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音路99.アメージング・ブラボー・ニッポン! 魔法のランプ!



今回のワールドカップで、日本チームが「グループリーグ」を見事に突破しましたね!
日本のいる「Eグループ」は、グループリーグの最終戦まで、4チームすべてに突破の可能性があるという大混戦でしたが、ここまでの日本チームの健闘を予想していませんでした。
まさかの Eグループ1位通過です。

グループリーグで、サッカー強国のドイツとスペインを倒すことなど想像もしていませんでした。
偶然の二勝などありません。
この攻撃力は、本ものですね。

日本にとって最難関とも思われたEグループを勝ち抜いたことと、日本サッカーが着実に成長・進化していることを実感できたことは、紛れもなく「アメージング(驚くほど、最高に素晴らしい)」だと感じます。

「ノックアウト・ステージ(全16チームでの決勝トーナメント)」での日本の次の相手は、クロアチアです。
過去に何度も日本の前に立ちふさがったチームで、前回大会の準優勝チームですね。
今も、モドリッチ選手(37歳)が中心のチームですが、4年前ほどの強さは感じません。
試合後半に、攻撃力が落ちます。
日本チームは、試合後半に向かうほど、攻撃力がぐいぐい増します。
相手の攻撃力が落ちる終盤に、日本が怒涛の攻撃を行なう戦法は、再び有効に機能するかも…。
これは、いける!

後ほど、日本チームのお話しを、さらに書きます。

* * *

さて、今回の大会ほど、ワールドカップが、本来のサッカーの国別対抗戦という戦いとは別の戦いが、鮮明に表にあらわれている大会はないのかもしれません。
このことも、紛れもなく、たいへんな驚きで、素晴らしいことだと感じます。
まさに アメージング!

サッカーというスポーツに興味がないという方でも、そうした社会的、政治的な側面に、少し目を向けると、ワールドカップの見え方が変わってくるかもしれませんよ。

急きょ、今回も連載「カエル コネクション(かえるとつながろう)」をお休みし、前回コラム「音路98.ワールドカップを語~る! 聴く! フォーカス!」に引き続き、ワールドカップ関連のことを、音楽とともに書いていきたいと思います。
ミュージシャン等の敬称は略させていただきます。

 

〔後日追記〕

ベスト16チームがそろい、決勝トーナメントが始まりました。

私の勝手な優勝候補…フランス、ブラジル、イングランドあたりか?

決勝は、フランスvsブラジルか?

私のイチオシ予想は、フランスの連覇!

相当な余力を感じる仏様!

日本は期待値でトップ!

 

各チームの主力選手の負傷や、年齢の高い選手の体力維持も気になります。

試合時の気温、VARの厳密なチェックも影響するのか?

とにかく、ここからが、生きるか死ぬかの一発勝負!

 

今回は、日本とモロッコの存在は絶対に侮れない!

この2国を甘くみたら、強豪でも やられる!

祝・アジア枠3チームのベスト16!

 

12月5日、日本は、クロアチアに惜敗。

今回も「ベスト8」の壁は乗り越えられませんでした。

次回コラムで、少し書きます。

 

とはいえ、当初のおおかたの予想をはるかに超えた立派な戦い方でした!

この言葉を捧げてもいいですか…いい~んです!

勇敢で見事な戦いに…

 

ブラボー・ニッポン!



◇映画「アラジン」

まずは、映画「アラジン」の この曲。

1992年(平成4)の米国アニメ映画「アラジン」の主題歌。
「魔法のランプ」の魔人ジーニーは、これまでの世界の「アラジン」のイメージを一新させましたね。
海外では、ジーニーの声はロビン・ウィリアムズ、日本では、声優の山寺宏一さんの名が、ジーニー人気とともに、とどろき渡りました。まさに魔法!
昭和の世代は、まさに、この「アラジン」曲!

ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベル
♪ア・ホール・ニュー・ワールド

 

2019年の米国映画「アラジン」から二曲…。
メナ・マスード&ナオミ・スコット‥俳優さんのお二人。
♪ア・ホール・ニュー・ワールド

 

♪私… 黙ってないわよ!
ナオミ・スコット
♪スピーチレス

 

この楽曲「スピーチレス」は、後ほど「サフラジェット(女性参政権)」のお話しの中で、別バージョンも…。

今回のワールドカップは、さまざまな人たちが、さまざまな場面で、黙ってはいませんね!
おしゃべりな「ジーニー」と同じ。


◇ワールドカップの変化

さて、私は、今回のワールドカップで、これまでの大会にはなかった驚きの出来事がいっぱいで、時代が大きく変わってきたことを実感しています。
サッカーのプレー以外で、驚いた点を、私なりに、9つだけ(番号付け)列挙してみます。

(1)初めて、中東イスラムの国で開催。
(2)初めて、冬の年末の時期に開催。(世界的なサッカーレギュラーシーズン中の開催)
(3)初めて、夜間を中心とした試合。
(4)今回大会のみ限定で、選手交代枠を3人から、ハーフタイムを含めない 都合3回 5人まで(延長では6人目可)に拡大。

これらのことは、中東という地域の気候の暑さを配慮したものですが、こうしたことは、日本躍進の後押しになった気がしないでもありません。
5人枠を、上手に使えた日本だったのかもしれませんね。

* * *

(5)サッカーボールの中にAI用チップが埋め込まれ、ピッチの周囲をコンピューターやセンサーで取り囲み、その組み合わせで、オフサイドや違反行為を徹底チェック!

ある試合で、選手の数センチの肩のオフサイドをAIが見つけたのには、驚きました。
おそらく、人間の目やビデオ判定だけでは、見つけられないと思います。

今回大会での、オフサイドや違反行為への、これだけ厳密なチェックシステムは、高度技能を持つ ストライカーやディフェンダ―ほど、相当に影響を受けるかもしれませんね。
オフサイドや違反ギリギリの高度プレーには、リスクがあるかも…。
ギリギリではない、何か別の手を考えないと…。
戦術にも大きく関わりますね。
対応できなかったチームは、負けていくのかも…。

 

今回のスペイン戦での日本の2得点目に関連した、ボールがラインを越えたかどうかについても、まさにVARシステムでなければ、まず判定されていないと思います。

ボールの接地面はラインの外でしたが、ボールの壁面がライン上にミリ単位で残っており、上方からの写真にはっきり映っていました。

凄過ぎて、たまげましたね!

(6)試合前の入場時に、各国チームが、ユニフォ―ム姿ではなく、各国の色をイメージした色に、今回の中東の味わいの模様をあしらった、長袖、前開きのジャージ上着を着用。

世界の先進主要国が冬の時期の開催というビジネス的理由と、会場によっては相当にエアコンを効かせるている影響かもしれません。
ですが、個人的には、このジャージ上着を相当に欲しいです。
ユニフォ―ムと同じレプリカのシャツは、普段使いは難しいですが、このジャージなら、普段使いにも、気兼ねなく使えそうです。
デザインも、老若男女にピッタリです。
買いたいな~! ビジネスもワールドカップ級!

蛙好きの私としては、サウジアラビアの、深い緑色のユニフォ―ムは興味津々!


◇サフラジェット・カップ! 世界のヤマシタ!

(7)審判員に、初めて女性6名が登用。日本人女性の山下良美さんもそのひとり。

今回の男性のワールドカップにおいて、全129名(主審36、副審69、VAR担当24)の審判員の中に、歴史上初めて、女性審判員6名が登用されました。
129名中の6名ですから、まだ全体の5%弱ですが、間違いなくパイオニア(先駆者)ですね。

審判員は大会期間中に、何試合も審判を務めます。
女性6名の中で、山下良美さん(日本)、フラパールさん(フランス)、サリマさん(ルワンダ)の3名が主審を務めるそうです。
他に、アメリカ、ブラジル、メキシコの3名の女性副審がいます。
いってみれば、各地域から代表者がひとりずつ。
アジア・オセアニア代表の女性審判員の山下さんです。
いずれは、イングランド、ドイツ、イタリア、スペインあたりからも選出されてくるのは間違いないでしょう。

* * *

「世界のヤマシタ」がここにも、いました!
「世界のヤマシタ」といえば、かつては、昭和の大柔道家の山下泰裕さんでしたね。
今は、カタールW杯の 山下良美 審判!

山下さんは、これまでに、女性ワールドカップや東京五輪で審判員をされています。
今回は男性の大会での審判員です。
今大会の日本人唯一の審判員でもあります。

山下さんをはじめ、女性審判員の方々は、腕や足の肌をさらし、髪の毛を見えるようにしています。
イスラムの世界では、到底 考えられないことですね。
この起用は、FIFAとカタールの間でも、相当に交渉が行なわれたことでしょう。
私の想像ですが、FIFAは今回、通常の姿での女性審判員の起用を、絶対に譲らなかった気がします。
過去にワールドカップ本戦に出場したことのないカタール…、何かの交換条件があったか?

