坂本龍一、YMO、イエロー・マジック・オーケストラ、細野晴臣、端午の節句、こいのぼり、クラシック音楽、映画音楽、洋楽、ロック。

 

歴音36.鯉は龍をめざす・後編
~坂本龍一の音楽~

 


今回は、昨年 書きましたコラムを加筆修正して掲載させていただきます。

気がついたら、今年も、5月5日の「端午の節句(たんごのせっく)」がやってきましたね。
「菖蒲(しょうぶ)の節句」という古い呼称もあります。
近所で「こいのぼり」を見ることも多い季節ですね。

「端午の節句」にちなんで、「鯉(こい)」と「龍(りゅう)」のお話しを、前編・後編の二回で連載いたします。

コラム「歴音35.鯉は龍をめざす・前編 ~坂本龍一の音楽~」に引き続き、今回は「後編」です。

「前編」では、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)時代や、多くのテレビCMに使用された楽曲などについて書きました。

今回の「後編」では、坂本さんの評価を さらに世界的な高みにまで引き上げた映画音楽作品や社会貢献活動などをご紹介したいと思います。

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坂本さんの90年代以降の生涯終盤の30年ほどは、まさに、最高クラスの音楽芸術家、社会活動家としての時期でしたね。

YMO時代には想像もできなかったような、音楽ジャンルを超えた、信じられない成長進化です。
「こいのぼり」の「鯉(こい)」が、「龍」へと変わっていった時期だと感じます。
ひょっとしたら、彼は、幼少期から人生最期の瞬間まで、階段をのぼり続けていた音楽家であったのかもしれませんね。

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映画音楽の巨匠に、エンニオ・モリコーネ(1928~2020)というイタリアの音楽家がいましたね。
世界中の音楽ファン、映画ファンをとりこにした映画音楽の神様です。

私は個人的に、坂本さんは、まさに「日本のモリコーネ」といっていいと思っています。
おそらくは、世界的な評価も、そうしたものであろうと感じます。

坂本さんの名は、モリコーネと同様に、クラシック音楽・ポピュラー音楽の延長上にある、世界の音楽史の中に しっかりと残されていくのだろうと思います。

「世界のサカモト」という言葉表現は、YMO時代の坂本さんの姿だけでなく、生涯終盤の30年ほどの音楽家としての素晴らしい仕事を表現したものであるのは間違いないと感じます。


◇サウンド・ストリート

さて、坂本さんは、NHKのラジオ番組「サウンド・ストリート」のDJ(1981~1986年 担当)をされていましたね。
坂本さんが29歳から34歳までの時代です。

このラジオ番組の中では、番組リスナーが、自身で作った楽曲のデモテープを番組に送付し、それを坂本さんがコメントしたりアドバイスするコーナーがありました。
私も、デモテープやアドバイス内容に興味があり、そのラジオ放送を よく聴いていました。

今の時代の放送では、まず実現できない ラジオ番組の取りくみですね。
今、当時のラジオ音声を、インターネット上の動画サイト等で聴くことができます。

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振り返ると、このようなデモテープ受け取りスタイルの音楽ラジオ番組を、当時、他のラジオ放送で聞いた記憶がありません。

この番組では、後にプロ歌手になる槇原敬之さんが、16歳の頃にデモテープを番組に送付し、その内容を坂本さんが褒めることもありました。

昭和の時代のテレビの歌番組では、審査員が簡単な歌唱指導をしたりする内容はありましたが、音楽曲づくりやサウンドづくりのアドバイスをする番組はなかった気がします。
今思うと、なんと貴重な体験を、リスナーやミュージシャンの卵たちに与えていたことでしょう。

さすが、幼少期から作曲やピアノを学んできて、若い頃から、周囲より「教授」と呼ばれた坂本さんです。
坂本さんのこのラジオ番組をきっかけに、あるいは元気をもらって、その後、音楽の道に進んだ若者も多かったことでしょう。

こうした取り組みは、坂本さん自身の、音楽への飽くなき学習意欲も反映したものであろうと感じます。
坂本さんのこうした教育姿勢や後継者への思いが、生涯最後まで 続いていくことになろうとは…。


