「ギャンブル依存症」
大谷選手の通訳が!そんなニュースを耳にしました。
そのこともあって、改めてギャンブル依存症の
"恐怖・・・"
こうしたことが言われ始めているのです。
ギャンブルで一たび大勝ちをしてしまうと、その時の高揚感や多幸感。
大当たりした時の音響や画面、それらが脳裏に深く焼きついてしまうことになる。
かくして脳の中の報酬系、この回路が新たに作り出されるに至ってしまい、ギャンブルをすればするほどその回路は強化されやすくなっていく。
ドパーミンをはじめとする脳内快楽物質が関係していることがいわれているのです。
そして再びこの多幸感、高揚感を得たいと思ってますますギャンブルにのめり込んでしまう。
意志の力ではどうすることもできないほどの恐ろしい依存状態がギャンブル依存症。
このように説明されるのです。
こうしたニュースを聞くにつけ、かつてステロイド依存で薬物依存に陥ってしまった私自身。
改めてその当時のことを思い返していました。
クスリを止めたい、いくらそう思ってみたところで、使った時の快適さやラクさ加減。
これらを忘れることができなくなる。
クスリを塗りさえすれば、苦しい症状から逃れることができてしまう。それは大いなる
"安堵感"
を伴うものでもあったのです。
生きものの原理原則は、苦痛を避け快楽を求めるところにある。
そんな風にも言われていますが、体からの激しい炎症や痒みだってクスリを使いさえすれば、逃れることができてしまう。
たとえ一時的であったとしても、
「逃れたい、救われたい」
こうしてクスリ、クスリと手が伸びていくことになってしまう。やがてすっかり依存体質が作られていくことになるのです。
薬剤依存症とは、クスリを使うたびに強化されていくといった結果を招いてしまいやすい。
抜け出すことができないアリ地獄、そんな悪循環にハマり続けてしまうのです。
でも私たちの体は私たち自身を困らせたり、苦しめたりする目的で症状を起こしているわけではありません。
すべてにおいて理由がある。
医学においては『合目的』といわれていますが、体はあえて厳しい症状を引き起こすことで、私たち自身を守ろうとしてくれている。
問題個所を体から取り除き、元気かつ快活。そんな状態を末永く維持させようと図ってくれている。
「症状即療法」
病気の症状とは、治癒回復に欠かせない療法そのものでもある。
自然医療の分野においては、こんな風に説明されているのです。
■まずは工事!
私たちの体は問題個所、修復が必要な個所を見つけると、その場所に向けて大量の血液を送り込む。
そのことで元の状態に戻そうと図ります。
まず最初に臨戦態勢を作り出すのですが、その際に先兵体となって体内で合成され始めるのが、「血管拡張物質」。
プロスタグランジンやアセチルコリン、ヒスタミンなどの体内物質は、血液の大量輸送を可能にするために働く"土木部隊"。
このように言えるのではないかと思います。
大量の血液を問題個所に滞りなく迅速に送り届けるためには、広い輸送路が確保されていなくてはなりません。
軽自動車しか入れないような道ではなく、大型トラックが何台も入れるようにと道幅を広く確保しようと工事を始める。
細いままの血管では、血液輸送が困難になってしまう。血管を広げるために分泌される物質だから血管拡張物質。
このように呼ばれているのです。
血管拡張物質は治癒に欠かせない、本当にありがたい物質なのですが、その手口は少々乱暴で荒っぽい。
血管を広げるのと同時に、痛みや腫れ、炎症や痒み、発熱などといった望まない苦しい症状までをも同時に引き起こしてしまう。
こうした面があるからです。
痛みなくして得るものなし、ノーペインノーゲイン。これをまさに地で行くのが血管拡張物質。こういうことになるのです。
もっとエレガントに穏やかに道幅を広げてくれれば良さそうなものですが、そうはいかない。血管拡張物質からしてみれば、
「痛いだカユイだ、ガタガタいうな!いま治してやるから大人しくしていやがれ!」
きっとこのように言うのだろうと思います。
こうして大量の血液が輸送され、免疫部隊の白血球が主力となって働くことで根本的な治癒は図られていくことになる。