私は、通常の姿での女性審判員の登場は、歴史的な出来事だと思います。

* * *

ここで、デヴィッド・ボウイの1972年(昭和47)のヒット曲「サフラジェット・シティ(suffragette city)」を…。
直訳すれば、「女性参政権運動の街」。

50年経って、今、聴いても、奮い立たせてくれる曲!
冒頭の強烈なエレキギター音に しびれる~!
これぞ、ザ・グラムロック!
こんなロックな雰囲気やドライブ感は、他の音楽ジャンルでは、なかなか作れない!
やっぱりボウイは、「カッコつけ」の王者!

♪Hey man(ヘイ・メ~ン)で、ボウイと「かけ合い」を楽しんで!
♪サフラジェット・シティ

 

下記映像は、1990年の日本でのライブ。
英国の元サッカー選手のベッカムじゃありませんよ!
♪サフラジェット・シティ

 

 

いずれにしても、男性主体のワールドカップでの、女性初の審判員の中に、日本人女性がいるとは、まさに誇るべきことですね。
山下さんの凛々しい姿には、感動しました。

世界をまたにかけた経済専門誌フォーブスは、日本法人独自に、山下さんを表彰しましたね。
国際感覚とは、こうしたことです。

個人的には、日本政府も、彼女の歴史的な栄誉を称賛してほしいと思っています。
大きな選挙を前にした女性政治家たち、政治評論家たち、中央省庁の役人たちは、なぜ黙っている?

♪私たち… 黙ってないわよ!
♪スピーチレス

 


◇「魔法のランプ」はどこ?

さて、山下さんのような凛々しい姿といえば、彼らも…

(8)初めて、開会式に動物(ラクダ)が登場。

開会式での、あの「のんき」な顔にはちょっと笑いましたが、おとなしくしていましたね。
アラブ世界では、人間と同じくらい大切な大切な「ラクダ」です。
このシーンは、とても印象的でした。
まさに、アラビアン・ワールドカップ!

「動物参政権」も実現した!?

* * *

「アラジン」とは、もちろん中東・北アフリカ・中国などが登場する「アラジンと魔法のランプ」の主人公のアラビアの男性です。
「アラジン」「アラー」などの名の使用は、中東アラブの世界では配慮も必要ですね。

デヴィッド・ボウイ(1973年)
♪アラジン・セイン

 

この楽曲「アラジン・セイン(Aladdin Sane)」のタイトルは、直訳では「正気のアラジン」ですが、本来は「a Lad Insane(狂気の若者)」です。
1913年の第一次世界大戦の前夜、1938年の第二次世界大戦の前夜に、兵士である若者たちが、狂気の戦場に身を置かなればならない苦しみを歌った楽曲です。
「sake(酒)」という日本語も登場する楽曲。
若者は狂気に飲み込まれていく… アラジンセインを愛しているのは誰? 誰がアラジンセインを愛してあげられる?

今の時代も、この楽曲とそうは違わない…、「魔法のランプ」は、いったい どこ?


◇ One Love

(9)「ワンラブ(One Love)」の大きな影響。

今回のワールドカップでは、性差別反対運動の象徴である「ワンラブ(One Love)腕章」が大きな影響を与えていますね。
レインボーカラーの模様は、その運動を象徴するものになっています。
人間の「性的指向(恋愛・性愛の対象を示す概念)」について、ワールドカップの運営母体「FIFA(フィファ)」は寛容な姿勢を示しています。

個人的には、今回のワールドカップで使用されているアディダス社製の公式サッカーボール「アル・リフラ(アラビア語で「旅」の意味)」のデザインに、砂漠や海、太陽だけでなく、何となくレインボーカラーを感じなくもありません。
各国選手たちの姿の随所に、それとなく、レインボーがあしらわれていることがわかりますね。

* * *

一方、イスラムの国々では、「同性愛」を法律で禁止しています。
ですが、今回のカタールは、選手であっても、スタッフであっても、各国からの観客であっても、そうした方々の入国を認めています。

今回のワールドカップでは、「LGBTQコミュニティ」や「性的マイノリティ」への連帯の意思表示と、イスラム世界への抗議のため、イングランド、ウェールズ、オランダ、ドイツ、ベルギー、デンマーク、スイスの7チームのキャプテンが、レインボーカラーに「ワンラブ」と記された腕章を付けることになっていましたが、FIFAが、大会中に7チームがそれを行なった場合に、制裁(イエローカード処置)を行なうと、開催直前に発表したため、この腕章の着用は実現しませんでした。

