「日本の山が荒れている」
そう言われて久しいものがあります。
第二次世界大戦終結後の深刻なモノ不足。日本国民は極端な物資不足に喘ぎ続けていたのです。
そこで当時の日本政府は、
“コメの増産と国産杉の増産”
さらには鉄鋼や造船などの重化学工業の奨励を進めた
「傾斜生産方式」
これらの施策を推進するに至りました。
その結果として、コメは余りに余るようになっていき、安い住宅を作るためには、国産木材よりも輸入木材。
コチラの方がダンゼンお得!
こういうことになっていき、コメ余りに対しては、1970年からの『減反政策』。
国産杉の奨励に対しては、1963年の『木材の輸入自由化』。
そう推移していった結果、国産の木材などは高くて売れない。人々は山仕事を放棄し、その結果、日本の山林は荒れ果てるばかりとなっている。
日本の食料自給率は、カロリーベースで38%。
国産木材の自給率は、2割程度。
これが私たちの現在の状況になるのです。
我が家も先祖代々、かなり広範囲の山林を所有しているのですが、ウチの山も他同様に荒れ続けている。
むかし国産杉は高値で取引され、ウチの父親などは杉材によって東京での大学生活を送ることができたのだそうです。
かつて高値で売れていた杉は植えっ放しの状態になり、いまや大木となって林立している。
山の管理をきちんとしよう!そう思って日々山に入り、竹などの伐採や木々の剪定、さらには山野草の管理。
全部はムリだから小面積から徐々に広げていこう。こんな感じで裏山の管理を続けているのです。
(※竹を伐ることで日当たりを確保し、風邪の流れを変えるように努めています)
■セットになるのは?
この時期は、山菜の季節になります。
ほろ苦かったり、ちょっとエグミがあったり。
そんな山菜たちを食べることで、冬場で眠った体の機能を徐々に徐々に起こしていく。
ウチの山にはタラの芽の群生があるのですが、いつ頃からあるのかは全く不明。
ただ我が家のところにばかり集中して、生息している。きっと先祖の誰かが山菜好きだったのかもしれません。
(※写真は数年前のものになります)
昨年までは山荒らしに遭うことは一切なかったのですが、
不景気とコロナ失業、
タラの芽なんて指でコキッと曲げればすぐに折れるのに、
販売目的で盗られているのでしょうかね。ただ、
その蕾のような大きさではあんまり美味しくはないと思うのですが
もちろん応急的な対策をしてみたのですが、
半分くらいのタラの木にこのようなモノを貼っておきました。
ショックを受けているのですが、
(※まだ多くの木がこんな状態です)
監視を続けようとは思いますが、ずっとの見張りはどうしたって難しい。
山はみんなのモノ、そういう理屈も理解しますが、それなら管理と納税分についてはどうなるのか?
税金の問題は置いておいても、山の利用は管理作業とセットではないか?このように思っているのです。
この時期だけコソッと現れて、山の幸のみを収奪して、後はどこかへ行ってしまう。
それはどうにも納得がいかない。そんな感じでとても気分が優れない。そんな今日この頃です。
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