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歴音222. デビルと遭遇(恐怖の向こう側.12)
いよいよ、10月31日の「ハロウィン」の日が近づいてきましたね。
奴らが、ひたひたと忍び寄ってきた感じがしませんか?
キャ~!
今年も、「歴音fun」恒例の「スケアリー・ミュージック(scary music:怖い音楽)」の特集の季節です!
今年は、さらに、怖さパワーアップ!
お化け・ゴースト・悪魔・魔王・魔女・死神・魔術師・怪人…!
キキキキキキ、キャ~!
クラシック音楽曲や洋楽曲を中心に、「死」を悼み嘆く楽曲、「死」にまつわる永遠や神を表現した楽曲、「邪悪からの圧迫感」、「忍び寄る恐怖」、「ある意味…怖い女」などの音楽曲を集めました。
「ハロウィンの季節に聴きたい、ちょっと怖い音楽曲」です。
過去のコラムを加筆修正して掲載させていただきます。
* * *
「恐怖の音楽」は、ひょっとしたら、恐怖の中にいる、あなたに寄り添う「案内人」なのかもしれませんよ!
「恐怖の音楽」は、決して「恐怖」の対象ではないのだろうと感じます。
あなたも、「恐怖の音楽」の中にある、何か特別なチカラを感じてみてください。
この連載は、恐怖の中を、「ハロウィンの日(10月31日)」の翌日である「始まりの日(11月1日)」まで、一気に駆け抜けたいと思います!
* * *
今年の連載も、あのワンちゃんたちが登場するワン!
◇未知との遭遇
スティーヴン・スピルバーグ監督の映画「未知との遭遇」には、あの特徴的な山が登場しましたね。
あの山は、映画のセットではありません。
米国のワイオミング州に実際に存在する巨大な岩山です。
その名も、「デビルズ・タワー(Devils Tower)」!
* * *
ところで、アメリカ空軍の「UFO(未確認飛行物体)」研究機関に長く身をおいていた天文学者ハイネック博士は、自身の著書で、人類とUFOとの段階的なつながりについて、「接近遭遇(Close encounter)」という言葉で分類していました。
下記の映像は、映画「未知との遭遇」のシーンです。
まずは、「接近遭遇(Close encounter)」の第一段階から…
◎第一種接近遭遇(Close Encounters of the First Kind)
UFOを500フィート(約150メートル)以下の至近距離から目撃すること。
◎第二種接近遭遇(Close Encounters of the Second Kind)
UFOが、人類の居住環境に、何らかの影響を与えること。物理的な痕跡を残すこと。
◎第三種接近遭遇(Close Encounters of the Third Kind)
UFOの搭乗員と接触すること。
UFO軍団の親分「マザーシップ」は、このシーンの後にやって来ます!そして、その時が…!
以降、分類は、第4種から第9種まであるそうです。
* * *
スティーヴン・スピルバーグ監督の、1977年(昭和52)の超大ヒット米国映画「未知との遭遇」の原題は、「Close Encounters of the Third Kind」です。
つまり、第三種接近遭遇(第三次接近遭遇)!
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映画「未知との遭遇」と「デビルズ・タワー」
(設定で、AI和訳字幕を表示できます)
スピルバーグ監督は、世界的には、映画「ジョーズ」で、名前が知られるようになりましたが、その次の作品である「未知との遭遇」で、その才能を、世界に驚かせ、盤石の地位を築いたと、私は思っています。
彼の個性的で斬新な「映像テクニック」にノックアウトされた 映像屋さんは多かったでしょう。
きっと今でも、「デビルズ・タワー」の山の映像を見ると、映画「未知との遭遇」を思い出すという方が少なくないだろうと思います。
◇ワイオミング州
米国でもっとも人口が少ない州である「ワイオミング州」!