日本戦の前に、ドイツチームの先発メンバー全員が、写真撮影の際、手でクチを覆っていたのは、無言の抗議であり、腕章の代わりに、シューズ(靴)にレインボーカラーをあしらっていたのは、そのためです。

欧州のサッカー主要国の一部は、「ワンラブ運動」に絡んで、FIFAからの脱退も ちらつかせていますね。
まさか、ここにきてサッカー界の世界の覇権争いにまで発展しそうな勢いです。
もしFIFAが、欧州の南北の二大勢力に分裂したら、日本はどちら側に…?

世界の各スポーツ界は、それぞれの国が覇権をにぎっていますが、日本は、柔道、空手、相撲、フィギアの覇権を…。

* * *

デヴィッド・ボウイの1972年(昭和47)の曲です。
「レディー(女性)」の彼のことを歌った歌詞内容です。
ボウイが、ある実在の恐竜のような超有名ロックスターのことを歌ったともいわれています。
そのロックスターは若くして事故死しましたが、ボウイは彼の息子たちを援助したと聞いています。

♪レディー・スターダスト

 

* * *

もし、あのワンラブ腕章が容認されていた場合、大会中止、テロの発生、最悪は戦争に発展する可能性も考えられました。
他にも、「女性の権利」「人権問題」「過重労働」など、西欧と中東の間には、多くの問題が横たわっていますね。
おまけに、この時期に、イランと中国では、一部の民衆が政権に抗議の声を…。

今回の8つの会場のスタジアム建設では、相当な数の外国人労働者が過酷な労働で亡くなりましたが、ちょっとやそっとの人数ではありませんね。
カタールの住民の9割は、アフリカやアジアからの出稼ぎ労働者であり、大半のスタジアムの建設を行なったのは、あの国です。

欧州諸国は、多くの犠牲の上に成り立っている「ワールドカップ」を良く思っていません。
今、各国の「ワールドカップ・パブリック・ビューイング(屋外で大勢が集まってのモニター観戦)」の中止が相次いでいます。
もちろん、前述のさまざまな問題に対する強い抗議です。
サッカー・ワールドカップに熱狂する人たちは、決して黙って見過ごすようなタイプではないことを忘れてはいけませんね。
もし「決勝トーナメント」中に何か起きたら、世界的な大騒動に発展するかもしれません。
まだまだ心配はつきません。


◇ランプの煙

1971年(昭和46)に英国保護領から独立したカタールは、今も米軍に守られ、湾岸戦争やイラク戦争で、西側についた国です。
隣国の大国サウジアラビアとは協力関係にありますが、カタールは、中東における、西側の最前線軍事基地ともいえる国ですね。
カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」は、独自に、中東情報を西側に送る大きな役割を果たしています。
あまりにも大きく、根深い、世界的な問題が横たわる中、これほど微妙な場所で、ワールドカップが開催されています。
スポーツ界というだけでなく、西側からの、ひとつの大きな挑戦のようにも感じます。

世界で起きている さまざまな問題に、日本はあまり関心を持っていないようにも感じますが、数年以内には、大きな波として日本にも やって来るのは間違いないでしょうね。

ワールドカップでは、過去に、負けた国の選手が、危険を知りながらも、あえて帰国し、敗戦に怒った者たちに殺害された事件も起きました。
政情不安のある国での開催では、開催期間中に、その国内で、テロが当たり前のように起きます。
私は、今回大会が無事に終了することを、強く願わずにはおられません。

* * *

世界は、「ワン・ワールド(One World:ひとつの世界)」、「ワン・アース(ひとつの地球)」には、ほど遠い気がします。
世界は、国ごと、民族ごとに、理想が異なります。
国ごとに、「魔法のランプ」に願うことが、まったく異なります。

「魔法のランプ」のクチに、「ワンラブ(One Love)」の灯火(ともしび)を灯すことはできるでしょうか?
世界が共通に持てる「ランプ」は、どこかにあるのか?

そうした中で、日本の選手たちや応援団が、ロッカールームや観客席をきれいに清掃して帰る姿は、小さな灯火として、何かをしっかり世界に伝えてくれていると感じます。
もはや日本国内でも、「日本人なら当たり前」という行為ではなく、しっかり意識していなければ、消えていくような事柄かもしれません。
実は、日本は、さまざまな問題に関心を持っていないのではなく、ランプの煙のように、やさしく、さりげない…。


◇ 存在感!?

