「先生、たかしが、たかしが死んだって本当ですか?」
「なにも、何も覚えてないんです」
「たかしと二人で学校から帰ってたら、トラックが俺たちに突っ込んできて、気が付いたら病院で」
「…それで、先生あの話は本当なんですか?損傷した俺の心臓の代わりにたかしの心臓を移植したって」
「本当なんですか?!」
「…うぅ。たかし!たかし!」
「…心臓だけじゃない?」
「肝臓も?!」
「そっか。こことここにはたかしの魂が」
「あっ…胃も?」
「…なんか…多くね?。いや、普通こういうのって一つか二つかなって思って」
「でも、そうですよね。この三つはたかしがくれた大事な」
「膵臓も?!」
「…ちょっとすみません。たかしがくれた臓器で全部まとめて言ってくれませんか?」
「そんな小出し小出しで出してこられても」
「え?…首からから腰までオールたかし?!」
「たかしの死因ってなんなんですか?」
「こんだけ俺に臓器プレゼントしてたらたかしもう少し生きられたんじゃ?」
「違う?首からから腰までじゃない?あっなんだよかった」
「つむじからかかとまで?!」
「え?眼とかも?!」
「あ、鏡…」
「…あの、ちょっと、すんません」
「…目って言うか…これ…たかしじゃん!」
「いや、なにが?じゃなくて。この顔!これ、たかしじゃないですか!」
「…事故のショックで俺の元々の顔がぐちゃぐちゃだったから、ですか…」
「いや、まぁまぁまぁ。…うん」
「どうしたの?って…」
「いや、もう何か…たかしの葬式行けねぇなと思っただけです」
「いや、行けないでしょ!」
「みんなたかしの遺影に向かって手合わせてんのに遺影と同じ顔が行ったら」
「モノマネ番組のご本人登場みたいな感じになるでしょう」
「あの、元々の俺の部分で残ってるパーツとかって…ない?」
「あ、下半身」
(裾上げる)
「…ここ?」
「体全体でここだけ?」
「右足のふくらはぎ以外全部たかし?」
「あ、逆だったんだ」
「俺の身体にたかしの部品を移植したって言うか、たかしの身体におれのふくらはぎを移植したが正解なんだ」
「…だとしたら、この体のパイロットって俺じゃ無くね?」
「なんでふくらはぎしか有してないやつがこの体の主導権握ってんの?」
「いや、この体今んとこ9:1でたかしじゃん!」
「なに?人間の精神ってふくらはぎに宿るの?」
「…あ、ふくらはぎ以外にも俺の一部が?!」
(パンツの中見ながら)
「…よかった~」
完
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人前でやっていいものか迷います。
やったら高確率でスベるでしょう。