人生で最も大切なことは、
「何ごとも決めつけない」
態度にある。
そう述べたのはインドの非暴力平和主義者のマハトマ・ガンジー。
決めつけてしまうことは、人生そのものを不幸にしてしまう。
私たちは思い込みや先入観から、できるだけ自由になる必要があるのです。
でも言っていることは分かるけど、実行するとなるとなかなか
“難しい”
私たちはどうしても思い込みにとらわれやすい。こうした面があるからです。
そしてそれらは、誰かの都合や思惑によって誘導されているケースも珍しくない。
私たちはコトの真相を決めつけるのではなく、もっと自由に、何ごとにも捉われない。
一切の制限をかけることなく
「見極める」
必要を強く思うのです。
今回は以前もお伝えした内容になりますが、「病気と治癒」の関係について考えることで、
医者を遠ざけ、クスリを拒む。
そんな生き方のヒントについて述べてみます。
■生命の系譜
あらゆる生命のふるさとは、
「海」
38億年前に海の中で生まれた生命体は、約12億年前に陸へと上がっていったことがいわれています。
それが、私たちに繋がる生命の系譜。このように考えられているのです。
私たちのイノチの源は海。実際に、羊水の成分と海水の成分は酷似していることが言われているのです。
また、私たちの血液のミネラルバランスも海水とよく似た組成になっている。
“血潮”
なんて言いますが、それは生命の起源はどこか?
そのことを雄弁に物語っていると思うのです。
動物愛護の方から見れば、卒倒してしまうような話なのかもしれませんが・・・。
あるフランスの医師が海水と血液の成分は酷似している。この事実に気づきました。
ナトリウム・マグネシウム.・硫黄・ カルシウム・ カリウムなどのミネラルバランスは海水と
「ほぼ同じ」
ような組成になっている。その医師はあらゆる病気の原因は血液の汚れからくるのではないか?と思っていたそうです。
血液の汚れこそが病気の本当の原因。こう考える医師は、1つの仮説を立てるに至りました。
それは人の血液は、故郷の海水と同じバランスでなければならない。
ミネラルのバランスが海水から遠ざかれば遠ざかるほど、深刻な病気に見舞われやすくなってしまう。
病気を治すには、血液を海水と同じ組成に戻さなくてはならない。
この仮説に気づいた医師は矢も楯も、いられなくなってしまいました。
そこで愛犬を使った驚愕の
“実験”
を行うに至ったのです。
■実験の賛否
この医師の実験に対しては、
「残酷!冷酷!人でなし!」
そうした声があるのに対して、一部の人々からは人類史に残る
“歴史的実験!”
このように熱狂的に称賛され続けている。
その実験がどんなものであったのかというと、愛犬の血をすべて抜き取り、静脈から薄めた
「海水」
を流し込む。それにより、愛犬は生きられるのか、どうなのか?
さらに海水注入前と後とでは、健康状態にどのような違いが見られるのか?このことを確かめるための実験を行うに至ったのです。
愛犬の名前は分かりませんが、その医師の名はルネ・カントン。
この実験を多くの人々の前で、公開実験として実施したことが伝えられているのです。
愛犬は血の抜き取りと海水の注入作業を終えると、グッタリとしてしまったそうです。
翌日もその翌日も、容態に変化は見られない。実験は失敗に
“終わった!”
おそらく誰もがそう思ったことでしょう。
でもそれからしばらくすると、次第に体温が上昇傾向を見せ始めました。
それに伴い、体の活動、生理反応が回復し始め、5日を経過した頃といわれていますが、愛犬は見事元気に復活した。
それはタダ元の状態に戻ったのではなく、海水注入前よりも遥かに、そして明らかに元気に
「走り回った!」
このことが伝えられているのです。
この実験は1897年に行われたもので、周囲の誰もが驚愕したことが伝えられています。
そしてこの実験は、カントンの犬の実験として、後世においても語り草となっているのです。
(※写真はイメージです)
■難病を次々に・・・
この実験によって、海水が血液の
「代わり」
になる事実が判明した。
そしてあらゆる病気は血液の汚れにこそ原因があるのだから、元気になるためには、海水を活用すれば良いことになる。
この事実が証明されるに至った次第です。
人は海のミネラル組成から遠ざかれば遠ざかるほど、病気がちへと傾いてしまう。
ガンを始めとしたあらゆる病気の原因は、海水の組成から遠く離れてしまうことにこそある。
この仮説に自信を深めたカントン医師は、人の病気の治療に積極的に海水を
“用いよう!”