というより、大自然のほうが雄大すぎて、人間社会が小さく見えます。
今、「何時代」なのか わからなくなりそうな、時を超越したような地域にも感じますね。
* * *
「ワイオミング」という言葉は、アメリカ先住民族「ネイティブ・アメリカン」の言葉で、意味は「大平原」です。
今のワイオミング州にある、動物たちがたくさん生息する大平原の地域は、「ネイティブ・アメリカン」の、狩猟の場所でした。
「ネイティブ・アメリカン」は、日本人の意識の中では、「インディアン」と認識されていますね。
「ネイティブ・アメリカン」は、1492年にヨーロッパの白人が北アメリカにやって来る、遥か以前から、この地に暮らしている民族です。
人種としては、私たち東洋のアジア人とも共通性が高いですね。
日本人は、赤ん坊の時に、お尻に、青い「蒙古斑(もうこはん)」がありますが、「蒙古斑」は、世界的に、モンゴル人、中国人、日本人、韓国人、アメリカ大陸の先住民族「ネイティブ・アメリカン」にしかあらわれません。
そういえば、顔つきが、みな似ていますね。
日本のアイヌ民族のファッションや文化と、ネイティブ・アメリカンのそれは、何か似ている気もします。
「デビルズ・タワー」を見て、思わず絶叫!
「ワイミング富士!何か、なつかしい かたち!」と叫んだのは、私だけ…?
* * *
「デビルズ・タワー」は、ネイティブ・アメリカンたちにとって、神聖な場所!
彼らにとって、「大平原を守ってくれる神さま」なのかもしれませんね…。
そして、「デビルズ・タワー」は、「未知との遭遇」の場所!
私は、こういう大自然の地域で、いろいろ遭遇してみたい!
下記映像では、設定で、AI和訳字幕を表示できます。
◇Devils Tower
この山「デビルズ・タワー」は、1906年(明治39)、米国で最初に「国定公園」と認定された山です。
英語で「Devils Tower」は、「Devil's Tower」ではありません。
「デビルズ・タワー」という名前は、1875年にリチャード・アーヴィング・ドッジ大佐が率いる探検隊の通訳が、先住民の言葉を「悪い神の塔 (Bad God's Tower)」と誤解、あるいは悪意に翻訳したことに由来するともいわれています。
アメリカ先住民たちは、別の名称で、この山を呼んでいました。
その話は、後で書きます。
* * *
米国の「国定公園」などで使用する地名などの名称は、アポストロフィを省略するという規則があります。
さらに、国定公園や国立公園は、すべて国家の所有物であり、特定の者の所有物ではありません。
ですから「◎◎の(所有する)△△」という名称は、国定公園の中の名称にはありません。
「Devils Tower」は、「Devil's Tower」ではないのです。
さらに「Bad God's Tower」でも「Devli(Bad God)」でもないのです。
とはいえ、一度聞いたら忘れない、この強烈な名称「デビルズ・タワー」と、この特異な山容の光景から、何かハートを鷲づかみされた気持ちになりますね。
デビルズ・タワー
(設定で、AI和訳字幕を表示できます)
デビルズタワー・トレイル
◇Bear Lodge(ベアー・ロッジ)
ヨーロッパの白人が、ワイオミング州のあたりにやって来るまでは、「アメリカ先住民(ネイティブ・アメリカン)」の多くの部族が、その地に暮らしていました。
彼らには、部族ごとに、この山を示す「呼び名」があり、伝説がありました。
たとえば、「ラコタ族」の間では、この山は「Mato Tipila(マート・ティーピーラ)」と呼ばれ、意味は「Bear Lodge(ベアー・ロッジ:熊の山小屋)」でした。
彼らにとっては、神聖な場所であり、「デビル(悪魔)」などとは ほど遠い意味の、大切な山でした。
* * *
部族ごとに、伝説が若干 異なりますが、共通するのは、人々が窮地に追い込まれた時に、神さまに祈ると、この山が 突然に隆起を始め、その山の上にいた人間たちは、その窮地を逃れることができたというものです。
そして、その窮地とは、たいてい、グリズリー(灰色グマ、日本でいえばヒグマ)が人間を襲い、逃げる人々を追いかけて、この山の隆起部分を登ろうとし、爪をたて、山肌をひっかくけれども、山の上の人間のところまでは登ってくることができないというものです。
つまり、伝説では、この山のとっぴな形状の隆起は、神さまの助けであり、この山肌の縦の筋は、巨大グマが引っ搔いた跡なのです。
現代の科学でいえば、地下のマグマ活動による「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」という現象なのですが、伝説では、熊が仕出かした爪跡なのです。
デビルズ・タワーの伝説2編です。
(設定で、AI和訳字幕表示ができます)
こういった伝説は、理屈や科学は必要ありませんね。
祈り、願い、救いが、もっとも大切な要素でしょう。
「デビルズ・タワー」と「ベアー・ロッジ」という、二つの呼び名…。
あなたは、どちらの呼称がお好きですか?