それから、今回 驚かされたのが、ワールドカップ本大会には出場したことのない中国の存在の大きさ。
中国企業の広告の多さにも驚きました。
漢字をしっかり読めるのは、中国人と日本人くらいですが、あの漢字の逆向きは、あえて行なったものでしょう。
案の定、日本のテレビ局は食いつかされた? あえて食いついた?
中国にも炎上商法がありました。

カタールのスタジアムの大半は、中国がつくったようです。
次回のアメリカ・カナダ・メキシコ三ヵ国開催の大会は、出場が32チームから48チームに激増します。
アジアは4枠増。
そろそろ中国チームの本大会出場となるのか…?
ワールドカップ本大会に参加する資格はあるのか…?
前述の諸問題を含め、世界は しっかり見ています。

* * *

もうひとつ、日本での出来事ですが、「ABEMA TV(アベマ ティービー)」が示した大きな存在感です。
全試合を無料放送し、視聴者が好きなカメラアングルで見ることもできます。
ネットならではのチカラで、テレビのデータ放送では到底できない、大きな強みを発揮しています。

テレビ中継放送は、全試合の中のほんの数試合ですので、私も、普段はそれを利用しませんが、今回は相当に利用しています。
まさに、「アベマ様様(さまさま)」です。

本ブログ「アメーバブログ」を運営するサイバーエージェントと、テレビ朝日により つくられた「ABEMA TV(アベマ TV)」は、インターネット社会における未来型の多チャンネル・テレビ視聴のシステムですが、近い将来、このかたちがテレビ視聴の本流になるのだろうと思います。
NHKも、着実にその方向に向かっていますね。

ワールドカップやオリンピックのような世界大会のすべての中継に対応することは、もはやテレビ放送では無理だと感じます。
今回も世界の半分以上の人は、ネットを通じて視聴しているのだろうと思います。

ワールドカップの世界のテレビ観戦者数は、一説には世界人口の半分を超えます。
オリンピックとは比べものになりません。
世界最大のスポーツの祭典は、間違いなく「ワールドカップ」です。

ルールなど知らなくとも、みんなで共有できるスポーツ…それがサッカーであり、国別対抗戦のワールドカップですね。
幼な子でさえ、ボールを追いかける人の姿を見て、手を叩くのがサッカーです。
今後ますます、サッカーファンが増大するのは間違いないでしょうね。

それにしても、同じ系列の弟分の「ABEMA (アベマ)」に比べ、お兄さんの「AMEBA(アメーバ)」は、ちょっと ひかえめ…かな?


◇ブラボー・ニッポン!

今回の日本代表チームの活躍は、世界の多くの人が驚きましたね。
サッカー大国の二か国である ドイツとスペインを倒したのです。

スペインチームの監督のルイス・エンリケは、スペイン代表のスター選手だった人物で、後に強豪チーム「FCバルセロナ」の監督になり、メッシ、ネイマール、スアレスなどの選手を擁し、数々の栄冠を手にし、その後にスペイン代表チームの監督になった、監督の中の監督のような、スター監督です。
個人的には、日本代表チームが、「FCバルセロナ」を倒した気にもなってしまいました。少し違うか…。

今回の日本チームの森保(もりやす)監督は、グループリーグの三戦で、すべて異なる巧みな戦術を使い、エンリケ監督にも負けない戦術家のようにも感じます。
両監督の戦術対決は、森保監督に軍配が上がりました。

これまでの日本チームの監督は、ある時期から、欧州や南米から招へいし、各指揮官のもと、さまざまなスタイルがとられてきました。
近年やっと、「日本チームには日本人監督」という路線が定着してきた気がします。
日本サッカー界は、日本人エース監督をしっかり育ててきた印象があります。

今回のワールドカップでは、欧州型でもない、南米型でもない、アフリカ型でもない、日本型(アジア型)のスタイルの可能性を強く感じます。
試合前半を耐え抜いて、後半に爆発的に攻撃するスタイルは、あまり記憶にありません。
今大会の交代枠5人までのルール(ハーフタイムを含めない 都合3回 5人まで可。延長では6人目可)を、フル活用した気がします。

