漢字は難しい」と思い込んでいて、

漢字をそんなには書き込んでいない様子だ。

それよりも前に、ひらがな・カタカナを覚え、読み方を覚え、

日本語の発音や言葉の意味を知る大きなハードルがあるようで、

多くの学生は漢字にまで熱心に手を出していない様子だった。

 

日本語を理解するために漢字は乗り越えなければならないと思っている学生に、

漢字のしくみを説明し、簡単だよ~!って伝えていくと、学生の表情がどんどん変わっていくのを感じた。

最後は、これだけの量を頑張ればいけるかもしれない・・・と思ってくれたようだ。

大成功!

 

たったの50分の授業で、たくさんの話はできなかったけど、

私のゆっくりした日本語だけで意味がわかった学生はかなりいい気分だっただろう。

ヘヨンさんの通訳でわかった学生もちょっと頑張ろうという気になっただだろう。

 

日本の小学生と同じように、

「喜」を、「十、豆、口」、「喜劇のキ、よろこ_ぶ!」と声に出して唱えてくれた学生たち。

きっと発音も良くなるよ!

みんなで唱え合って、発音をチェックし合い、組み合わせを頭に浮かべて、音訓読みをマスターしてね!

そして、日本の漢語と読み方をたくさん覚えてね。

 

カン・ヘヨン先生には、その学習を進められる教材は提供してあります。

いっぱい教えてもらってね。

 

ヘヨンさん、資料を活用して頑張って教えてあげてね。

あの学生たち、本当に目がきらきらしていましたよ!

もっと日本語が上手になりたい!っていう意欲が見られましたよ!

 

私は、そんな雰囲気を感じただけでもわざわざ韓国へ行った甲斐があったと満足しています。

 

週明けに早速学校の新聞に載せるようで、キムさんに撮ってもらった写真がほしいと言われ、

記事はこんな文章でいいですか?とPCの画像が送られてきた。

ヤンジョン高校は“養正”高校と書くようだ。

韓国にもちゃんと漢字文化が底で眠っているのだ!

 

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ヘヨンさんは最後に学生みんなで集合写真を撮ろうと思っていたのに・・・と、とても残念そうでした。

私との二人の写真をキムさんに撮ってもらいました。