「業界の常識は世間の非常識」
よくそんなことが言われます。
業界には業界ぐるみで一般消費者に知られたくない、
“痛点”
というものがある。
もしそれを知られてしまえば、看板は地に落ち、積み上げてきた信頼は、真っ逆さまに
失墜してしまう。
それを“大人の事情”なんていうのでしょうが、商品やサービスを受ける、
一般消費者からしてみれば、
「タマラナイ!」
そんな残念な事情が業界にはあるわけです。
それは自然食業界も例外ではなく、もちろんある。
今回は業界15年在籍のOBである私が、その痛点を食の安全を大切に考えるあなたに、こっそりお話しようと思います。
特に、ベジタリアンやマクロビアン、ビーガンの方々にはしっかり聞いて頂きたい内容です。
そういうと、
“あっ、あの話ね”
とピンッと来る方もいることでしょう。
また反対に、
“えっ、一体何のこと?”
といった具合に、まったく分からない方もいることでしょう。
すでに事態を熟知している方には”釈迦に説法”で申し訳ないのですが、
知らない方にはぜひ、今の自然食業界が、
ひた隠しにする
自然で安全な食材選びのポイントをぜひ知っておいて頂きたいのです。
食べものの安全にこだわっているつもりが、実はこんな状況になっていた。
「知らぬは消費者ばかりなり・・・」
それではあまりに悲し過ぎるので、ぜひご一読を頂ければと思います。
今回は、食材に潜む知られざる盲点を知ることで、医者を遠ざけ、クスリを排除する、
そんな人生の実現に役立つポイントをお伝えしていきます。
■改造される食材
自然な健康な食生活の実現に、
「発酵食品」
は欠かせない大切な食材になります。
味噌に醤油、パンに納豆、漬物などなど、実にたくさんの発酵食品群があるわけです。
特に我が国・日本は温暖湿潤な気候で、バラエティ豊かな発酵食品に恵まれたお国がら。
「伝統食とは発酵食である!」
そう言っても良いくらいに私たちの気候風土に根差した食材や調理法があるわけです。
そんな発酵食品なのですが・・・、
その主役は何と言っても、
「菌」
お米や大豆などの食材に菌が入り込み、発酵食は熟成されるわけなのです。
長い時間をかけて菌が活動することで、元の食材よりも
何倍もの豊富な栄養素
が生み出されていく。味噌でいえば、
・ビタミン(B1・B2・B6・B12・E・K・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・ピオチン)
・無機質(ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム、リン・鉄・亜鉛
銅・ヨウ素・セレン・クロム・モリブデン)、
・一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、食物繊維など。
原材料のお米や大豆、小麦などには含まれていない、これだけ豊富な栄養素が
菌と食材が混ざり合うことで生み出されているのです。
発酵食の主体は
あくまで「菌」。
でも、その菌たちが相当なレベルで改造されている。それはまさしく、
「生命の改造」
そんな事態が公けにされぬままに行われ続けているのです。
それは「自然食」とはまったく相容れない
“真逆の操作”
そんな事態が密かに行われ続けているのです。
■自然発酵のプロセスとは?