こう決意を固くしたことが伝わっているのです。
体の中を海と同じ状態に戻せれば、あらゆる病気を治せるはず。カントンはこの仮説に対する自信と確信とを深めていったのです。
カントンが愛犬を使った実験で得られた要点は
・赤血球の迅速な回復
・白血球の迅速な増加
・免疫力のアップと強靭化
・素早い活力・体力の回復
このようなものだったといわれています。
その後、犬以外に哺乳類では人・ウサギ、両性類ではカエル、爬虫類ではトカゲ等の血液と海水を入れ替えてみたところ、全て
「成功」
を収めるに至りました。
血液の汚れは万病を招く。その清浄純粋化を図らない限り、あらゆる治療行為は無効である。
こうして、カントン医師はその後も実験を重ね、ついに1907年にパリのモンパルスナ駅近くに、海洋診療所を開設。
チフス、肝硬変、ガンといったさまざまな難病を次々に治したことが伝えられているのです。
ありとあらゆる病気をクスリなどは一切使わず、ただ薄めた
“海水のみ”
を使って回復させた。
そしてその噂は瞬く間に広がり、瀕死の子供を抱えた母親たちが診療所に行列を作り、
パリで10万人・リヨンで15万人
もの子供たちの命を救ったと伝えられているのです。
カントンは「海水療法」の生みの親となり、その普及に生涯を捧げることになったのです。
海水療法は、衰弱し尽くし、医療から見放された人々を数多く回復させ、蘇生させたといわれているのです。
■医学と海水
でもココで疑問に思うのは、愛犬の体の中で、一体どんなことが
「起きていたのか?」
海水がどうして血液の代わりになり得たのか?この疑問が残ります。
現代医学の権威に尋ねてみれば、おそらく海水では血液の代わりにはなり得ない。
輸血とは、水分・ミネラル・そして何よりも
『血球』
を補給するためのもの。
海水に血球は一切含まれていないので、そんな療法は無効である。このように述べると思われます。
だからこそ輸血がいつだって必要なワケだし、血液製剤は欠かせないもの。
現代医学においてはこのように考えられているのです。
でも、カントンの犬の実験においては、輸血は一切行われていないし、血液製剤だって何一つ使われていない。ただ薄めた海水を用いただけ。
海水なのだから血球などは含まれているはずもないのですが、どういうわけだか愛犬は蘇生した。
現代医学の輸血の考え方では全く
“説明がつかない”
こういうことになってしまうのです。
■細胞の自然
『食べたものが血となり、肉となっていく』
これが前回までに紹介した、千島学説の
“腸造血論”
の考え方になります。
※参考:『ガンを巡る2つの学説・異なる主張の重要部分を比べてみる自然派医療考!』
食べものが腸に入ることで、そこで血液・赤血球へと変えられていく。
そして変えられた赤血球が寄り集まることで、
「人体細胞」
へと変化していく。
その細胞が白血球に変化したり、脳の細胞になったり、骨や筋肉の細胞へと変わっていく。
血液は食べものから腸で作られ、その血液、赤血球が集合し融合しあうことで、60兆といわれる人体細胞を作り出していく。
これが腸造血説の内容になるのです。
それはまた、逆も真なりで、極度の飢餓状態や大量出血に見舞われた際は、細胞を元の赤血球に戻していく。
飢餓や栄養失調の場合は、赤血球をさらに変化させ、元の食べもの、
“栄養分”
へと変えていく。
大量出血の場合は、細胞を赤血球に戻すことで、失われた血液を必要な量にまで回復させようとする。
この細胞から赤血球への逆の変化を
『細胞可逆』
と千島学説では定義しているのです。
長い期間、遭難した人々が救出されると、体は以前とは見る影もないほどやせ細っています。
なぜ骨と皮だけのような状態になるのかは、細胞可逆が起こっているからこそ。
食べものからの栄養補給が行われなくなると、私たちの体は、体の中の細胞を赤血球に変化させ、赤血球を栄養物に戻していく。
やせ細るメカニズムは、このように説明できるのです。
カントンの犬の場合、大量出血だったのだから、肉や骨などの体細胞を赤血球に戻すことで、血液の代わりに入れられた海水を血球で「満たしていった。
この作業を愛犬の体の中で繰り返すことで、5日目には海水の中に血球細胞が充満した。
ミネラル組成も新たに注入された新鮮な海水によって、海の状態により近いものに
「入れ替えられた」