日本サッカー界は、「2050年までにワールドカップで優勝する」という大目標がありますね。
着実に歩みを進めていることを今回 実感しました。

* * *

試合の戦術については、皆さまもそれぞれに思いがあると思います。
今回の日本チームは、ドイツ戦の歴史的勝利、コスタリカ戦の惜しい敗戦、スペイン戦の歴史的勝利。
どの戦いも、予想以上の白熱の戦いだったと感じます。

個人的には、「日本チームはこれほど強かったのか」という驚きです。
ドイツとスペインは、試合後半の日本チームの攻撃力に、面食らって対応できていない様子でしたね。
日本の戦術を見誤ったのか、甘く見ていたのかもしれません。
コスタリカは、日本の攻撃力を恐れて、ガチガチに守ってきました。逆に、日本が面食らった?
まさに、アメージング・ニッポン!

長友選手の言葉「ブラボー!(素晴らしい)」…これから流行するかも!
ブラボー・ニッポン!


◇侍マジック! 忍者マジック!

世の中には、スポーツに限らず、ビジネスでも、私生活でも、目標や勝利の方向に着実に向かっていくマクロ戦略というものがありますね。
マクロ戦略のもとに、細分化したミクロ戦術や心理戦術、細かい技術的な作戦がありますね。
今回の日本チームには、これまであまり感じなかった、着実にある方向に向かう意志を持ったマクロ戦略を強く感じました。

サッカーには「ジャイアント・キリング」という言葉表現がありますが、これは弱者チームが強者チームを、予想外に倒すケースで使われますね。
日本語での表現では「大物食い」「番狂わせ」などともいいます。
「ジャイアント・キリング」は偶然には起きませんね。
必ず さまざまな要因があり、何らかの戦略や戦術があったりします。
試合では、相手の戦略戦術を読み間違えると、もはや劣勢を跳ね返すのは容易ではありませんね。

今のワールドカップは、スター選手の力量や自国チームの良さを発揮するだけで勝てるレベルではなくなりました。
各国が、他国にはない独自の新しいマクロ戦略やミクロ戦術を、次々に生み出しています。
あの国がこうやるのなら、俺たちは これで はね返す!

かつてのワールドカップで見られたような、欧州や南米の強豪チームと、アフリカやアジアの弱小チームという構図は、今は ほぼないといえると思います。
ワールドカップでの各チーム間の強弱の幅は、確実に狭まっている気がします。
グループリーグの2戦目で、決勝トーナメント進出を決めたチームが2チームしかいなかったのは、それを示していますね。

日本サッカーは、マクロでも、ミクロでも、戦略戦術を使いこなすところまで駆け上がってきたのかもしれません。
頭脳合戦・組織戦術なら、日本人の得意とするところ!

* * *

今回のドイツ戦の後半は、「侍(サムライ)」というよりも、変幻自在、予測不可能な、まるで最強忍者を次々に繰り出す「忍者マジック」のよう…、強豪国チームにも引けを取らない、見事な戦術だったと感じました。
スペイン戦では、森保采配が、エンリケ采配を上回ったと感じました。

日本チームは、試合後半にいくほど、強さを増す!
今回の大会で、このような戦い方をするチームは、他にいない気がします。
この「強さ、たくましさ」は、観戦する すべての日本人にしっかり伝わっただろうと思います。

日本チームは、この勢いで、ベスト8、ベスト4へと突き進んでほしいと思います。
日本が「本気で狙える」ことを実感する大会です。
戦術のニッポン! 奇策のニッポン! 忍者ブルー!

やはり、デヴィッド・ボウイは歌っています…
♪チャンスを逃すな、ものにしろ!
次代のスタープレーヤー、スターマンたちへ…

 

♪スターマン

 


◇ワールドカップは、「にわか」に支えられている

さて 先日、アメーバブログで、ある主婦の方のサッカー記事を読みました。
その記事には、ご自身を次にように表現してあり、あまりの面白さにひっくり返りました。
その表現は、「(私は)筋金入りの、にわかファンです」。
そうか…、「にわか」にも筋金入りがいるのか!
言葉の表現力の面白さに感動しました。
アメブロ記事

おそらくは同じような日本人が相当にいることでしょう。
4年に一度やって来る、大応援団のように感じます。
私は、それでいいのだろうと感じます。

世界のどこの国にもいる、世界最強の最大規模の応援団こそが、「にわか」ですね。

ワールドカップに限らず、世界は、ごく一部の人が先導するかもしれませんが、実は、圧倒的な数の「にわか」たちが動かしている… これは紛れもない事実だと思います。

「ワールドカップ」は、世界の「にわか」たちに支えられている… あらためて気がつきました。
だからこそ、世界最大の祭典なのですね。

胸を張って叫びましょう!
私、筋金入りの にわか よ!


