「会社の秋の定期健康診断」
その診断結果が手元に来ました。そこで私は2回連続の
「Ð判定」
速やかに精密検査を受けてください!結果とともに、こうした文言が添えられていた次第です。
現代医療から見ての私の問題個所は
「脂質異常」
かつては『高脂血症』と呼ばれていた症名になります。私の内訳はというと・・・、
・HDLコレステロール: 51㎎/dl
・LDLコレステロール:182㎎/dl
・中性脂肪 :242㎎/dl
上記の結果を合わせた、総コレステロール値は269㎎/dl。
今すぐ精密検査が必要な数値なのだそうです。
多くの方の場合、ココで慌てて病院に赴き、不安いっぱいのまま精密検査を受けることになるのでしょう。
でも医者ギライ・クスリギライ、無投薬・無医療実践家の私としては、実に素晴らしい数字だ!我ながらホレボレしてしまう。
長年かけて取り組んできた数々の実践に
"間違いはない!”
松坂大輔投手の言葉を借りれば、自信が確信に変わった。そんな感じでますます自信を深めているのが現在の心境です。
■幼稚で稚拙・・・
"善玉が!悪玉が!"
コレステロールといえば、善と悪とに色分けをして散々に喚き騒いでいる。それが現状なのでしょう。
そもそもコレステロールが問題となった発端は、1913年にロシアの病理学者ニコライ・アニチコフが行った動物実験。ココに源流があることがいわれているのです。
肉や卵などの高コレステロール食材をウサギに食べさせてみたところ、動脈硬化を起こしてしまった。
それを機に『コレステロール悪玉説』が広まった。こうした経緯が語られているのです。
でも、この実験には素人でもわかるような初歩的な欠陥があります。それはウサギとはそもそも草食動物であること。
自ら進んで、肉や卵などを決して食べることがない。にも関わらず、ムリヤリ高コレステロール食を与えてしまえば、異常が起きるのだって至極当然のことがらといわねばなりません。
何ら医学的証明にはなり得ない、これが現代の常識です。
おそらく誰も反対できないのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
さらに1970年代に、アメリカのヘグステッドという学者が発表した論文で、食品のコレステロールが100㎎増加すると、血液中のコレステロール数値が
「6㎎上がる」
このような仮説を発表するに至りました。このことを起点に、高コレステロール食材は健康に悪い!肉や卵を控えるべき、魚卵などはトンデモナイ。
こうしてただの仮説に過ぎなかったものが世界中を席捲していったのが経緯です。
でも、食品とコレステロールの値は、かなりの個人差が出るのが当たり前。
コレステロール100㎎を摂ったからといって、誰もが等しく、判で押したかのように6㎎上昇!そんなことは到底起こり得ない。
20歳の青年と70歳の年配の方とでは違うのが当たり前なのでしょうし、男女差だって一切考慮されていない。
身長180センチを超える大男と140センチそこそこの華奢な女性もすべて一緒くたにされてしまっている。
前提条件をあまりに無視したものであるとして、医学ではとっくに否定された
「俗説!」
このように結論づけられているのです。
どちらの説も否定されているにも関わらず、コレステロールが!と頻りに叫ばれ続けている・・・。
コレステロール悪玉説は、とっくに否定された根拠なき亡霊のようなものといえるのです。
■真逆の主張!
以前の記事でもご紹介しましたが、医学界にはコレステロールの基準値を巡っての激しい論争。
これが繰り広げられた経緯があります。それが
「コレステロール大論争」
と呼ばれる比較的最近の事例です。
この論争が稀有であるといわれる由縁は、専門学会が作成するガイドライン同士がぶつかり合い、真っ向対立に発展していったこと。
論争の過程で、基準値策定の裏で暗躍する人々。その思惑と実像とがクリアになった!と指摘されているのです。
対立したのは、「日本動脈硬化学会」と「日本脂質栄養学会」。以下にその内容をカンタンに述べてみたいと思います。
動脈硬化学会は、『動脈硬化性疾患ガイドライン2007年版』を発表し、コレステロールの基準値を定めたことが発端です。
・HDLコレステロール: 40mg/dl未満
・LDLコレステロール:140㎎/dl以上
・中性脂肪 :150㎎/dl以上
この数値を持って、「脂質異常」と定義するに至りました。
コレステロール値を基準内に収めれば、動脈硬化を予防できるといった仮説を持ち出し、ガイドラインを策定。
LDLコレステロール値こと、通称、"悪玉コレステロール値"が高いと動脈硬化が進んでいき、血管が詰まる。
その結果、心筋梗塞や脳卒中などを起こしやすくなると指摘。この事態を回避するためには、クスリを使い数値を下げるべき!