こうして愛犬は以前にも増して、元気になった!と推測できるのです。
細胞は細胞分裂以外によっては増殖しない。これが現代医学の考え方になります。
赤血球は赤血球以外になることはない。白血球は白血球のまま、細胞分裂により増加していく。
こうした医学の定説に対して、千島学説は、細胞は血液から作られる。その血液は食べものから作られる。
・食物→血液→細胞(腸造血説)
・細胞→血液→栄養(細胞可逆説)
このことを数多の実験で証明した学説というわけです。
■異常な状態で・・・
現代医学においては、血液は
「骨髄」
で作られものと考えられています。
これは1925年にアメリカの血液学者たちがニワトリやハトを使った実験において証明されたものとして、医学の定説になっているのです。
でも、このニワトリ実験には重大な問題点が指摘されていることも事実。
確かにその実験において、ニワトリの血液は骨髄の中の造血管細胞で作られてはいたものの、ニワトリたちは実験開始までの約10日もの間、
“絶食”
を強いられていた。絶食状態で観察され、導かれた説が『骨髄造血説』というわけです。
なぜ約10日もニワトリを絶食という異常な状態に追い込んだのか?通常のエサを与えた状態で、骨髄造血の様子を観察しない限り、実験は無効である。
千島博士はこのように指摘したのです。
ニワトリを10日間も絶食させておいたからこそ、骨髄の造血管細胞は細胞から元の“赤血球”の状態に戻されていただけ。
その後はおそらく細胞可逆に則して、赤血球は食べもの・栄養に変化していったはずなのです。
骨髄の細胞が赤血球に戻る様子だけを確認して、血液は骨髄で作られると学者たちは早合点してしまった。
事実誤認を科学的証明の産物と吹聴することで、骨髄造血説を医学の定説にしてしまった。
輸血も骨髄移植も、すべてこの事実誤認から導かれた結果といえるのです。
日々食べるものから血液は作られ、細胞は作られていくのだから、食をなるべく自然に正すことが何よりも大切であるはずのもの・
血液を汚さないためには汚染された食べものを極力
「遠ざける」
必要がある。
まさに食べたものが血となり、肉となっていくのです。
腸造血説を主張する『千島学説』は現代医学から
「完全無視」
を決め込まれ続けています。
同様に、カントンの海水療法も現代医学からさまざまな圧力が加えられたといわれているのです。
海水で病気が治ってしまうのなら、手術も放射線も抗ガン剤もあらゆる、クスリも一切は
“イラナイ”
なものになってしまう。当然ながら血液製剤も、輸血そのものも「無用」の一語で終わってしまう。
それでは製薬会社を軸とした医療産業は立ち行かなくなってしまう。こうしてカントンの海水療法も、食の自然を説く千島学説も、どちらも社会から抹殺されていったのが経緯ではないかと推測できるのです。
でも、最近はアメリカのコロンビア大学の研究チームが血液は腸内で作られることが証明されたと『Newsweek』で特集され、話題となっています。
この研究がさらに進んでいけば、千島学説が再評価されていくことは、もはや時間の問題ではないかと思う次第です。
カントンの海水療法も再評価が行われ始め、
「タラソテラピー」
という名前でエステでは人気、また医者の中には積極的に海水療法を用いる医院も現れ始めているのです。
もちろん、商売最優先のタラソテラピー施術や関連グッズなどが販売され、中には相当いかがわしいものまでもが散見されます。
情報や商品に接する際は、本当に注意が必要になるのですが、いずれにせよ現代医学のホコロビはもはや隠しきれない。
その段階にまで差し掛かっているのではないか・と個人的には思っています。
やはり自然を知ることは不自然を見抜くこと。
私たちも自然界の一員なのだから、できるだけ普段の生活を自然に整えることの大切さを思うばかりです。
農薬や添加物を食卓からできるだけ遠ざけ、血液を汚すことなかれ。
自然で安全な食べものを日々選ぶことがどこまでも基本であり、やはり最重要に当たるもの。
中でも、お米は日本人の主食で、自然塩は凝縮した海の力の結晶に当たるものなので、この2つにだけはしっかり
「投資」
をしてもらいたいなと思っています。
■参考文献
■無肥料無農薬米・自然栽培と天然菌の味噌・発酵食品の通販&店舗リスト
■自然食業界キャリア15年のOBが綴る