「マズくて、古くて、劣悪」
そんな食材を、そこそこのものへと仕上げていく。
これは食品業界の得意技の1つといえるのでしょう。
古くてマズくて、廃棄寸前。そんな食材だからこそ、タダ同然!の値段で仕入れることができてしまう。
‟安く仕入れて高く売る”
これは商売成功の普遍的な黄金律になりますが、廃棄寸前のものこそ、最高の儲けを生み出すためのタネになる。
どこまでも安く仕入れることができるのだから、使わない手はない!
こういうことになるのです。
でも、味はムゴく、色もくすみ、香りも何もすっかり吹っ飛んでいる・・・。
そんな食材を加工してみたところで、売れるはずがない。いくら安くたって、誰も買わない。
上手にゴマカさない限り、いくら安く仕入れることができたところで意味がない。そこで盛んに用いられるのが、
「食品添加物」
添加物を駆使すれば、どうにもならないような食材でも、どうにかなってしまう
だからこそ、さまざまな食品に添加物は使われ続けているのです。
旨味の乏しい食材には、
‟化学調味料や酵母エキス”
を添加すればそれでOK。濃厚な旨味を充分に付け足すことができてしまいます。
風味が飛んだような古い食材であっても、
「香料」
を使えばカンタン。安価で香りや風味づけを行うことができるのですから。
色が落ちてくすんだような食材には、
「着色料」
これがあれば、見た目も色鮮やかに生まれ変わる。
さらに、そもそもが劣悪な食材なので、どうしたって腐りやすい。でも、「防腐剤」を使えば大丈夫。
長期の保存が可能になるといった次第です。
こうして日本人は年間に約8キロもの食品添加物を食べている・・・。
1日に食べる量は微量であっても、チリも積もれば山となる。
人はどんな環境にも慣れる生きものといわれますが、いくら慣れたところで長期にわたって摂り続けてしまえば、物理的に体が壊れてしまう。
食品添加物こと、化学合成添加物は人体にとっては、どこまで行っても
「異物!」
に過ぎない。異物である以上は、その安全基準はゼロである!
このことを基本に判断していく必要を思うのです。
■安心原料の裏側
食品添加物といえば、
「化学調味料」
化学調味料は添加物の象徴的存在であるのと同時にエースでもある。
実に様々な食材に使われているのです。
化学調味料はサトウキビから作られている。メーカー側は頻りにそう宣伝しています。
それを聞くと、化学調味料は悪く言われることが多いけど、サトウキビが原料ならば、
‟安心だね☆彡”
こんな風に思ってしまうのです。
化学調味料を化学名に直してみると、「グルタミン酸ナトリウム」。
グルタミン酸というアミノ酸の一種に、ナトリウムがくっついた形になっている。
それが濃厚な旨味の素になるというわけです。
サトウキビから作られていると言うのだから、サトウキビにはさぞかし、グルタミン酸もナトリウムも
「たくさん入っているんだろうな」
そう思って調べてみると、サトウキビの成分表示にグルタミン酸もナトリウムも一切含まれていない。
それなのにどうしてメーカー側はサトウキビから生まれた!なんて盛んに言うのか?これは一体、どういうことなのか?
