「安かろう、悪かろう」
かつて、粗悪品の代名詞はといえば中国製品。
それが相場であったと思います。
確かに中国製品は安いけど、品質は劣悪。海賊版なども横行し、知的所有権などは平気で無視してしまう。
"パクリ天国"
その汚名は世界中に轟いていたものです。
それは当の中国人たちも同じで、中国製品は粗悪でダサい。日本や海外製品は高品質で安心安全。
このように認識していました。
でも、その状況が刻々と変わりつつあるのが現在の状況です。
中国の若者たちにとって、日本製品は自分の母親世代がかつて買っていたもの。
日本製品に憧れていた世代は、親たち世代までのことであって、もはや中国の若者にその威光は通用しない。
中国製品の方が高品質かつハイセンス。
このような認識が一般化されつつあるというのです。
※参考:
『中国の若者は「もう日本製より中国製がいい」、その消費意識に起きているヤバい変化』
コピー商品で悪名を轟かせていたのは10年くらい前までのこと。現在、中国初の海賊版やパクリ商品などの話題はパッタリと流れなくなっているのです。
この背景には、以前にも紹介した習近平政権一期目(2012~17)の
「反腐敗キャンペーン」
の成果とみることができるのでしょう。
"トラもハエも叩く"をスローガンに、強力なリーダーシップを発揮した習近平政権。
習近平は国家主席の座に就くやいなや、極めて短期間に海賊版商品などを市場から駆逐するに至りました。
そして就任から1年の間に汚職政治家、汚職官僚を次々に追放し、さらにはアンタッチャブル!とまでいわれていた『軍制改革』をも断行するに至りました。
『共同富裕』こと、皆で一緒に豊かになろう!をスローガンに掲げ、それまでこの世の富を独占し続けて来た超富裕層たちに対して、「贅沢禁止令」で追い打ちをかけていく。
汚職に慣れ切っていた共産党員や地方役人、さらには軍人たちまでもが肝を冷やし、その一方で中国国民の多くが、習近平の改革断行に拍手喝さいを送ってきたのが経緯です。
中国はアメリカに変わる次なる覇権国家として、経済面のみならず外交面においても揺るぎない地位を確立しつつある。
それに対して私たち日本人はといえばいつまで経っても、中国は汚くて貧しくて、気味悪くキケンな国・・・。
このような認識を頑なに変えようとはしていないのです。
「国際情勢音痴」
移り変わる世界の中で日本はいまだアメリカ一辺倒の姿勢を崩そうとしていない。
音痴程度で済めば良いのでしょうが、それは将来の国益を大きく損なう結果になるのではなかろうか?
そんなことを思っているのです。
■目覚めよ!
「奇跡のリンゴ」で有名な無肥料・無農薬の自然栽培カリスマ農家といえば木村秋則氏。
木村氏はここ最近の講演などで、
「中国産の食べ物は今や国産より安全かもしれない」
このように述べているとの記事を最近見かけました。
※参考:『中国産の農産物、実は国産よりずっと安全ってホント?』
中国は私たちの知らない間に、世界有数の有機農業大国になっている。
食の安全に対する基準が厳しいことで知られているEU(ヨーロッパ連合)に対しても、大量の有機食材を輸出しているとのこと。
中国国内においても、「食の安全」を求める消費者の層は着実に広がり続け、確固たるニーズへと変化しつつある。
その証拠に市場規模を拡大させ続けているのが現状とのこと。木村氏曰く、
「中国は共産党主導で食の安全性の向上に非常に力を入れており、私のところにも共産党の幹部が直接訪ねてきた」
と話しているのです。
有機栽培というレベルに留まらず、無肥料・無農薬の自然栽培にまで強い関心を示し始めているのが現在の状況。
自然栽培の母国は、言わずと知れた私たちの国・日本なのですが・・・。
その本家本元である私たちの国は中国とは正反対に、残留農薬の基準をどこまでも緩め続け、飛び切り濃度の濃い農薬を国民に食べさせようと懸命になっている。
※参考:『食材と兵器の思わぬ関係に迫ってみる!距離の差が天地の差を生む理由とは?』
さらには自国民にコオロギやカメムシなどを食べさせようとしているのが現在の状況。
自然栽培までもが、やがては軽く中国に追い越されていく・・・。近い将来、そういう時代が本当に来るのかもしれない。
それは実際に自然栽培を畑で手掛ける、ハシクレ農家の私にとっても痛恨かつあまりに悲しき事態。
習政権の本気度と実行力、そしてこれまでの功績を思えば、それはまさに秒読み段階ではないかと思っているのです。
「国産は安全、中国産はキケン」
私たちはいまだ、このような固定観念から一歩も抜け出せていないようにも思います。
でも「食の安全」に対しては、日本政府は後退する一方で、中国政府は勢いよく前進を続けているのが現状です。
日々口にする食べものこそが、健康で快活な体づくりの基本中の基本である。日本人よ、今こそ
"目覚めよ!"
そんなことを声を大にして叫びたくなってしまうのですが、いかがでしょう?
■参考文献