2016 37 正答率41%

 

株式会社の設立における出資の履行等に関する次のア~オの記述のうち、会社法 の規定に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。

ア 株式会社の定款には、株式会社の設立に際して出資される財産の額またはその最 低額を記載または記録しなければならない。

イ 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた株式につき、そ の出資に係る金銭の全額を払い込み、またはその出資に係る金銭以外の財産の全部 を給付しなければならないが、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他 の権利の設定または移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立 後にすることができる。

 ウ 発起人は、その引き受けた設立時発行株式について金銭の払込みを仮装した場合 には、仮装した出資に係る金銭の全額を会社に対して支払う義務を負い、この義務 は、総株主の同意がなければ免除することができない。 

エ 発起設立または募集設立のいずれの場合においても、発起人は、払込みの取扱い をした銀行等に対して、払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の 交付を請求することができ、この証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が 事実と異なること、または当該金銭の返還に関して制限があることをもって、成立 後の株式会社に対抗することはできない。 

オ 設立時発行株式の株主となる者が払込みをした金銭の額および給付した財産の額 は、その全額を資本金として計上しなければならないが、設立時発行株式の株主と なる者の全員の同意があるときに限り、その額の 2 分の 1 を超えない額を剰余金と して計上することができる。 

1 ア・イ 2  ア・オ 3  イ・ウ 4  ウ・エ 5  エ・オ

 

 

ア 薄目で読んだため現物出資と勘違いしてしまいました・・・原始定款の絶対的記載事項の4番目「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」です

 

イ 34-1の但し書きつまり例外を聞いています。発起人全員が同意して第三者効は後回しでいいっていってんだから好きにすればいいということなんでしょうね!

34条

  1. 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社成立後にすることを妨げない。
  2. 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法 (昭和56年法律第59号)第2条第1項 に規定する銀行をいう。第703条第1号において同じ。)、信託会社信託業法 (平成16年法律第154号)第2条第2項 に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。
ウ 条文操作が難しかったです。LECさんの解説では、52-1-1から55にいくのですが、この肢は52条現物出資の例外にはあたらないので55条で責任とれよって流れです・・・かね?

第52条

  1. 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。
  2. 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第28条第一号の財産を給付した者又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。
    一  第28条第一号又は第二号に掲げる事項について第33条第2項の検査役の調査を経た場合
    二  当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合
  3. 第1項に規定する場合には、第33条第10項第三号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第1項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
第55条
第52条第1項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第53条第1項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
 
53条
発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
 
読み返してみると、52条は現物出資の規定ですね。この肢は55条の免除規定にある53条の任務を怠った時にあたるのではないでしょうか。あれ?LECさんの解説は払込みの仮装として52-1-1(現物出資の条文)を指しており、55条で受けるとしているのですが、本肢の払込みの仮装は53条の「任務を怠った時」に当たるのではないのでしょうか?
 
エ 払込み銀行に関する64条をそのままきいています。
第64条
  1. 第57条第1項の募集をした場合には、発起人は、第34条第1項及び前条第1項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
  2. 前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第34条第1項若しくは前条第1項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。
まず、暗記事項として発起設立にはこのような規定はなく、募集設立だけです
募集設立は多数の出資者を募って設立するので設立詐欺を防止するための条文だと思います!
・設立詐欺 No1 預合いの禁止
預合いとは、まず発起人が銀行からお金をかります。つぎに、銀行に借りたお金を「会社の設立費用です」って名目で口座をつくりそこに入れます(実際の払込みはなく帳簿上で数字をいじくるだけです)。これでとりあえず発起人の払込みができちゃうので会社が成立してしまいます。ただし、銀行としてはの借入を返済するまでは、会社の預金を引き出ししないことを約束させます。発起人の払込み=会社の資本金ですので、実質資本金がゼロで中身はすっからかんの会社が出来上がり!募集設立で集めたお金をもって逃亡する気マンマンのやヴぁい会社の出来上がりです!
 
・設立詐欺 No2 見せ金の禁止
見せ金とは発起人が会社設立のために支払うお金をサラ金とかの払込取扱機関の銀行以外の第三者から借りてくることです。この後の流れは預合いと同じなのですが、消費者金融いわゆるサラ金とかってプロ○スさんとかア○ムさんとかのことですよね。あっれ~!?彼らの親会社って超大手メガバンクでしたよね・・・あっれ~!?
 
預合いは銀行口座の操作だけですが、見せ金は現実に払込みが存在することに違いがあります。
 
オ 445条をそのまま聞いてますね
第445条
  1. 株式会社資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。
  2. 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる
  3. 前項の規定により資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。
  4. 剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。
  5. 合併、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転に際して資本金又は準備金として計上すべき額については、法務省令で定める。
 
総評 ウの仮装払込みが何にあたるのか疑問が残ったままになってしまいました。エの発起設立と募集設立の比較をさせる足は良かったです。アオが超簡単な肢なのに組み合わせの関係でイウエを悩まず答えが出てしまうのがもったいない問題だと思いました。
正解は 5
 
 
2018 37 正答率51%
 
株式会社の設立における発起人等の責任等に関する次のア〜オの記述のうち、会 社法の規定に照らし、誤っているものの組合せはどれか。
ア 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等につい て定款に記載または記録された価額に著しく不足するときは、発起人および設立時 取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負い、この 義務は、総株主の同意によっても、免除することはできない。
イ 発起人は、出資の履行において金銭の払込みを仮装した場合には、払込みを仮装 した出資に係る金銭の全額を支払う義務を負い、この義務は、総株主の同意によっ ても、免除することはできない。
ウ 発起人、設立時取締役または設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務 を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を 負い、この責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
エ 発起人、設立時取締役または設立時監査役がその職務を行うについて悪意または 重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役または設立時監査役は、こ れによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
 オ 株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関し てした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担 する。 
1 ア・イ 、2ア・ウ、3イ・オ、4ウ・エ、5エ・オ
 
 
アイウ
55条にある総株主の同意がいる免除規定についてです。アイと「できない」と続いてウで「できる」とあったので間違えてしまいました。アイは前半の部分は正解で最後の部分だけ間違っているのですが、ウだけは最後の部分もあっています。アイウを通して最後までしっかりと注意深く読み切らないと間違えてしまいます。
ちょっとせこい出題にも見えますが疲れが見える37問目にこういった出題ケースもあるとしっかりと覚えておきます!

 

第52条

  1. 株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。
  2. 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第28条第一号の財産を給付した者又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。
    一  第28条第一号又は第二号に掲げる事項について第33条第2項の検査役の調査を経た場合
    二  当該発起人又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合
  3. 第1項に規定する場合には、第33条第10項第三号に規定する証明をした者(以下この項において「証明者」という。)は、第1項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
 
第53条
  1. 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
  2. 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
 
第55条
第52条第1項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第53条第1項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
53-2そのまま聞いていますね。上記の条文参照です!
 
56条をそのまま聞いています。会社が成立しなかった時どうなるか知らなかったので良い勉強になりました。
第56条
株式会社が成立しなかったときは、発起人は連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する
 
総評 問題自体は条文と向き合うことができる良いものだと思います。ただし、免除規定のアイウだけで解答に行きつくことと、やってることが法律論でなく日本語の引っかけなのでしょっぱい感じはします。
正解は 1