水墨画のエッセンス 余白の美 | 水墨画 八重桜日記  無二無三の世界を目指す旅をしよう

水墨画 八重桜日記  無二無三の世界を目指す旅をしよう

水墨画家小嶋志津のブログです。墨を使い気運生動を生みだす伝統文化である水墨画の技法を次世代へ伝えるため貢献したいと思っております。
沈和年先生に師事。日美展水墨画一般部門準大賞受賞。作家部門入選等

シンプルさは究極の洗練である。  レオナルド・ダ・ヴィンチ
 
余白があると絵の中に広い空間を感じ、モチーフの存在感や美しさが一層、引き立てられる感じがします。
必要がないものは、描かなくても良いのです。
虚飾や贅沢といった俗世から距離をおいた、精神性の高さを感じます。
執着やこだわり、全てを手放してゆき、最後は筆の技術も捨ててしまう。

水墨画は、中国の影響を受けていましたが、雪舟が日本独自の水墨画を完成させた後、禅画としても発展してきました。白隠禅師や仙厓和尚が有名です。

 
 
雪舟  『破墨山水図』 (はぼくさんすいず)
墨に墨をぶつける技法を「破墨(はぼく)」といいます。
山と木々、あばらやを破墨により力強い筆致で描き、余白を大胆に残しています。
後方の岩山はうっすらとしか描かれていませんが、後ろにはもっとたくさんの岩山がそびえ立っているのだろうなと想像できます。
山水画は、もともと文人たちの理想郷を描いたものでした。こんな世間から離れたところで静かに隠遁生活を送ることができたらいいですよね。
 
長谷川等伯  『松林図屏風』
国宝です。こちらも余白が大胆に残されて、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
朝靄の松林。風でかすかに揺れる松の枝葉や、遠くのほうで飛び立つ鳥の羽の音が聞こえてくるようです。絵の中に入っていけそうな気がしますね。
松は刷毛でザクザクと力強く描かれています。松の木だけでこれだけの世界を表現できるとは、本当にすごい!のひと言に尽きます。
 
今日も最後までお読みいただきまして、有難うございました。
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