そんな疑問が浮かび上がってくるのです。
何度かお伝えしている話なのですが・・・、かつての化学調味料は、小麦を塩酸などで処理して、グルタミン酸を作り出していました。
でもこの方法だと、どうにもコスト高になってしまう。商売成功の黄金律に合わせて、もっと安く作る必要があったのです。
そこでコストを下げるために、石油由来の化学物質、
「アクリロニトル」
から合成して、大量にしかも安価で製造できるようになったのです。
これは利幅も大きく、生産量も安定していたので良かったのですが、発ガン性の問題が浮かび上がりました。
石油由来であることも、マイナスイメージを増幅させることになってしまった次第です。
そこで、用いられたのが現在の方法。微生物から抽出する方法を編み出したのが経緯。
自然界からグルタミン酸を生産する能力の高い"菌"を探し出して、抽出する。
この方法で、安価にしかも大量に化学調味料は作られているのです。これは『発酵法』と呼ばれる製造方法になります。
でも、いくら見つけた菌がたくさんのグルタミン酸を作るといっても、当然ながら限度があります。
菌はあくまで自分が生きるためにグルタミン酸を作るのであって、人に振舞うために作っているわけではないからです。
一定量を作り出してしまうと、そこでグルタミン酸の製造を止めてしまう。菌の中の制御センサーが働き、もはや作ってくれなくなってしまうのです。
でもそれではメーカーとしては、困ってしまう。無尽蔵にグルタミン酸を作り出してくれないと、生産が不安定になってしまうことが理由です。
制御センサーが働いてしまうのなら、センサーそのものを破壊してしまえば良いのではなかろうか?こうして用いられたのが、人工の
‟紫外線”
菌に紫外線を照射することで、制御センサーを壊してしまうのです。
センサーを壊されてしまった菌は、一定の栄養条件を満たせば、無尽蔵にグルタミン酸を作り出すようになる。
いわば、"突然変異"を紫外線照射によって誘発させるというわけです。
後はそれを分離し、培養するだけで良い。たくさんのグルタミン酸を作り出せるようになった菌に、乳糖、糖分、ミネラル剤などのエサ与える。
ココでようやく使われるのが、
「サトウキビ」
菌に糖分を供給するためのものですが、そのサトウキビは、"廃密糖"と呼ばれているもの。
サトウキビを搾った後に出るカス。このカスを菌に与えていることを以って、
"サトウキビから作られる!"
と盛んに宣伝しているわけなのです。
■制御によって・・・
でも、ココでもうひとつの問題が生じます。
それは菌が無尽蔵に作り出すグルタミン酸を菌の中から取り出す工程です。
菌は細胞の中の核を守り、細胞溶液を外に垂れ流さないための細胞壁や細胞膜を備えているのですが、これがどうにも
「邪魔になる!」
何とかしなければ、効率よくグルタミン酸を取り出すことができないわけなのです。そこで用いるのが、
『ビタミン制御』
といわれる方法。ビタミンの一種である‟ビオチン”という物質を菌に与えないでいると、細胞膜が薄く脆くなっていく。
この状態でグルタミン酸を無尽蔵に生産していくと、薄くなった膜に穴が開き、そこからグルタミン酸がドンドン流れ出てくる。
このようにして効率よく、グルタミン酸を取り出すことができるというわけです。
後は取り出したグルタミン酸にナトリウムをくっつけることで、旨味を強力なものへと仕上げていく。
多くのクスリやサプリメントなども、上記の発酵法を用いて安価に大量に作られているのです。
こんな反自然に作られたクスリを私たちは
‟おクスリ☆彡”
だなんて呼んで崇め奉っている・・・。
そしてサプリメントは体に良いと信じ込んで、日々継続して飲み続けているのです。
クスリもサプリも、一錠に含まれる有効成分は多くて1割程度で、残り9割の成分は、化学合成添加物。こういうことになるのです。
※参考:『栄養の多さと腸内環境・宣伝文句に乗せられない!自然派栄養摂取考』
こうして体内への異物の蓄積を加速化させているのが私たちの現状というわけです。
■舌でトロける真相
このように、化学調味料やクスリ、サプリの製造の過程で、ビタミン制御が行われています。
そしてそれは私たちの大好きな
‟高級ブランド牛”
