【前編からの続きです】
※前編は以下から:
『皮脂のナチュラルビューティー分析・美肌実現は自然尊重を本義とセヨ!【前編】』
■男性ホルモン分泌とアクネ菌
これまで述べてきたように、
体はあらゆる皮脂取り行為や角質損傷行為に
“全力で対抗”
しようとします。
それが皮脂が出過ぎて脂っぽくなる現象であり、フケが多くなる原因といえるのです。
乾燥や多脂、フケなどは洗い過ぎや洗剤、美容クリーム、化粧など、
肌へのダメージを与え続けた結果と指摘されます。
皮脂の過剰分泌はニキビやシミなどをも発生しやすくさせますが、
これは皮膚が薬剤などのストレスを感じると、
「男性ホルモンの分泌」
を活発にすることが理由と解説されるのです。
皮膚へのストレスは「角栓」も生じやすくさせ、炎症も起きやすくなってしまいます。
過剰に分泌された皮脂が毛穴を詰まらせてしまう。
そうなると、皮膚常在菌の
「アクネ桿菌の増殖」
が過剰になっていき、詰まった毛穴の中で炎症が起きてしまうと解説されるのです。
さらに皮膚へのストレスは
「活性酸素の過剰発生」
をも招きます。
過剰に増えた活性酸素が皮膚細胞を攻撃し、“凸凹皮膚”を作り出し、
「老化促進」の原因の1つになると解説されるのです。
皮脂は本来、“天然のクリーム”で表皮ブドウ球菌のエサにもなる、ありがたい分泌物です。
でもやはり、過剰分泌は禁物。なるべく皮膚に
ストレスを与えない
このことが「肌ケア」の基本になるのです。
■角質の自然とは!?
美肌ケアにおいて、
「角質」
は大きな問題事項になります。
古くなった角質が肌をくすませ、黒ずみを作る。さらに、ガサガサ肌や深いシワを作ってしまう。
その原因は角質にあることが言われています。
でも、これまで述べてきたように、角質そのものに問題があるのではなく、角質を痛めつけてしまう
「現代の美容のあり方」
に問題があるケースが多い。
ピーリングやスクラブも受けるかどうかは個人の判断なのでしょうが、その前に、
「角質の自然とはなにか?」
を確認してからでも遅くはないと思います。あと少しだけ解説してみます。
角質は、体毛を持たない“裸のサルである私たちが、
自らを守るために作り出した機能。
人体の約60%は水といわれますが、水分蒸発による体の乾燥は
「あまりに危険」
それは死に直結するものだからです。
海に生まれた生命が陸に上がり、私たちの祖先となった。
サルから進化したという仮説を採るなら、あったはずの体毛がなくなり、
「裸のサル」
となった。
切り傷、ヤケドなど、素っ裸の人類はカンタンにキズを負ってしまいやすい。
キズを受ければ、損傷個所から水分も流れ出てしまう危険性もある。
体の中の水分を蒸発させまいとして、人体が編み出した工夫の1つが
「角質層の形成」
だったのです。
真皮層と角質層との間に生まれる皮膚細胞を表皮に向かって上へ上へと押し上げる。
このプロセスで角質は作られていくのです。
表皮に上がっていくに従い、皮膚細胞は核を失っていく。「角化」といわれる工程です。
そしていわばこの皮膚細胞の死骸を積み重ねて、皮膚の一番外側をガードし真皮を守る役割を与えた。
水を通しにくい角質層を一番外側に配置し、全体を覆せる理由は、
体内の水分維持のため。
「水を通さぬヨロイが角質」
と『傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)』の著者である夏井睦医師は述べているのです。
■修復の障害は!?