その惨状を詳しく述べる前に、
まずは自然発酵・天然発酵の流れをカンタンに整理しておくと・・・、
「お酒」が一番わかりやすいので、これを例にしてみます。
炊いたお米を空気に晒しておくと、大気中の
「麹菌」
がお米に舞い降りて付着します。
麹菌とはお米のデンプンを食べる菌のこと。
お米のデンプンは糖が鎖で繋がったような形をしていて、
麹菌はその鎖をドンドン切るようにして食べていく。
鎖がなくなったデンプンは、
「糖分」
へと変化するのです。この状態が、
「甘酒」
になるわけです。
次に、デンプンが糖、甘酒に変わると、今度は空気中から
「酵母菌」
が舞い降りて、甘酒に入り込みます。酵母菌は糖をエサにする菌で、
糖を食べることで、
「アルコールと二酸化炭素」
に分解します。この段階が「日本酒」になるのです。
そして発酵プロセスの最後は
「酢酸菌」
酢酸菌はアルコールをエサに食べることで、
「お酢」
を作り出してくれる菌なのです。
このように、炊いたお米は、
「甘酒」⇒「日本酒」⇒『お酢』
という具合に変化していき、それぞれが私たちの食卓に欠かせない大切な食材となっているのです。
いま、最後は酢酸菌と申し上げましたが、実はこのプロセスにはまだ続きがある。
それは酢酸菌がお酢を作った後のこと。お酢を食べる、
「酢酸分解菌」
が入ってくるのです。
酢酸分解菌がお酢を食べることで、最終的には、
「水」
になっていきます。
つまり自然の発酵プロセスとは、
「甘酒」⇒「日本酒」⇒「米酢」⇒「水」
このような変化を辿って、最後は水になって“母なる地球”に帰還していく。
小さくも、壮大な“生命のストーリー”というわけです。
少しだけ余談ですが、
日本には、デンプンを糖に変えてくれる「麹菌」がいるのですが、
アメリカや欧州のような乾燥地帯には、
麹菌がいない。
それは、ビールなどの大麦の中のデンプンを糖に変えてくれる菌がいないことを意味します。
麹菌がデンプンの鎖を切り、糖に変えてくれない限り、糖を食べる酵母菌が入ってこれない。
そこでヨーロッパや中東などの人々がどうしたかというと、
麦を発芽させる!
発芽した先に大麦の糖が滴るので、それを目がけて酵母菌が入り、糖をアルコールと二酸化炭素に分解してもらう。
これが本来の「ビール」の製法というわけです。
ビールを語る際に、“麦芽が!”とよく言われるのは、麹菌がいないことで編み出された、いわば、
「苦肉の策」
そう言ってもよい面があるのです。
温暖湿潤な日本の気候だけに生息する「麹菌」。アジア圏には生息していますが、
“赤麹”とか、“黒麹”とか、“紫麹”とかで、、純正の麹菌は日本にしかいないといわれます。
それは日本人が世界に誇る
“素晴らしい資源!”
であるともいえるのです。
ワインの方はどうかというと、
ブドウを潰しておけば、ブドウの中の果糖に酵母菌が入ってアルコールを熟成していく。
そしてワインに酢酸菌が入り、ワインビネガー・バルサミコ酢を熟成していくのが自然発酵の流れとなります。
以上の流れが、天然・自然の発酵プロセスになるのです。
■化学操作・培養の実態は!?
でも、今の発酵食品の素材となる、
お米や麦や大豆の品質が、
すこぶる悪い。
化学肥料や農薬で汚染されているので、空気中に浮遊したり、蔵の柱などに棲み付く、
天然の菌たちが素材に入り込めない。
炊いたお米を置いておいても、麹菌が寄り付くことができない。その代わりに、
「腐敗菌」
が入り込んでしまう。麹菌が入ったとしても、腐敗菌の勢力に押されて負けてしまう。
劣悪な品質のお米や大豆、小麦などを使うと、自然発酵のプロセスを辿れずに、
そのまま黒ずみ悪臭を放ちながら、
腐敗してしまう。
素材の質の悪いことが理由で、天然の菌たちが入り込めなくなっているのです。
自然発酵のプロセスでは、甘酒⇒日本酒⇒お酢⇒水というコースを辿りますが、
一方の腐敗のプロセスは、
「炊いたお米 ⇒ 腐敗 ⇒水」
となってしまう。
腐敗菌が入ると、腐ってそのまま「水」になって、比較的短い時間で地球に還ってしまうのです。
私たちも死んだら土に還りますが、それは発酵プロセスだって同じ。
ただ、時間の長さに違いがあって、
自然発酵は「長命」・腐敗プロセスは「短命」。
寿命の長さに違いが出てしまうのです。
■強制発酵へ!