これが自然治癒の基本的なプロセスであることが説明されるのです。
■クスリと耐性
でも、現代医療はこの治癒に欠かせない必要不可欠なツライ症状。
これをツライからという理由で、全て「悪!」と断じてしまいます。
具体的には、血管拡張物質の働きを抑制する。そのための薬効を備えた消炎鎮痛剤やステロイド剤、さらには免疫抑制剤など。
これらを処方することで、必要な血液を患部に流さない。プロスタグランジンなどの血管拡張物質の体内合成を阻害する。
こうしたクスリを処方することで、痛みや腫れ、炎症や痒みなどを和らげようとするのです。
実際に湿布薬などの添付書類を見てみると、「プロスタグランジン抑制剤」などの記載があることからも、このことが分かるのです。
でも体は必要があって血管を広げ、血液を大量に流し込もうとするわけだから、薬効が切れればまた再び血液を送り届けるためのプロセスを再開し始めます。
でもそこでまた消炎鎮痛剤やステロイド剤などを使ってしまうと再度、充分な血液が必要個所に届かない事態に陥ってしまうのです。
それでも私たちの体は実に粘り強いもので、肝臓腎臓などの解毒器官。
これらをフル稼働させることで、異物である薬剤の効力を無効化しようと頑張ります。
クスリに対する耐性、それを備えることで事態に対処しようと懸命になる。
それは薬剤に対する体の必死の抵抗なのだと私自身は思っているのです。
■闘い疲れて
でもこうした体の努力に対して医療の側は、クスリの強度をさらに引き上げよう。
こんな感じで対処してしまいがち。さらに強いクスリを処方することで、体が獲得した耐性を乗り越えてしまおう。
ただひたすらに薬剤処方を繰り返してしまうのです。
弱い薬効から始まったクスリが、時間の経過で段々と強くなり、やがては最強ランクの薬効へと移り変わっていく。
かくして、いつまで経っても治癒は図れない。そんなイタチごっこが続いてしまい、やがては重篤な事態へと陥ってしまうのです。
私が無投薬・無医療での病気治療を始める直前の段階で、肝臓のガンマGTPの値はもの凄い値になっていることを担当の医師から告げられました。
具体的な数値は覚えていませんが、尋常ではない状態である旨を告げられた。そんな日のことを思い出すのです。
私が皮膚を経由して塗り続ける最強のステロイド剤に対しても、体は全力で対抗し、排出を促そうと懸命に頑張り続けてくれていた。
その結果、私の肝臓はくたびれ果て、疲弊し切ってしまっていた。
全力を出し尽くして、もはや余力が残されていないような状態・・・。その証拠が尋常ではないガンマGTPの数値。
当時のことを思い出し、こういうことではなかったかと今振り返るのです。
私が長く苦しんだステロイド剤は、「コレステロール骨格」を持つ物質といわれ、それが体に入り組織に沈着すると過酸化脂質へと変性し、「酸化コレステロール」へと変化していく。
酸化コレステロールは組織に残留しやすく、排出が極めて困難な物質。それが皮膚の炎症をさらにムゴイ状態へと導いてしまう。
それにより組織破壊が進行し、ステロイドを塗っていない場所にまで惨たらしいまでの炎症が広がっていく。
ただの皮膚の炎症に過ぎなかったものが『酸化コレステロール皮膚炎』へと変化し、難治化症状を常態化させてしまうといった結果を招きやすくするのです。
ステロイドの使用は麻薬やギャンブル依存と同じで、
「入り口あって出口なし」
だから私はもう二度と絶対に使わない。
ステロイドのみならず、あらゆるクスリは症状を抑え麻痺させるだけのものであって、決して治すためのものではない。
治すのは自然のみである。この場合の自然には当然、私の心と体も含んでいるのだと思っています。
※参考:『無投薬無医療での30年の病気治療・震え続け、濡れ続けた我が闘病の全記録①』
もちろん、それぞれの状況によっては一時的にクスリに頼らざるを得ない。そうした場合も実際にはあるのでしょう。
でもその際も基本は、薬効が弱いものを短期間に限って使用すること。
それが基本であり、あらゆる薬剤使用の原則ではないかと思っております。