#22 コント 「ブレーメンの音楽隊(ピンネタ)」 | 劇団ししゃも

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ナレーション「ブレーメンで音楽隊に入ることを目指す、ロバ、犬、猫、鶏、の四匹は道中で、他人の家でごちそうを食べている泥棒達を見つけました。4匹は協力して家の中で暴れまわり、泥棒達を追い出してごちそうを食べることが出来ました。4匹はその後その家を気に入り、いつまでも末永く暮らしました。めでたし めでたし」

 

               明転

 

男性「なるほどね。君らの言い分はよく分かったよ。要するにこの家は泥棒に入られていたんだと、それを自分たちは追い払ってやったんだと。そこまでは分かったよ。それはありがとう。」

 

男性「それは家主としてお礼を言うよ。ありがとう。」

 

男性「たださ、分かんないのがさ、…なんでその後入っちゃうの?」

 

男性「入んなくない?普通」

 

男性「動物に人間の普通を説いてもあれなんだけどさ。」

 

男性「え?なんで入ったの…オイ、犬!」

 

男性「いや、「ワンワン」じゃなくて」

 

男性「あの、いいよ。今更しゃべれませんアピールとか。」

 

男性「もう何か分かるじゃん」

 

男性「こういう世界観ってさ人と動物の言語の境界線とかないから」

 

男性「桃太郎だって家来としゃべってるし、浦島太郎だって。」

 

男性「…しゃべれるでしょ?」

 

男性「そもそも、しゃべれるからブレーメン行って音楽隊入ろうとしたんでしょ?」

 

男性「しゃべれないとしたらどうやって音楽隊入るつもりだったん?!」

 

男性「もういいね?しゃべれるで。」

 

男性「で、しゃべれる前提で話進めるけどさ。」

 

男性「…そもそも、しゃべれるんだったら家の中で暴れる必要なくない?」

 

男性「警察に連絡するなり、話し合いで解決すればよくない?」

 

男性「なんで暴れまわった?」

 

男性「おかげで、家具とか壁とかボロボロだし」

 

男性「分かる?妻と娘と旅行から帰ってきて「あれ~電気消し忘れてない?」とか笑いながら話しててさ、近づくにつれて、尋常じゃない荒れ方してることに気づいて。」

 

男性「妻と娘に「ちょっと待ってろ」って言って。」

 

男性「窓から覗いて。俺最初泥棒いると思って覗いてるからね。」

 

男性「対人間で覚悟してるから。で実際覗いてみたら畜生どもが宴会してるわけだから。覚悟超えてきちゃったから。」

 

男性「…もう普通に言うわ。…出てってくんない?」

 

男性「いや、「それだけはちょっと…」じゃなくて」

 

男性「だいたい、君ら「ブレーメンの音楽隊」でしょ?」

 

男性「だったらさ、「幸せに暮らしましためでたしめでたし」じゃないじゃん。」

 

男性「行けよ!ブレーメン。」

 

男性「「幸せに暮らしました」エンドで行きたいなら、タイトル「ブレーメンの音楽隊」じゃないじゃん。…タイトルって言っちゃうとあれだけど。」

 

男性「「泥棒を退治した動物たち」的なやつじゃん。」

 

男性「行けよ!!ブレーメン!」

 

男性「…よし!…もう帰ってくるなよ~」

 

男性「…俺も泥棒だってばれなくてよかった~」

 

                   

 

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長年の疑問を書いてみました。

ブレーメンの音楽隊なのに、ブレーメン行かないの?!と小さいころから疑問でした。