(謎の生物が入った培養カプセルの前で)
博士「ついに!ついに完成した!これがご依頼の品だ!」
軍人「ようやく完成か、博士」
博士「あぁ。見ろ!この美しいフォルム!こいつにはこの地球に存在するあらゆる生物の遺伝子が組み込まれている。貴様ら軍の依頼通り最強の生物兵器となった!!」
軍人「そうでなくては、高い金をかけた甲斐がないからな。で、どんな生物の遺伝子を組み合わせたんだ?」
博士「ああ。ライオン、狼、チーター、ゴリラ、虎、鷹、それにカニだ。」
軍人「ライオンやチーターは分かるが…カニ?…あぁ、そっか。カニの様に皮膚が強靭な甲羅で覆われているということか。なるほど、すばらs」
博士「あ、いや、そこじゃなくて。」
軍人「そこじゃない?そこじゃないってどういうことだ?」
博士「だから、カニから取り出した特徴はそこじゃなくて」
軍人「…なるほど、ハサミか!確かに、ゴリラの筋力でハサミを使いこなしたら最強のせいぶt」
博士「そこでもなくて」
軍人「ハサミでもないのか?え?じゃあ…どこ?カニのどこを抽出したの?」
博士「…横歩き」
軍人「……え?」
博士「だから、…横歩き」
軍人「よ、横歩き?横歩きって横向いて歩く、あの?」
博士「そう。横向いて歩く、あの」
軍人「…え、なんで?」
博士「間違えた。本当は、カニの強靭な甲羅の遺伝子が欲しくてな。何とかその部分を抽出しようとしたんだが手が滑ってな、間違ってその隣にあった、横歩きの遺伝子を」
軍人「痛恨のミスじゃねぇか!!…つまりこいつ、横向きにしか歩けないってこと?」
博士「まぁ、…そうなるな」
軍人「ゴリラ並みの筋力持ってるのに?」
博士「横歩き」
軍人「狼並みの牙と嗅覚なのに?」
博士「横歩き」
軍人「チーターのスピードで?」
博士「横歩き」
軍人「お前ふざけんなよ!!」
博士「いや、わしだって後悔しとるんだよ!」
軍人「だいたいお前序盤の方で、見よ!この美しいフォルム!とか言ってたじゃねぇか!!あれなんだったんだよ!!あれお前、完全に成功したパターンのセリフだろーが!!」
博士「いや、フォルムだけ見たら美しいのよ。だって動いてないんだから。動いちゃうと、ちょっと…ねぇ。」
軍人「ねぇ。じゃねぇよ!お前コレ、ホントにどうすんだよ!こんなの戦場で使えねぇぞ!なんだよ?!チーターのスピードで横歩きって…想像したらちょっと面白れぇじゃねぇかよ!」
博士「とにかく、依頼された通り、最強の生物は作ったんじゃ。そいつを持ってとっとと帰ってくれ!」
軍人「おい、爺さん!あんま軍を舐めるんじゃねぇぞ!」(合図をする)
(軍隊が突入してくる)
博士「こ、これはどういうことじゃ?!」
軍人「保険だよ。爺さん、あんたが万が一にも失敗していた場合、あんたをここで殺せと命令されてるんでな。悪く思わないでくれ」
(合図をしようとした時、突然培養カプセルの中の横歩き生物がケースから飛び出してくる)
隊員A「な、なんだ?!」
隊員B「隊長!こいつは一体?!」
隊員A「この野郎!おかしな動き方しやがって!」
隊員B「攻撃が当たらねぇ!こいつ速いぞ!チーターみてぇだ!動き方変だけど」
隊員C「ぐあっ!!強えぇ!変な動きなのに」
隊員D「動き方変なくせに!…ギャー」
博士、軍人「「…意外と強い!」」
完
一番好きな動物は虎です。寅年なので。
来月14日12:00から下北沢ミネルヴァ劇場でライブがあります。
もしもブログ主を見たいという人がいるならばTwitterにDMかコメントをください。
配信もあるので東京に住んでない方も是非!!
https://twitter.com/ashigaru_yamato