このような主張を展開した次第です。
これに対して、脂質栄養学会は反発。動脈硬化学会に対抗して、『長寿のためのコレステロールガイドライン2010年版』を策定。この中で、脂質栄養学会は、
「コレステロール値は高い方が総死亡率は低下する」
とまさに真逆の主張を展開した上で、複数の臨床試験の結果から、コレステロール低下薬の有効性は認められない。
よって、動脈硬化の予防には不適切で、必要がない。結論として、コレステロール低下薬は意味がないので勧めない。このように反論したのが経緯です。
この脂質栄養学会の発表に対して、動脈硬化学会は反発。
「科学的根拠がなく、必要な患者の治療を否定するもので容認できない」
とする旨の声明文を出し、脂質栄養学会のガイドラインを否定するに至りました。
真向対立、そんな様相にまで発展したのですが、詳細に追跡調査を行うと、ガイドラインそのものが歪められている。
このことが白日の下に晒らけだされる結果になったと、『新薬の罠』(文芸春秋社)の中で著者の鳥集徹氏は、この対立構造を以下のように分析しているのです。
■お金ゾンビの正体は?
鳥集氏は、著書の中で、動脈硬化学会のバックには、日本医師会や日本医学会が存在し、会員数は2000人を越えていると述べています。
一方の脂質栄養学会の方はといえばバックがなく、会員数も321人と規模の面では7分の1。
権威の面でも規模の面でも、動脈硬化学会が圧倒していると説明しているのです。
そして動脈硬化学会の方は、名だたるスポンサー企業がズラリと並びます。ザッと挙げてみると、
「アストラゼネカ、塩野義製薬、ファイザー、アステラス、バイエル、第一三共、キッセイ薬品、ノバルティス、武田薬品工業・・・」
新コロ騒動の際のワクチンや治療薬でメデイアを賑わせた、そんな企業の面々がズラリ・・・。
2012年度版の動脈硬化学会のガイドライン作成委員の18人中15人が、製薬会社7社から資金提供を受けていた事実を確認できた。
鳥集氏はこう述べているのです。
奨学寄附金と称して製薬会社から提供された資金の総額は大阪大学教授のM氏に対して、2000年~2005年の6年間で何と、
"8億3000万円"
実に巨額なものであったと指摘しているのです。
実際に、コレステロールの基準値が10㎎/dl下がるだけで、コレステロール降下薬のの売上げは数百億円もアップしていくことが言われています。
そしてコレステロール低下薬の市場規模は毎年3000億円超ともいわれているのです。
そしてコレステロールと低下薬と血圧を下げる降圧剤の服用とはセットになるため、製薬会社にとってはまさにドル箱。
売薬側の輩たちも商品を売り込もうと必死になるというわけです。でも私たちからしてみれば、彼らのビジネスに協力する理由など一切持ち合わせてはいない。
親からもらった大切な体を犠牲にしてでも、売薬業者を儲けさせたい!そういう人は別なのでしょう。でもそうでないなら、
・コレステロールを善玉と悪玉に分けて考えることを止めること
・HDLもLDLも必要があって、体内に存在している事実に気づくこと
これは腸内細菌や菌やウイルスについても、同じことが言えると思うのです
■母乳育児は最悪?
欧米人は日本人の3~6倍の割合で
「心臓疾患」
を発症しやすいことがいわれています。欧米人にとって、心臓疾患はかかりやすい病気のひとつといえるのです。
だからコレステロール値を設定して、注意を促す必要はあるのかも知れません。
でも、発症率のずっと低い日本人の私たちにまで、その数値を当てはめようとするのは明らかにムリがある。
実際に日本栄養脂質学会が5万人を対象に6年にわたって行った調査においては、総コレステロール値が
「240~260㎎/dl」
の人が男女ともに長寿で、病気にかかりにくい。こうした事実が明らかにしたのです。
動脈硬化学会が定める現在の120~220mg/dlという基準値は明らかにおかしい。総コレステロール値269のこの私は健康そのもの!