◇スポーツのチカラ

サッカーだけではありませんが、チームスポーツでも、単独スポーツでも、格闘技でも、世界トップクラスのスポーツのさまざまな戦い方は、世の中のビジネス、政治、軍事、教育、医療など、多くの分野の手法にも取り入れられていますね。
もちろん私生活や生き方にも活かされています。

スポーツの現場で成功する戦術は、たいてい前述の他の分野や現場でも応用できますね。
スポーツの現場は、ある意味、お試しの場でもあります。

多くの企業の社長たちは、サッカーを見ながら、自身の会社の戦略に活かせるものを探していたりもしています。
企業入社の面接などで、スポーツの質問がされたら、確実に何かの意図がありますね。

一方、スポーツの現場では、囲碁や将棋、チェスなどのテーブルゲームの戦術の中から、新しい戦術を見つけようとしますね。

戦国時代の織田信長も、過去の戦争の歴史書の研究はもちろん、囲碁や将棋で新しい戦術研究を相当に行ないました。
とにかく勉強家の信長でしたね。
格闘技である相撲を家臣たちに見せ、おそらくは その時に、肉弾戦としての格闘技術とともに、戦いの理論、人間の心理と行動なども説明したものと思います。
そして、信長は、試作の戦術の実地訓練とシミュレーションを秘密裏に行なう広大な場所をつくり、徹底的に戦闘シミュレーション(土木工事シミュレーション含む)を行なっています。
「桶狭間の戦い」は、事前に相当に何度も訓練したはず…。
その訓練の中で、特殊能力を持った兵を、家柄に関係なく見つけ出し、前例のない容姿の特別攻撃隊を組織し、特殊戦闘行動を試しています。
甲州の武田氏の騎馬軍団は、戦国時代最強の騎馬軍団といわれますが、武田信玄は、信長のその噂を聞きつけ、相当に織田軍を気にしていましたね。

信長は、文献での学習、テーブルゲームの囲碁・将棋での戦術研究、スポーツを見ることでの実戦研究と指導、土木研究開発を兼ねた軍団でのシミュレーション実地訓練を経て、実際に戦える最強軍団を作っていきました。

大谷翔平 選手、藤井聡太 棋士…、信長と同じように見えますね。
スポーツが世の中に与える影響は、はかり知れません。

* * *

先般行なわれた、米国野球「メジャーリーグ」のポストシーズンとワールドシリーズの試合での、これまでの「野球の概念」を変えるような戦術にも驚愕しました。
ほかにも、大谷翔平選手は、なぜ、こんな投球術を生み出せたのか?
ヤンキースのジャッジ選手は、なぜ急に、ひとりだけ、あれだけホームラン数を伸ばしたのか?
来期は、他の多くの選手が、この二人と同じことをトライしてくるでしょう。
来季のメジャーリーグは、大幅なルール変更も行なう予定ですね。
サッカーと同様に、野球も 大きく進化していく途中です。

スポーツは、常に変化し、進化しますね。
新しいアイデアが、次々に生まれてきます。
まさに、スポーツの世界は「アメージング(驚くほど、最高に素晴らしい)」の連続!

日本のスポーツ界も、スポーツ選手も、置いていかれることなく、着実に進化していってほしいですね。
私たち日本人も、日本社会も、先行する世界から置いていかれないように、進化していきたいものです。

2050年までの日本チームのワ―ルドカップ優勝…、案外、もっと早いのかも…。
私は見られるだろうか…。
私も、人生ゲームの最後まで、勇気を持って進化し続けたい!
終盤に向かうほど、攻撃力を増しながら…!

