ヨシタケシンスケ『だったらこれならどうですか』 | 空想俳人日記

ヨシタケシンスケ『だったらこれならどうですか』

 これ、ヨシタケシンスケ完全読本とも呼べるMOE編集部による既刊の『ものは言いよう』の第二弾みたいな本だよね。『ものは言いよう』については、5年ほど前のブログ記事『ヨシタケシンスケの絵本デビュー』に書いてるので、それ読んでね。

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 今回の本は、東京で再度開催の「ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」を中心に書かれているよ。その展覧会のための描きおろし原画・会場写真も載っている。

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 思えば、もう3年も前なんだね、東京の世田谷美術館を皮切りに始まった「ヨシタケシンスケ展かもしれない」は、第4会場が同年12月10日から23年1月15日まで松坂屋美術館で開催され、AMIも12月14日に観に行ったんだよねえ。ブログ記事「AMI-RENの日に『ヨシタケシンスケ展かもしれない』」を読んでねエ。
 あああ、思い出すよ。図録の感想も書いてるよ。記事『「ヨシタケシンスケ展かもしれない」図録は「こっちだったかもしれない」をテーマ』も書いてる。その展覧会で入手した「ヨシタケシンスケ『カブリモノシリーズ』」も思い出すねえ。
 この「たっぷり増量タイプ」展は、東京の後、秋田、愛媛、高知、山口、鹿児島を巡回するって。愛知は来ないよ。
 ははは。この本で十分楽しんだヨ。オリジナルグッズも面白いし。
 以上が、『第1章「ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」とは?』だよ。
 それにしても、スケッチが小さすぎて、文字が良く読めないよ~。

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 はい、続いては『第2章「大人も子どもも楽しめるヨシタケシンスケの絵本の国へ』だ。第一弾の『ものは言いよう』にも同じようなページがあって、買っていない絵本もあるけど大体立ち読みしてるから、再読みたいに重宝したよ。
 今回は、絵本限らずヨシタケシンスケ本が6つにカテゴライズされているよ。「ユーモアの国」、「あるあるの国」、「ぼくの内側の国」、「ぼくの外側の国」、「かもしらないの国」、「そのままでいいの国」。
 まずは「ユーモアの国」の中では、『こねてのばして』が好きなんだけど。これ、ちょっと嫌な思い出もある。実は、この絵本に全曲メロディをつけてAMIは絵本読み聞かせをしてて、それをYoutubuにUPしたことがある。ところが、出版社のブロンズ新社からYoutubeに削除要請が来て、Youtubeがボクに「削除しますよ」と来たので、「はい、どうぞ」と応えたのだ。あはは。
 そして「あるあるの国」では、『ヨチヨチ父-とまどう日々-』がいい。子育てって、「育児」と同時に「育自」なんよね。つまり、父としてはヨチヨチなのよねえ。子育てしながら、自分も父親に育てていく。
 次に「ぼくの内側の国」では、『にげてさがして』が好きだな。ヨシタケ氏曰く「軽やかに逃げながら自分にとっていい場所や人を探す」だねえ。「逃げる」と「探す」はセットだよね。なんせ、星の数ほど人はいて人の性格は皆違う、ユニークな存在。であれば、自分とは全然合わない意図と無理して付き合わずに逃げながら会う人を探せばいいんだよ。
 それから「ぼくの外側の国」では『みえるとか みえないとか』。「うしろが見えないなんて不便そう」「かわいそう」って言われたら、どう思いますか?
 次に「かもしらないの国」では『あるかしら書店』と『』。前者は、月明かりの下でしか読めない「月光本」、読書に付き合ってくれる「読書サポートロボ」。中でも、お気に入りのは、上下巻の本。これ、ふたつの本を合わせて初めて読むことができる「2人で読む本」なんだねえ。後者は、絵本じゃないよね、ヨシタケシンスケ氏が日頃臆測している脳味噌の中を描いた本だよ。これ、めっちゃ面白いよ。
 最後の「そのままでいいの国」では『あつかったらぬげばいい』だねえ。これ、ボクの「
ヨシタケシンスケの絵本デビュー」のきっかけ本だよ。つまり、それまでは、ほぼ立ち読みで入手してなかったん。
 ちなみに、さらに最後の最後に「最近の本の国」のページがあるけど、『おしごとそうだんセンター』『ちょっぴりながもちするそうです』『そういうゲーム』『ヨイヨワネあおむけ&うつぶせBOX』を入手しておるよ。
 はい、以上、第2章。