このようにも言えてしまうのです。
コレステロール値は高すぎても低すぎても死亡率は高まりますが、より低い数値の方が死亡率が高くなることが判明。
また総コレステロール値が低くなるほどガンによる死亡率が高くなり、160㎎/dl未満のグループは280㎎/dl以上のグループの
「約5倍」
もガンの発症確率が高くなることが明らかにされたのです。
コレステロールは60兆といわれる人体の細胞、その細胞膜を構成する材料になるものです。
コレステロールが不足すると、血管は脆くなり、脳出血や心筋梗塞などの深刻な症状起こしやすくなってしまう。
またコレステロールはホルモンの材料としても使われる物質で、胆汁などの消化液の材料にも使われている。
さらにコレステロールは脳の発達にも欠かせないもので、脳内脂質の20~30%はコレステロールから作られていて、脳の神経細胞に至っては60%にもなると解説されるのです。
JR東日本と帝京大学が共同で行った調査においては、中央線で飛び込み自殺した55~60歳の男性の約9割がコレステロール低下薬を飲んでいたことを発表しています。
コレステロール値が下がると、気力が低下して鬱に至ると説明するのです。
コレステロールが悪いというのなら、母乳育児などは放棄しなくてはなりません。特に生後2週間までの母乳は、「高コレステロール乳」であることが分かっているからです。
赤ちゃんはこれから健康に生きていくために、脳を発達させなくてはならない。だからこそあえて母乳の中に多くのコレステロールを含ませている。
誕生後の2週間、その初頭期間に、脳を全力で発達させようと懸命になっている姿ともいえるのです。
■善悪の彼岸
医療もメディアも私たちも、コレステロールを善玉・悪玉とに分けて語りたがります。
でも、分けること自体に意味がないし、それは売薬業者の思惑にまんまと乗せられているといわねばならないのです。
善と悪に分けて考えることは、
「心臓は善だけど、肝臓は悪」
「目は正しいけど鼻は間違っている」
「酸素は善だけど、二酸化炭素は悪」
このように言うのと同じくらい意味がないといわねばりません。
いわゆる善玉コレステロールといわれるHDLコレステロールは細胞内のコレステロールを肝臓に運ぶ役割を持つ物質。
悪玉といわれるLDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを細胞内に運ぶ役割を果たしています。
善玉も悪玉も、どちらも人体にはなくてはならない物質。どちらが欠けても、私たちは死亡してしまうことが指摘されているのです。
細胞の膜を作り、血管を強化し、脳を活性化させる働きを持つ大切なコレステロール。どうして私たちは、それに対して善悪をつけてしまうのか?
老化現象で血管が脆くなる。または何らかの影響で血管にキズがつく。そうなると私たちの体は脆くなった血管を修復し、強化しようと指令を出します。
そのまま放置すれば、命に関わる一大事になってしまうことが理由です。
指令を受けて、真っ先に駆け付けるのがLDLコレステロール、いわゆる悪玉といわれている方になります。
肝臓で作られた大量のコレステロールを持って、現場の傷ついた血管の周りに集まってくるのです。
でも、医療ではこの集まっている状態を“悪である!”と断じているのです。
LDLコレステロールは肝臓で作られたばかりの新鮮なコレステロールを持って、血管修復のために現れたのに、なぜだか悪者にされてしまっている。
LDLコレステロールが血管を傷つけたわけでもないのに、塗れ衣を着せられてしまっている。
脳梗塞や心筋梗塞を防ぐための補修作業に現れたありがたい物質に対して、
「お前が犯人だ!」
そう一方的に決めつけられてしまっている。あまりに非科学的なトンデモ科学を私たちは信じ込まされているのです。
私たちの体は、私たちを自身傷つけ、苦しめてしまうようなマネを決してしないものです。突然の謀反を起こして、私たちを殺めることなど絶対にないのです。
死の寸前、最期の一秒まで、私たちを生かすための努力をやめようとしないことが言われているのです。
私たちの体は親が子を守るように、いつ何時でも私たちの味方になって、元気で快活!に過ごしてもらうための努力と献身とを惜しまないものなのです。
コレステロールを善悪に分けることで、"脳卒中になりますよ"、"心筋梗塞になっても良いですか?"
こう私たちを恫喝し、コレステロール低下薬を生涯にわたって飲ませ続けようとする輩どもが幅を利かせ続けている。
1972年の総コレステロール基準値は300㎎/dl。1975年には260㎎/dl。それからどんどん下げられていき、現在は220㎎/dl。
基準値を操作することで、善と悪とに色分けをすることで儲けを大きくすることができてしまう。基準値などは売薬業の輩どもの
「営業ツール」
このように言わねばならないと思うのですが、いかがでしょう?
■参考文献