昨今は、米国だけでなく、日本でも「ヒグマの人的被害」が深刻化していますね。
人類は、大昔から、人の近くにいる熊との共存に、たいへん苦労してきました。
今の、人間と熊との異常な状況は、人間の暮らし方に原因があるのか、世界中で起こる、地球温暖化がもたらす何らかの影響なのか、まだまだ原因究明が足りない気もします。
人間にとって、無防備な状況での、熊との「接近遭遇」は、まさに死の予感!
未知の誰か…、熊との「接近遭遇」の時は、土地を突然に隆起させて…!
五音のお願い!
さあ、ここからは、「デビル」の洋楽曲を!
◇デビルと踊ってはいけない!
悪魔と踊ってはいけないよ!
一度でも踊ったら、戻れないよ!
デミ・ロヴァートが、自身の経験を歌にしました。
♪ダンシング・ウィズ・ザ・デビル(2021・令和3)
◇私の救世主
そこらじゅうから、悪魔はやって来る!
もう、そこまで…、すぐ近くまで…。
どうか私を救って!
私の救い主は… 悪魔なの? 十字軍なの? どっち?
ミュージック・ビデオは刺激が強すぎるので、こちらのライブ映像を…。
2015年(平成27)のライブ映像。
マドンナ
♪デビル・プレイ(2015・平成27)
◇デビルの奴らに気をつけろ!
ここからは、「デビル曲」を一気に!
キャ~!
ミッチ・ライダー & ザ・デトロイト・ホイールズ
♪悪魔とモーリー(Devil with the Blue Dress On / Good Golly Miss Molly)
(1967・昭和42)
ガン
♪悪魔天国(Race With The Devil)
(1968・昭和43)
スージー・クワトロ
♪悪魔とドライブ(Devil Gate Drive)
(1974・昭和49)
チャーリー・ダニエルズ・バンド
♪悪魔はジョージアへ(The Devil Went Down To Georgia)
(1979・昭和54)
ヴァン・ヘイレン
♪ランニング・ウィズ・ザ・デビル(1978・昭和53)
インエクセス
♪デビル・インサイド(1988・昭和63)
◇キャ~!デビルマン!
まさか、世界中にこれほどの人数の「デビルマン・ファン」がいたとは…!
昭和の、デビルマン、鬼太郎、悪魔くん、えん魔くん、メグちゃん、サリーちゃん、アッコちゃん、オバQ、ベム、怪物くん… から、今の令和の時代まで、日本は、まさに「お化けキャラ」王国!
正義のヒーローに負けないくらいの数の「お化けキャラ」がいますね。
おおっと!海外にもいたぞ!歌うデビルマン!
英語歌詞も、なかなかのデビ(でき)!
この男… なかなかの男! デキルマン!
♪デビルマン
あなたの近くにも、「デビルマン」や「デビルウーマン」が いませんか?
キャ~!隣に、デビルが いる!
今や世界に知られた、正義感を持った日本の悪魔男…。
♪デビルマン(1972・昭和47)
♪次は、誰だ、誰だ、誰だ!
♪次も、デビル! デビルマ~ン! デビルマ~ン!
次回コラム「恐怖の向こう側.13」も、デビルと遭遇するよ!
* * *
さて、映画「未知との遭遇」のエンディング曲は、言い知れぬ感動が わき上がってきますね。
きっと、いつか遭遇することを、人類はみな 願っているのかもしれませんね。
いつか、きっと逢いましょう…。
「未知との遭遇」のエンディング・クレジット
連載「恐怖の向こう側.13」につづく…
2025.10.27 天乃みそ汁


