(椅子に座って)
「博士今までお世話になりました!僕は今日限りでレッドを引退しようと思います」
「いや、戦いが嫌になったとかではないです」
「僕はもうこのスーツを着ることはできません」
「いや、スーツの性能に不満はないですよ」
「むしろ、博士が作ってくれたこのスーツは凄いですよ!」
「このスーツを着て怪人と戦えば、よっぽど油断しない限りダメージを負うこともなく怪人を倒すことができます」
「さすがは博士の最高傑作だと思います」
「このスーツ以外に、あの世界征服をもくろむ恐ろしい悪の軍団に人類が勝つ術はありません」
「博士の言う通りこのスーツこそが人類の最後の砦だと僕は信じてます」
「だからこそ、僕は引退します」
「なんでって…見たら分かるでしょ!」
「俺、博士の最高傑作のこのスーツに」
「人類の最後の砦に」
(立ち上がって)
「カレーこぼしました」
「完全に油断してました」
「しかも、このスーツ防御力高いから怪人の攻撃は効かないかもしれませんけど、…洗剤も効きません」
「洗っても洗っても落ちない。完全に防御力が裏目に出てます」
「え?スーツ着てカレーを食べてた理由ですか?」
「イエローに誘われたんですよ!」
「あのデブ!」
「あのデブ曰く、カレーに一番合うスパイスは、汚しちゃいけない服を着てるときに食べる背徳感らしいです」
「ともかく、人類の最後の砦にカレーをこぼした以上俺は責任をとってやめるしかありません」
「もうやりたくないんですよ!」
「今俺ね、スーツ脱ぐたびに右の脇の下からスパイシーな香りがしてるんですよ!?」
「嫌でしょ!右の脇下からスパイシーな香りがするヒーロー」
「子供も応援しずらいわ!」
「いやいや博士、いい匂じゃん!ってそれは無理ですよ!」
「…あんたさっきからずっと鼻つまんでるじゃないですか!」
「そんなにカレー臭いですか?」
「じゃあ、せめて新しいの作ってください!」
「防御力のせいで消臭剤すら効かない」
「だいたい、洗剤も消臭剤も効かないのになんでカレーだけ効くんですか?!」
「このスーツの弱点カレーなんですか?!」
「致命的な欠陥じゃないですか?!」
「…博士今世間でなんて言われてるから知ってますか?」
「赤とカレーだからかな?!!」
「トマトカレーですって」
「そういうわけで、せめて新しいスーツ作ってくださいね」
「え?予算が足りない?」
「グリーンとピンクも同じ相談してきた?」
「…あのデブクビにしましょう!」
完
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悲しいです。あと、できればでいいのでコメントが欲しいです。
承認欲求の塊なんです。
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