「安く仕入れて、高く売る」
企業が“儲け”を生むための原則です。
原材料費を安く上げる。
人件費をできるだけ切り詰める。
企業は日々、このような努力を続けているのです。
とかく食品の場合、
“安い!”
と思ってもらえないとなかなか売れない面がある。
「企業努力の賜物だ!」
「安い店は家計の味方!」
このように称賛されがちな傾向があるからです。
そのため、中にはかなり
“手の込んだ行い”
をする業者もいるのです。
そこで今回は、食品の知られざる裏側を見ることで、医者を遠ざけ、クスリを拒む。
そんな生き方のヒントについて考えてみます。
安いお米の代表です。
安く仕入れられるので、なるべくなら
「使いたい!」
飲食店の経営者なら、当然そう思うわけです。
でも、
古米、古々米、輸入米だと、
食味は落ちてしまう。
日本人にとってお米は食べ慣れた食材なので、味が悪いとスグに見抜かれてしまうのです。
そこで使われるのが、
「精米改良剤」
これを玄米の段階で振りかければ、精米後は、
“新米のような味と香り”
を付け足すことができる。
10年ほど前から、このような添加物が使われているのです。
■精米改良剤の中身は!?
古いものや質の悪いお米を精米すると、どうしても
「破砕米」
が出てしまいます。精米機にかけると割れてしまうのです。
そこで使われるのが、
“リン酸塩”
これを玄米の段階から振りかけ、しばらく時間をおいてから精米すると、
割れにくくなる。
破砕米を減らすことができるのです。
また古いお米などは当然、甘みも旨味もないし特有の臭いも出てしまう。
そこで、合成甘味料の
“D‐ソルビット”
などが使われる。これで味の落ちたお米の美味しさを蘇えらせることができるのです
さらに化粧品でも同じみの、
「プロピレングリコール(PG)」
を使って、ツヤツヤしたお米の光沢を塗装することができる。プロピレングリコールは石油から作られる添加物で、
“食べるプラスチック”
ともいわれる液体。アレルギーを起こしたり、腎臓障害を起こすといわれています、
「精米改良剤」の代表的な3つの添加物の力で、古米も輸入米もあたかもオイシイ
“新米”
であるかのように見せかけることができるのです。
安い外食のお米には使われていれるケースが多い。
コンビニなどのお弁当にも使われている危険性がある。
そう言われたりもしますが、どこまで広がっているのか?実態の把握が難しい。
このような指摘があるのです。
■食は儲けの具で良いのか?
精米改良剤を思うにつけ、そこまでして、
儲ける必要が本当にあるのかどうか?
悩んでしまいます。
20年以上も続くデフレの中で、こうでもしないと
儲からない
そんなシビアな現実だってあるからです。
企業が利益を上げるには、原材料を削って、人件費を徹底して抑え込む必要がありますが、
今後もこんなことを
続けていくのか?
という問題です。
私たちにとっての本当の必要は、精米改良剤などを使うことなのか?
命を養う食を儲けの具にすることが果たして、本当に良いことなのか?
主食のお米こそ、
「最大限の安全性」
が追求されなくてはならないのではないか?
そんなことを思います。
「自由に今日を研究して、そこに我々自身にとっての明日の必要を発見しなければならぬ」。
石川啄木の言葉が胸に響いてきます。
■参考文献
![]() |
知ってはいけない 外食のウラ側 (宝島SUGOI文庫)
680円
Amazon |
・『精米改良材って何?』
■自然食業界キャリア15年のOBが綴る