今の自然食を含めた食品業界の発酵食品は、
自然発酵のプロセスを辿れないほど、
素材が劣悪
になっている。コストを下げるため、利益を少しでも多く獲得するため、
それには原材料となるお米や大豆の
仕入れコストを引き下げる必要
があるのです。
詳しい情報は公開されていないので実態は分かりませんが、お米なら、
“古米、古古米、古古古米・・・”
そんなのは当たり前だろうし、しかも、肥料や農薬漬けで収穫されたものが使われている。
今もあるのかも知れませんが、昔、「アミノ酸醤油」なんて言われた醤油の原材料は、
なんと、
「人の髪の毛」
人の髪の毛に含まれるアミノ酸を利用して、廉価な醤油を製造していたわけなのです。
いまも安い醤油にはもしかしたらあるのかも知れません。
コストを下げるため、原材料が不足したため、このような原材料のものまで使う。
そんな劣悪で粗悪な素材に、麹菌も酵母菌も入り込めるはずがないのです。
また自然食品店や有機野菜の宅配などにおいては、
「無農薬米・無農薬大豆使用」
なんて書かれたものがあります。
でも、いくら良い素材であっても、自然発酵で醸造するには、
“手間がかかる”
”時間がかかる”
“熟練のワザが必要になる”
要は手間ひま面倒で、匠なる技術が必要になるので、
天然発酵菌を使わないケースがほとんど
なのが現状です。
一般の発酵食品も、自然食品として売られている発酵食品も、
「菌のレベルは全く同じ」
残念ではありますが、これが偽らざる現状でもあるのです。
たとえ劣悪な素材であっても、どうにか発酵させ、味噌もどき、醤油もどき、酒もどきの食材を作り出す必要がある。
そうでないと、味噌も酒も、醤油も納豆
販売できなくなってしまう。
そこで用いられたのが、
「化学の力」
発酵菌を化学の力で操作し、分離培養して、どんなヒドイ素材でも
強制発酵できる菌たちに改造
している。私たちの知らないところで、そんな
「生命の操作」
が行われているのです。
■突然変異を誘発!
自然界が教える法則は、
”全滅はしないこと”
これが原則になります。
麹菌や酵母菌を自然界から採取して、培養し増殖させる。
そしてたくさんに増殖した菌たちを、薬剤などを使って、
「殺菌」
していくわけなのです。
殺菌すると、ほとんどは死にますが、中には必ず少数の生き残りが出てくる。
その生き残りは薬剤に対して耐性を獲得している。菌の、
「突然変異」
を促すわけなのです。
そして耐性を獲得した菌を培養して、再びまた殺菌する。
このような工程を繰り返して、
化学操作・培養された麹菌や酵母菌、酢酸菌
などを作り出すのです。それにより、
どんな劣悪な素材でも力づくで発酵プロセスを辿らせられるように、菌を仕上げていく。
こうして、いま売られている発酵食品のほとんどが化学操作・培養された菌を使ったものになっているのです。
先にも述べましたが、それは、
自然食品店や有機野菜の宅配、さらにはベジタリアン専門店であろうとも、
事情は一切変わらない
のが現状です。
また、臭わない納豆とか、特定の栄養成分だけが多い発酵食品などとか、
そうした特殊な加工の発酵食品には、
放射線や紫外線、ガンマ線
などを浴びせかけ、菌に突然変異を誘発していく。
そして突然変異を遂げた菌を分離培養していく。
こうした流れが当たり前になっているのです。
■分離培養液の中身は!?