にも同じ方法が用いられているのです。牛たちのエサからビタミンを取り除くことで、舌の上でトロけるような柔らかくて、濃厚な旨味の霜降り牛が作られていく。
自然な牛の肉は筋肉のため、赤身肉になるのが普通なのですが、その筋肉の間に細かく網の目のような脂肪を混入させるのが霜降り牛肉。
この筋肉に入った脂肪部分を
「サシ」
と呼んでいるのです。
高級牛肉を作るためには、サシの入りやすい牛の品種を選ぶことから始まるのですが、それだけでは充分ではない。
肥え太らせるためには、牛本来のエサである草を取り上げ、濃厚飼料といわれる高タンパクのエサを与え続ける必要があるのです。
でもエサの中に、ビタミンAが豊富に入っていると、サシの入った肉にはなりにくい。ビタミンAには、脂肪細胞の増殖を
「抑える」
働きがあるからです。
ビタミンAの入ったエサを与えている限り、霜が舞い降りたような姿にはなりにくい。
そこでビタミンAをエサに与えないといった給餌制限が行われているのです。
■盲目の牛
でも、ビタミンAは牛の視力を健全に保ち、筋肉質の体を作り、関節にかかる負荷を軽減させる働きがある。
牛の健康にとって、欠かせない物質のひとつといえるのです。それをエサから取り上げられてしまうと、慢性的な
「ビタミンA欠乏」
に陥ってしまう。この状態が続くと、視神経に障害が出てしまい、失明してしまうケースも少なくない。
また、関節炎や浮腫などの症状を起こしやすくなることが指摘されるのです。
ビタミンAを制御してしまうと、牛は食欲不振を起こすことが知られています。
高級牛肉を作るに当たって、食欲不振は致命傷になってしまう。エサを食べてくれない限り、肉はつかない。
それでは何の意味もなくなってしまうのです。
牛の食欲不振を解消するために、使われるのが
‟ビール”
ビールを牛に飲ませることで、炭酸が胃を刺激して、落ちた食欲を復活させることができるようになる。
ビールは肉質を良くするために与えられるといわれますが、実際はそうではない。
ビタミン制御による食欲不振の解消のために、与えられているのです。
■全力の抵抗!
以前、『高級牛肉の作り方』というビデオを見たのですが、その中で、ビールを飲まされる牛のシーンが映し出されていました。
牛はビールなど好んで飲むはずがありません。いくら与えても、自分からは決して
「飲まない」
ものなのです。
でもそのままでは、食欲不振はいつまで経っても解消されない。後に残された手段は、
‟力づく!”
足を固定し、首も固定し、身動きが一切取れない状態を作り出す。
そこに無理やりビールを流し込んでいく・・・。そんな光景が映し出されていたのです。
動けないながらも何とか逃れよう!と必死に抵抗する牛の姿。微かに動く首を何とか動かし、不自由ながらも頑張ることで、
「全力で拒否」
をし続ける。それでも無理やり押し込まれてしまうビールを後は、吐き出そうと必死になるのです。
でも、どんなに吐き出してみたところで、ノドの奥に押し込まれてしまうものは、どうにもならない。
きちんと一定量を飲むまで、この作業は終わらない。無理やりノドに流し込まれる際の白目を剥いた牛の姿。
これがいまだ鮮明に脳裏に焼き付いたままでいる。
以降、霜降り肉は一切食べていないのですが、食べれなくなったのが正直なところです。
■過大と過小の評価
今の牛の多くが白血病にかかっていると言われています。
そして脂肪肝、結石、感染症などの、さまざまな病気の症状に侵されていることも言われているのです。
※参考:
『牛乳の知られざる裏側は!?あなたはそれでも牛乳・乳製品を摂り続けますか?』
実際に、私たちが食べている牛肉や豚肉の60%以上が病気の部分を切り取った、残りの部分であることが、2017年度の「食肉検査等情報還元調査」で報告されています。
化学調味料にしろ、霜降り牛にしろ、私たちの知らないところで、こうした行為が行われているのです。
食の安全を大切に思うのなら、売る側が知られたくない!と思う情報をしっかり取っていくことも、大切なのではなかろうか?
とかく世に溢れる情報は、良いことばかりを過大評価して、知られたくない情報は過小評価してしまう傾向が強くあります。
今後もこのブログで、食の安全を大切に考えるあなたに、隠されてしまいがちな、知られざる情報をシェアしていければと思っています。
■参考文献