◇プロデュ―ス・編曲・共演・テレビ番組

坂本さんは、編曲家としても、たくさんの優れた作品を残されました。
海外の多くのミュージシャンたちとの共演もありましたね。

彼が、YMO時代を過ぎ、次のステップに向かう時代です。

スティ―ビー・ワンダー作曲の曲を、坂本さんが日本用に編曲した楽曲。
原曲に決して引けを取らない、いいえ、それよりも素晴らしい気もします。

西城秀樹
♪愛の園(1980・昭和55)

 

1983年(昭和58)、デヴィッド・シルビアンと坂本さんが共演しました。
坂本さんの あの映画音楽に、歌詞をつけました。
♪禁じられた色彩(Forbidden Colours)(1983・昭和58)

 

1987年(昭和62)、グラム・ロックやパンク・ロック、デヴィッド・ボウイに大きな影響を与えたロック歌手のイギー・ポップが作詞・歌唱し、作曲を坂本さんとビル・ラズウェルが行ないました。
坂本さんの世界進出アルバム「ネオジオ」に入れられた楽曲。

イギー・ポップ&坂本龍一
♪リスキー(1987・昭和62)


1993年(平成5)、ロックバンド「アズテック・カメラ」は、アルバム「ドリームランド」で、プロデュースを坂本さんに依頼し、素晴らしいアルバムが完成します。

アズテック・カメラ
♪ザ・ベル・オブ・ザ・ボール(1993・平成5)

 

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TBSの報道番組「(筑紫哲也の)ニュース23」のテーマ曲(1997・平成9 ~2005・平成17)。
この曲は、今でも 二胡奏者に愛される楽曲ですね。
♪プット・ユア・ハンズ・アップ(1997・平成9)

 

2009年の坂本さんのピアノ演奏
♪プット・ユア・ハンズ・アップ

 

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NHK「大河ドラマ「八重の桜」(主演:綾瀬はるか)のテーマ曲。
♪八重の桜(2013・平成25)

 

 

◇音楽で社会に…、社会を音楽で…

坂本さんを語る上で、音楽活動だけでなく、社会活動をはずすことはできません。
さまざまな社会活動は、彼の音楽とも深くつながっていましたね。

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1956年(昭和31)に発表された あるトルコの詩人が書いた詩に、原爆で亡くなった女の子のことを描いたものがあり、それを歌詞にした楽曲があります。
2005年(平成17)に坂本さんがプロデュースと編曲をしました。
坂本さんの社会活動家としての一面を示す仕事ですね。

2005年(平成17)8月6日に、広島の「原爆ドーム」前で、坂本さんと 「元(はじめ)ちとせ」さんが、演奏・歌唱しました。
坂本さんのことを、この時の印象で強く記憶されている方も多いと思います。
「坂本龍一という男…ただ者ではない」と日本中が感じたはずです。

元ちとせ
♪死んだ女の子

 

世界で知られた この詩が、日本であまり知られていないのには、いろいろな理由があるのでしょう…。
バーズの1966年(昭和41)の楽曲「アイ・カム・アンド・スタンド・アット・エブリ・ドアー」は、この歌詞内容の別曲です。
♪アイ・カム・アンド・スタンド・アット・エブリ・ドアー

 

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1992年(平成4)のスペインの「バルセロナ・オリンピック」のセレモニーでは、坂本さんが指揮をされました。

 

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2001年(平成13)、坂本さんの呼びかけにより結成された音楽ユニット「N.M.L」は、地雷除去のためのチャリティーソング「ZERO LANDMINE」を発表しました。
作曲:坂本龍一、作詞:デヴィッド・シルビアン
♪ゼロ・ランドマイン

 

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フランスのお酒であるシャンパン(シャンペン、シャンパーニュ)の企業「クリュッグ(Krug)」がありますが、2008年(平成20)に、坂本さんと組んで、優雅で、芸術の香りが漂う「音楽世界」を世界に届けました。

 

下記映像は、米国ニューヨークの「ブルックリン・ミュージアム」での、まさに「クリュッグと坂本龍一の音楽夜会」!
こういう場に行くことのできる人は、世界でもわずかだと思います。
ですが、こうした取り組みは、世界の外交上、日本という存在を伝えるのに、たいへん有意義なものになりますね。
どうぞ、音楽動画でひとときの「夜会」を…。