分離培養に使われる液体を見てみると、
ビタミン剤、ミネラル栄養剤、化学調味料、白砂糖、そして牛や豚などの
「肉汁」
が使われたりもするのです。
菌はタンパク質を好む性質があるので、牛などの肉汁を使われるケースが多いことが指摘されます。
もちろん狂牛病などの検査済みのものであるかどうかは定かではありません。
また麹菌や酵母菌などの目的の菌以外が混ざらないように、
各種殺菌剤を使って培養するのが通常の流れとなります。
ビーガンやマクロビアンの方々にとって発酵食品は食生活の大きな柱なのでしょうが、
二年味噌、三年味噌に使われた発酵菌が、
正体不明の肉汁にたっぷりと浸かっているとしたら・・・
問題はないのでしょうか?
残念ながら、現在売られている発酵食品のほとんどがこの
“化学操作・培養菌を使ったものばかり”
と言わざるを得ないのです。
私たちの祖先が食べていたような天然・自然の菌により熟成された味噌や醤油は、本当に、
ごくわずかしかない
のが現状です。
■基準はどこにある?
実際に、わずかな人工の化学物質を探知しただけで、めまいや頭痛、吐き気、発疹などの症状を起こしてしまう、化学物質過敏症の患者さんの中には、
化学操作・培養された菌を使った発酵食品を
「食べられないケースもある」
のです。素材となるお米や大豆が無農薬だとしても、発酵菌が汚染されていればそこに使われた人工の化学物質に
反応してしまう。
こうした症状をお持ちの方は、体に、
「何を入れて良くて、何を入れてはならないか?」
を身を以って教えてくれている。
患者さんたちが美味しく食べられるものこそが、本来人が日々口にするべきもので、それこそが本当の、
「自然食」。
自然で健康な食材を選びたいと思う私たちは、化学物資過敏症の患者さんが食べても大丈夫なものを
“選べば良い”
こういうことになるのです。
「菌からの安全」、「発酵菌からの菜食主義」を叶えるには、天然菌による発酵食品を作っている
蔵元から直接買う必要
があります。
特に味噌については、使用頻度が高い食材なので、他の何は差し置いても、味噌だけは、
天然の発酵菌を使ったものを選びたいものです。
マルカワ味噌さんは、化学操作・培養菌一色となった味噌業界の現状を憂い、昔ながらの製法で天然発酵菌を使った味噌の復活を成し遂げた、
“天然菌味噌の復権のパイオニア”
といえる頼もしい存在です。
「菌からの安心」を追求した、本来の味噌をラインアップしているので、ぜひこちらの味噌を試していただき、天然の菌が育んだ本物の味わいを楽しんでもらえればと思います。
私たちが安心して、こうした本来の食材を食べることは、買ってくれる人の健康と安全を真剣に考えて、努力と研鑽を惜しまない、そんな食品製造の担い手を、
応援すること!
になるわけです。
その輪が広がっていけば、素晴らしい本物の日本の発酵食品を、世界に向けて
発信していく!
ことにも繋がっていくのです。
他にも、醤油や納豆、各種お酒で、化学操作・培養されていない天然菌を使った発酵食材を以下に紹介しておくので、ぜひ一度自然本来の味わいを試していただければと思います。
■天然菌味噌
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■天然菌醤油
■天然菌納豆
◆アマゾンでの購入
・伝統製法を復活・天然わら納豆 「ふくふく」300g 1本(6~8人分)★国産無農薬大豆★クール冷蔵便配送★少量生産のため数量に限りがあります。
◆楽天市場で購入
■天然菌日本酒
・寺田本家 菩提もと仕込み 醍醐のしずく 720ml (要冷蔵)
■天然菌ワイン
・【岐阜】【赤ワイン】 天然葡萄酒 NAGARA 720ml 自然発酵 蔵酵母 中辛口 無添加
■天然菌ビール
・わらび座 秋田 仙北 田沢湖ビール 桜天然酵母ビール 桜こまち
■“食の安全”・百冊読むよりこの9章!
■参考文献
・『自然食の裏側』 三好基晴 著 かんき出版刊
・「ハイテク化された発酵醸造菌」:http://kinsyoukai.fc2web.com/hakkou1.htm