* * *

「ワールドカップ」は、世代を超えて、人間の本来の姿や理想、方向性を示すものであり続けてほしいと思います。

サッカーの戦い方や試合内容だけでなく、ワールドカップの運営自体も、さらに世界の社会全体も、これまで見たことのない新しい世界「ア・ホール・ニュー・ワールド」へと突き進んでいることが、ワールドカップを見ていて実感します。

2019年の映画「アラジン」より
ゼイン&ジャヴァイア・ワード
♪ア・ホール・ニュー・ワールド

 


◇アメージング・ソング

ここからは、「アメージング(驚くほど、最高に素晴らしい)」の洋楽を…。

英語にも、「素晴らしさ」を表現する、たくさんの言葉がありますね。
「素晴らしさ」を称える表現も、度合いも、さまざまにありますね。

amazing、awesome、brilliant、excellent、fantastic、wonderful、superb、cool、sick、mad、wicked、delightful、brilliant、incredible、miraculous、marvelous、magnificent、extraordinary…

中でも「アメージング(Amazing)」は、最上級の驚きと称賛の気持ちを表現する言葉ですね。
洋楽曲の中にも、たくさん登場する「アメージング」という言葉です。

ローンスター
♪アメーズド

 

ボーイズ Ⅱ メン
♪ソー・アメージング

 

ルーサー・バンドロス
♪ソー・アメージング

 

レックス・オレンジ・カウンティ
♪アメージング

 

フィリップ・ウィッカム
♪ディス・イズ・アメージング・グレース

 

* * *

もともと「amaze(驚く・驚愕する・目を見張る・舌を巻く)」は、古い英語表現の「a maisian」からの派生だそうです。
人名ではありません。ご興味のある方は、どうぞ深堀りを…。

「amazing」は、「驚愕」だけでなく、「素晴らしさ」など、もっと広い意味合いや対象を含んでいますね。
これから、さらに広い使われ方になっていくのかも…。

いずれにしても、自身が感じた「おどろき」の対象が、「あまりの素晴らしさ」であったり、「最高の感動」であったりもしますね。

ビートルズのメンバーだった ポール・マッカートニーが、1998年に病気で亡くなった前妻リンダさんのことを歌った歌があります。
リンダさんは、もともとロックスター専門のカメラマンでしたが、ビートルズの後半期からポールとともにおり、後に いっしょに音楽活動を行ないました。

「♪たぶん… 僕は、僕を救ってくれた あなたの素晴らしさと愛に、驚き、感動し、感謝しているよ。君は僕にとって、なくてはならない存在」…そんな歌です。

たぶん、今回の日本代表チームに、世界は、アメイズド!
驚愕、感動、感謝…。
日本に なくてはならない存在!

ポール・マッカートニー
♪メイビー・アイム・アメイズド

 


◇アメージング・グレース

「アメージング」と耳にして、この洋楽曲をすぐに頭に浮かべた方も少なくないと思います。

有名な楽曲「アメージング・グレース(アメイジング・グレイス / Amazing Grace)」です。

英国のキリスト教の牧師ジョン・ニュートン (1725–1807)が作詞した賛美歌です。
彼の奇跡の体験や、過去への懺悔の思い、キリスト教への思いが表現された歌詞といわれていますね。

時に、魂の救い…、心の支え…、深い祈り…、抵抗の象徴…、となっている楽曲です。
「アメージング・グレース」とは、直訳すれば、「最高に素晴らしい、神様からのお恵み」とでも表現できるでしょうか…。

1772年に、伝統的なメロディに、賛美歌としての歌詞が付けられました。
作曲者は わかっていませんが、古くからある英国の伝統のメロディや、アメリカで生まれたという説がありますね。

ジュディ・コリンズ
♪アメージング・グレース

 

リベラ
♪アメージング・グレース

 

イル・ディーボ
♪アメージング・グレース

 

アンドレ・リュウ
♪アメージング・グレース

 

* * *

今回のドイツ戦の後、日本チームの長友選手がこう言いました。
「ドーハの奇跡」。

「奇跡」は、実現することのない、架空・絵空事の事象では使用しない言葉ですね。
1パーセントでも可能性のある事象に使います。

「奇跡」は、人間が実現させること。
でも、それは、彼が言うように、それに向かって努力したものにだけ与えられる「必然」なのかもしれません。

ドイツ戦に続き、スペイン戦も勝利。
もはや「奇跡」とはいえません。
必然の勝利です。

* * *

「アメージング」は、偶然に目にすることはできますが、自身の手でつかむことは、簡単にはできないものかもしれませんね。
せめて、「アメージング・ソング」を聴いて、今回の日本チームの「アメージング」に、しばらく浸っていたいと思います。

勝者でも、敗者でも、涙を流す男たちの表情は、私たちを感動させます。

感謝します… あなたがたのアメージングに。
サムライ・ブルーの戦いは、尊い。

世界のすべての戦うものたちへ…
♪アメージング・グレース

 

2022.12.2 天乃みそ汁
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