 

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2011年(平成23)の「東日本大震災」以降、坂本さんは、さまざまな活動で被災地支援を行っていました。

音楽の場を失った子供たちや学生のために、音楽の場「東北ユースオーケストラ」を作りました。
東北の子どもたちとの演奏会

 

東北ユースオーケストラの紹介映像

 

坂本さん指揮による「東北ユースオーケストラ」の演奏する、YMOの楽曲「ビハインド・ザ・マスク」です。

 

坂本さんは、日本の楽器メーカー等と交渉し、学校などで被災した楽器の修復などにも尽力しました。

2023年(令和5)のニュース映像です。

 

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2016年(平成28)の熊本地震から3年後の2019年(令和元)に、熊本市民の悲願であった「熊本城ホール」が完成します。
日本の有名なミュージシャンたちが、演奏を行ないました。
坂本さんは、「熊本と東北をつなぐ」をテーマに開催し、「東北ユースオーケストラ」と「熊本ユースシンフォニーオーケストラ」と坂本さんによる共演が実現しました。

 

ヒット曲を生み出し、名声と富を得ることだけが音楽家の仕事ではないとうことを、坂本さんの活動から強く感じますね。



◇映画音楽

ここからは、坂本さんを「世界のサカモト」たらしめた、主な映画音楽をご紹介します。

映画「戦場のメリークリスマス」のテーマ曲。
2011年のロンドン公演の演奏で…。
♪メリー・クリスマス・ミスター・ロレンス(1983・昭和58)

 

映画「ラスト・エンペラー」
♪ラスト・エンペラー(1987・昭和62)

 

映画「シェルタリング・スカイ」
♪シェルタリング・スカイ(1990・平成2)

 

映画「リトル・ブッダ」
♪リトル・ブッダ(1994・平成6)

 

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映画「鉄道員(ぽっぽや)」(1999・平成11)
ブルーレイPR映像

 

歌は、娘の坂本美雨さん。
♪ぽっぽや

 

坂本さんのピアノ演奏
♪ぽっぽや

 

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作家の村上春樹さんの世界観を描いた映像作品のための音楽作品
♪ソリチュード(孤独)(2005・平成17)

 

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下記の楽曲は、もともと1995年(平成7)にポップな楽曲として作られましたが、翌年には、ピアノ、バイオリン、チェロのトリオ演奏用に作り変えられ、2006年(平成18)の映画「バベル」にも使用されました。
2004年バージョン
♪美貌の青空

 

映画「バベル」予告編(2006・平成18)

 

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映画「母と暮せば」(2015・平成27)
予告編

 

♪メインテーマ

 

♪鎮魂歌より

 

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映画「レヴェナント:蘇えりし者」(2015・平成27)
音楽版予告

 

♪「レヴェナント:蘇えりし者」メインテーマ

 

レコーディング風景

 

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映画「怒り」(2016・平成28)
♪怒り

 

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映画「約束の宇宙(そら)(Proxima)」(2019・令和元)
予告編

 

まさに「レクイエム」のような作品…
♪ロンチ

 


◇天才音楽家

ここからは、坂本さんの尋常ならぬ天才ぶりを感じさせてくれるような音楽を…。

♪アンダータ(2017・平成29)

 

イタリア語「Andata(アンダータ)」とは、出発、行く、進むなどの意味です。
この曲は、坂本さんの2017年(平成29)のアルバム「async(アシンク)」におさめられている楽曲です。

坂本さんは、このアルバムについて、「あまりに好きすぎて、 誰にも聴かせたくない」と発表を考え直したほどの作品群です。
坂本さんが敬愛するバッハにも通じる音楽性を感じる方も多かったと思います。
坂本龍一という音楽家は、ついにこの領域にまで昇ってきたのかと感じた方も多かったと思います。
まさに、世界に誇る日本人「芸術家・坂本龍一」が、そこにいたのだと思います。

♪アシンク(2017・平成29)

 

映画「坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK async」の予告編です。(2018・平成30)

 

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病床の坂本さんの残した言葉に次のようなものがあります。
「せっかく生きながらえたのだから、敬愛するバッハやドビュッシーのように最後の瞬間まで音楽を作れたらと願っています」。