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 そして、最後の章、第3章は、ヨシタケ氏のロングインタビュー。読み始めてびっくりした。ここに、書かれていることは、ヨシタケ氏があるNPOから依頼されたWEBサイトのことから始まる。
 まずは、以下のYouTubuをご覧あれ。

【悩みを抱える人の“かくれがサイト”】作成の絵本作家とNPOが語る“生きるヒント”とは


“しんどさ”に寄り添うサイトを監修 辛い気持ちを食べるのが大好きな“いきもの”に込めた思い【ヨシタケシンスケ氏にインタビュー】かくれが編


 そういえば、最近読んだ本「パントー・フランチェスコ『アニメ療法(セラピー)~心をケアするエンターテインメント~』」にも書かれていた。
《厚生労働省のデータによると、日本の15~34歳の死因第1位が自殺となっている。これはG7の中でも日本のみである。周りに助けてくれる人がいなくて相 談できず、精神科へは怖くて行けないと思い悩み、「心のアンバランス」を解決できなくて苦しむ若者は、目に見えないだけで至るところに存在する。》
 この世が嫌になったら、あの世に行くしかない。そんな二者択一ではなく、「この世」でも「あの世」でもない、もうひとつの「その世」という隠れ家、それが『かくれてしまえばいいのです』というWEBサイトなのだ。
 ボクも、「このかくれがにはいる」ボタンを押してみた。自分をカスタマイズした。名前は「あっちゃん」。以下、いろんな空間をプリントスクリーンしてみた。

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 よく、「まずは自分を好きになろう」とよく言われるが、そんなに簡単に自分を好きになれる者じゃない。昔なら「ぐれてやる ぐれぐれになってやる」なんて言ってたけど、こんなにいい子ちゃんばかりしか生きづらい世の中になってしまったら、そんなこと無理だ。
 でも、このサイトで、ばあちゃんは言う、「自分をきらいなままでたのしく生きることだって、いがいと、できるんだよ。」と。救われる。
 そういえば、坂元裕二脚本・是枝裕和監督の映画『怪物』
《小学5年の同級生の湊と依里だが、二人だけのシーンで、ボクはどうしても依里が女の子に見えてきて仕方がなかった。湊と依里の関係が友達以上に思える。
 この映画は、カンヌ映画祭で脚本賞を受賞しているが、「クィア・パルム賞」も受賞している。「クィア・パルム賞」は公式部門とは別の独立した審査員によって選出され、全部門の中からLGBTQを扱った作品に贈られる賞だ。「LGBTQ」というのは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)、クエスチョニング(Questioning)の頭文字をとったもの。ボクが依里に感じた感覚は、湊の心も同じだと思う。》
 二人は、生きづらいこの世から逃れるように、その世、つまり、隠れ家での時間を過ごす。そのシーンが忘れられない。隠れ家の重要性を思う。
 インタビューの中で、「これだ!」と思ったので、引用させてね。アウトプットすることが自分を救うことにもなるってこと。
《今も続いているスケッチは、この世の中をどうにか面白いものとしてとらえ続けなきゃいけないっていう、自分にとって必要な作業でもあって。「人が生きるときには、何かしらの物語が必要だ」っていう言い方もできるかもしれないけれど、何かしら自分の中でフィクションをつくって、現実と折り合いをつけていくというか。空想と現実をどうにか結びつけながら生きていかざるを得ない人もやっぱり多いし、これからも増えるはずなんですよね。》
 いろんなばらばらの現実を、自分の妄想や空想で繋げてアウトプットしていく。そうすると、自分の生きる道が見えてくる。
 ボクがAMIというユニットで音楽活動を続けることも、みっちゃんの詩に曲をつけ奏でるオリジナルソングが空想と現実をどうにか結びつけながら生きていくことであることも、そして、まさしく、この「空想俳人日記」と言うブログ記事でアウトプットしていることも、ヨシタケ氏が言っていることだと思う。

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 今回の本は、東京で再度開催の「ヨシタケシンスケ展かもしれない たっぷり増量タイプ」を中心に書かれていると、冒頭で書いたけど、ボクにとっては、第3章が最も読み応えのある章だったなあ。

みっちゃんお誕生会2025-09 みっちゃんお誕生会2025-10

 ちなみに、この本、発売日に入手したんだけど、「みっちゃんのお誕生会」までお蔵入りさせておいたので、1か月読むのが遅れたのだ。だからって何?


ヨシタケシンスケ『だったらこれならどうですか』 posted by (C)shisyun


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