角質層は死んだ皮膚細胞が重なり連なったようになっていますが、細胞と細胞の間に、
タンパク質である「ケラチン」と保湿因子の「NFM」
などが入っている。
このケラチンとNFMが正常であれば、肌は
潤いを保った状態をキープ
できるといわれます。
でも、角質に合成界面剤入りのシャンプーや化粧品、さらに、
キズを負ったり、引っ掻いたりしてしまえば、
角質細胞にキズ
がついてしまいやすい。
そうなると細胞間物質であるケラチンや保湿因子のNFMが失われていき、
「体内の水分が蒸発」
していく。
乾燥肌や痒み、炎症、敏感肌を起こしやすくなってしまうのです。
それが皮膚炎などの肌トラブルへとに発展するケースも少なくないのです。
前出の夏井医師によれば、角質を含めた肌のトラブルは、体のストレスは元より、
「心理的なストレスを起こしやすい」
と指摘しています。
乾燥肌では人前に出にくくなり、人と会ったり、近づかれたりすることに対して、
憶病で億劫になりやすい。
そうした心のストレスを抱えると、
「角質の修復が遅くなってしまう」
と実験結果から指摘しているのです。
■主ではなく従の位置へ
以上のように、
「体の自然とは何か?」
を問うことなく、余計な手出しをしてしまうと、
皮脂やそれをエサにする表皮ブドウ球菌、さらに角質などにダメージを与えてしまう結果を招きやすい。
農業においても同じで、
“肥料だ!農薬だ!”と騒ぎ立て、手をかければかけるほどに、
作物は弱体化していく
のと同じです。
これを避けるには、とにかく作物が喜んで成長できる
「環境を整えてあげること」
作物を育てるのはあくまで自然の土であり、作物自身である。
このことを肝に銘じて、臨む必要があるのです。
「オレが作ったこの野菜!」ではなく、私がお手伝いして、
「自分で立派に成長した野菜」
そういう姿勢が求められるのです。
栽培者は主役の位置を作物に譲って、あくまで「従」の位置。
サポート役に徹することが大切になるのです。
皮膚も同じで、皮膚は元気で健康に生きるために
必要なすべてを知っている。
こちらが誤った措置をしても、元の自然で健康な状態に戻そうと懸命な努力を
”最後まで止めない!”
わけなのです。
「体に表れてくる異常な面は内部からの信号である。
ちょっと今の状態は異常だよと言っている 」
と、『人体常在菌のはなし ―美人は菌でつくられる (集英社新書)』の著者である青木 皐氏と述べているのです。
「皮膚の美容と健康は皮膚自身に任せる」
こうした一歩下がった、おおらかな姿勢で構えることも必要になのではないでしょうか?
私たちができるのは、角質や皮脂、そして表皮ブドウ球菌などの皮膚常在菌たちが
“ヨロコブ環境!”
を整えてあげること。
しっかり休息と睡眠をとり、できるだけ無農薬の農作物や無添加の食品を日々摂り、合成シャンプーや合成洗剤などは
極力使わない。
そして脂が浮いたら、必要以上に洗うのではなく、脂取り紙などでケアする程度にすることが大切。
そう夏井医師も、青木 皐氏も指摘するのです。
環境を整えれば、常在菌たちも角質も元気になり、本来のスバラシイ活躍をしてくれるもの。
もちろん、個々の状況によって難しい面もあるのでしょう。
でも小さな一歩であっても踏み出すことが大切なのではないか?と思います。
肌ケアについての商品やサービスについて迷ったら、
「皮膚常在菌を無視していないか?」
これを購入の判断基準にしてみることも必要。
それこそが美肌実現の最短距離ではないかと思うのです。
※「前編」は以下から
『皮脂のナチュラルビューティー分析・美肌実現は自然尊重を本義とセヨ!【前編】』
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■“食の安全”・百冊読むよりこの9章!
■参考文献
・傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書) 夏井 睦 著
・人体常在菌のはなし ―美人は菌でつくられる (集英社新書) 青木 皐 著
・ 『皮膚常在菌ビューティ! (美人開花シリーズ)』 川上愛子 著
・ 『化粧水やめたら美肌菌がふえた!: こんなにも素肌美人になれる最新スキンケア』 出来尾格 著 河出書房 刊
・ 『医者が教える最高の美肌術』 小林暁子 著 アスコム 刊