1998年(平成10)のアルバム「BTTB(Back To The Basic)」は、まさにドビュッシーのような楽曲が含まれています。
爆発的に売れた、ピアノ音楽のアルバムでした。

その中から、少しだけ…。

♪オーパス

 

♪ディスタント・エコー

 

♪エナジー・フロウ

 

YMO時代の楽曲も再演しました。
♪東風

 

まさに、ショパンがこの世に戻って来たかのような楽曲です。
実は、この楽曲は、娘の坂本美雨さんに贈られた楽曲です。
楽曲タイトルの「アクア(aqua)」とは「水」のことです。
♪アクア

 

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坂本さんには、2009年(平成21)のアルバム「アウト・オブ・ノイズ」という作品があります。
日本では、このアルバムにあるような楽曲を音楽と認めない方も多いでしょう。
ですが、これほどの音楽作品を作れる日本人音楽家が、日本にも登場してきたことには非常に驚きました。

2021年(令和3)の東京オリンピックの幻のセレモニーは、ひょっとしたら坂本さんも登場し、このアルバムのような幻想の音楽空間に包まれていたのかもしれませんね…。
今となっては、想像もできません。
残念でたまりません。


おそらく、1970年代のプログレッシブロックのファン、フュ―ジョン音楽のファン、ヒーリング系音楽のファン、サウンド重視の音楽家の方々には、心地よく耳に入っていくだろうと感じます。

 

♪スティル・ライフ


♪グラシアー

♪ディスコ

♪イン・ザ・レッド

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下記の楽曲は、2014年(平成26)に、「洋服の青谷」で知られた企業の50周年記念楽曲です。
それに合わせて、つくられた動画です。
坂本さんが、音楽について語っています。

 

サラリーマンの仕事着は、音楽と同様に、時代とともに変化していきますね。
スーツが主流でなくなりつつあります。
企業「青山商事」には、この楽曲を いつまでも大切にしてほしい…。

東京フィルハーモニック・オーケストラとの共演。
♪ブルー

 


◇ハッピーエンド

先ほど、映画音楽のところで、映画「バベル」にも使用された楽曲「美貌の青空」のことを書きました。
もともとのポップ曲を、1995年にピアノ、バイオリン、チェロのトリオ演奏用に作り変えましたが、この頃は、三人トリオの演奏を多く行っています。
YMO時代のヒット曲「東風」も演奏しています。

1996年(平成8)の公演
♪東風

 

* * *

坂本さんの音楽曲は、時代を経る中で、変化しながら、素晴らしさが増していく、あるいは新しい魅力で復活することが少なくありませんでしたね。

 

ここで、坂本さんの楽曲「ハッピーエンド」にある、時代ごとの音楽性を感じてみてください。
この音楽性の変遷こそが、坂本さんの音楽だと感じます。

コラム「前編」の中で、YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)時代の、坂本さんと細野晴臣さんの確執から、10数年を経て、その関係性が良好になっていったことを書きました。


1981年(昭和56)のYMOは、ほぼメンバーがバラバラの状態でしたが、1983年まで解散が引き延ばされます。

当時の坂本さん作曲の楽曲「ハッピーエンド」は、細野さんがかつて在籍したバンド「はっぴいえんど」を意味しているのは間違いないと思います。
当時のYMO時代の この楽曲自体に、坂本さんと細野さんの確執・不協和音が表現されていると考えていいのかもしれません。
世の中のバンドの多くは、メンバー同士の確執を楽曲で表現することがよくありますね。

ですが、下記の2012年(平成24)には、二人は完全に良好な関係性に戻っています。
二人の関係性が変わっていかなかったら、この楽曲は、このように進化しなかったと思います。

 

二人の関係性も、音楽作品としての音楽性も表現された、どの時代であっても素晴らしい音楽作品だと思います。
最後は、「ハッピーエンド」で本当によかった!

細野さんは、坂本さんが亡くなられ、気持ちが落ち着いてから次のように語りました。
「坂本くんは数年かけて準備をし永眠しました。御本人も御家族も後悔なく、静かに旅立ったと聞きました。それを知ってから、僕も安らげています。」

YMO
♪ハッピーエンド(1981・昭和56)

 

坂本龍一
♪ハッピーエンド(2005・平成17)

 

坂本龍一
♪ハッピーエンド(2012・平成24)

 

坂本龍一&オーケストラ
♪ハッピーエンド(2015・平成27)

 


◇向こう側にある空

2022年(令和4)12月の坂本さんの映像

 

昨年 2023年(令和5)1月に放送されたNHKラジオ番組の音声です。
「2024年にまた…」という言葉が最後にありました。

 

坂本龍一さんの娘の坂本美雨さんのご両親は、ともに個性的な一流の音楽家です。
ご両親と同じ音楽の道へ。
娘から、父 龍一へ…。
♪あなたと(2021・令和3)

 

* * *

2023年(令和5)3月28日、坂本龍一さんは、病気でご逝去されました。
71歳でした。

日本の古くからのファンの方々の中には、坂本さんの若い頃の雰囲気と、生涯終盤の30年ほどの姿に、大きなギャップを感じる方も多いかもしれません。


人生終盤は、作られた音楽といい、風貌といい、行動力といい、歴史の中のクラシック音楽の巨匠たちに並ぶような姿に見えてきます。
私も、一人のミュージシャンが、ここまで偉大な音楽家に変貌していくとは想像もできませんでした。

コラムの「前編」でも書きましたが、おそらく坂本さんは、ある年齢の頃から、自身のチカラや影響力、立場や使命感をしっかり認識し、自身の人間性や性格も意識しながら、さまざまな活動に全精力を傾けていたのだろうと思います。
音楽活動も、社会活動も、教育活動も、そして発言も…。
自己満足のため、ビジネスのための活動とは、私には 到底 思えません。

坂本さんは、ある意味、音楽家として…、人として… の理想の到達点を持っていた気がします。


ビジネス的に成功したミュージシャンがすべて、自身の向かいたい方向に向かっていけるわけではありません。
何かを犠牲にしながら、それでも挑戦する気持ちを持ち続けなければ、最期の瞬間まで活動するのは難しいことでしょう。

世界中のたいていのミュージシャンは、ある程度のところで妥協か自己完結し、活動を現状維持か終了しますが、一部には、さらなる高みをめざして歩みを止めない音楽家もいます。
坂本さんには、まだまだ、やりたいこと、やれることが、たくさんあったでしょうが、満足の生涯だったと思っていたのではと、私は感じます。

 

これを読んでくださっている あなたは、坂本さんのように、最期まで高みをめざして挑戦し続けられますか?
現状維持だけに、まい進しますか?
後継者指導だけに、精進しますか?

* * *

強烈な個性と言動、飽くなき探求心、素晴らしい音楽の才能… 坂本龍一さんは、まさに、天才型の音楽芸術家だった気がします。


坂本さんの音楽作品は、他者に模倣されることも多かったですが、彼は相当に寛容な姿勢でいましたね。

高みをめざす人物には、後継者たちが、その跡を追うのかもしれませんね。
後継者たちは…、龍をめざす!

 

鯉は龍をめざす!
 

「超一流」という表現は、こうした芸術家に ふさわしいのかもしれません。

* * *

これから、日本でも、坂本さんの音楽や生涯の研究が行われ、評価はさらに高まっていくのだろうと思います。
私たちは、世界の音楽史に残るであろう 素晴らしい音楽の巨匠を目の当たりにし、同じ時代を歩んだのだろうと思います。

素晴らしい音楽作品と、時代の思い出を、たくさん残してくれた坂本龍一さんでした。

 

坂本さんの「エナジー(エネルギー)」は、きっと後世に受け継がれていくことでしょう。
♪エナジーフロー


最後に、この名曲を…

 

「シェルタリング・スカイ」とは、「暗い虚無の世界の向こう側にある、虚無から人を守ってくれる空」という意味です。

まさに、大きな「こいのぼり」たちが、登りめざす先にある、真っ青な大空…。

きっと、坂本さんは、今頃、その大空で待っています。
いつかまた、同じ空のもとで お会いしたい…。

坂本さんのピアノ演奏
♪シェルタリング・スカイ

 

オーケストラ演奏で…
♪シェルタリング・スカイ

 

2024.5.5 天乃みそ汁
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