ホイットニー・ヒューストン、マライア・キャリー、ボブ・ディラン、シェール、ジャーニー、ダン・フォーゲルバーグ、アンドレア・ボチェッリ、キャサリン・ジェンキンス、オリビア・ニュートン・ジョン、ドゥービー・ブラザーズ、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース、モンキーズ、ケニー・ロジャース、アッシャー、フォー・トップス、glee(グリー)、「信じる」名曲たち、赤ちゃんの寝言、ロック、洋楽。

 

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音路(53) 信じてもいいですか?【2】

ビリーヴの曲を信じてる



◇信じるチカラ

前回コラム「音路(52)信じてもいいですか?【1】青いスーパーと 赤いグレイテスト」に引き続き、続編です。
今回と次回では、「Believe〔ビリーヴ〕」(信じる)という言葉が楽曲タイトルの中に入っている洋楽曲を、思い出してみたいと思います。

タイトルに「Believe〔ビリーヴ〕」の文字が入っていなくても、歌詞の中にその意味が強く含まれている楽曲も相当な数でありますが、今回は含めませんでした。
邦楽曲も膨大な数がありますが、また別の機会に…。

全部で、30曲ほどを選んでみましたので、今回と次回で半分に分けて、ご紹介したいと思います。
ですから「信じてもいいですか」の連載は、一応、三回を予定しています。

* * *

さて、人間にはさまざまなパワーが備わっていますね。
「愛する」、「やさしくする」、「慈しむ」、「がんばる」、「耐える」、「我慢する」、「考える」…などなど、さまざまなパワーや能力を備えています。
鍛錬して身につけていくもの、生まれながらに持っているもの、年齢とともに備わっていくもの…など、さまざまなかたちがあります。
その中のひとつが「信じる」ですね。

子が親を信じる、夫婦がお互いを信じる、生徒が先生を信じる、民衆がリーダーを信じる、人が神を信じる…、さまざまな「信じる」がありますね。
それに合わせるように、世の中の音楽にも、さまざまな「信じる」をテーマにした、膨大な数の楽曲が存在します。

音楽を通じて、自身の知らなかった「信じる」に触れることもあります。
そんな「信じ方」があるのか…、こうすれば「信じてもらえる」のか…、「信じる」ことはうれしい、楽しい、ありがたい…、「信じる」と人生が充実してくる…など、いろいろなことを私たちに教えてくれますね。

時には、「過度に信じすぎる」ことの危険性や、人間どうしが「信じあうこと」の大切さも教えてくれますね。

* * *

「信じる」という人間の持つ能力は、あまりにも身近で、自然で、人生にも直結するテーマなので、音楽家たちにも、たいへんな刺激を与えるのだと思います。
「Believe〔ビリーヴ〕(信じる)」が、歌詞のテーマであったり、タイトルであったりする楽曲は膨大な数でありますね。
そんな大切なテーマですから、感動的な名曲もたくさん存在します。
「Believe〔ビリーヴ〕」の文字がタイトルに入った楽曲に名曲が多いのも、よくわかる気がしますね。

昔から、膨大な数のビリーヴの洋楽の名曲がありますが、その中から少しだけ、思い出した、私の好きな新旧の「ビリーヴ」タイトル曲をご紹介したいと思います。


◇そろそろ信じてよ…

洋楽ファンの方々でしたら、「ビリーヴ」のタイトル曲と聞いて、まず頭に思い浮かべる方が多い楽曲かもしれません。
シェールの、1998年の大ヒット曲です。

♪あなた、私をふって後悔しない…
♪あなたには私がいないとダメなんじゃないの…
♪あなたは恋人なしの人生なんて耐えられないんじゃないの…

そんな歌詞内容の曲。
いろいろな意味の「ビリーヴ」が描かれた、世界中の多くの女性が共感した楽曲ですね。

♪ビリーヴ

 


◇信じるところから始めましょ

♪かつての私は、希望なんて信じていなかった…
♪でも今は、信じるところから希望が生まれてくることを知っている…
♪信じていると、希望が見えたり、奇跡が起きたりする…
♪奇跡は叶うわ…

そんな歌詞内容の曲。
ホイットニー・ヒューストンとマライア・キャリーによる、1998年の奇跡の共演。

♪ホエン・ユー・ビリーヴ

 


◇信頼を失っても、愛は嘘じゃないよ

♪人生は「やさしさ」ばかりではない…
♪信頼がなくなっても、愛は偽りではない…
♪あなたが私を信じてくれる日を待ちつづける…
♪私は歌いつづけるよ…

たぶん、そんな内容の曲。
例によって、彼のまわりくどい難解な歌詞です。
でも、心に響く、ダン・フォーゲルバーグの1983年の曲。

♪ビリーヴ・イン・ミー

 


◇すさんだ心にも、光はあたる! 信じ続けよう!

ロックバンド「ジャーニー」の1981年のヒット曲。

♪信じる気持ちを失うな… ストリートライツ・ピープルたち!

当時、「ストリートライツ・ピープル(街の街頭の下で暮らすような人たち)」のような気持ちの私にも、何か希望の灯りを感じた曲でした。

♪ドント・ストップ・ビリーヴィン

 

* * *

上記のジャーニーの曲が、glee(グリー)たちの手で大復活!
2009年に始まった米国のテレビドラマ「glee(グリー)」は、世界中に「グリー(合唱)」の大ブームをつくりましたね。
日本でも大流行!
お勉強好きの真面目系なのに、グループで歌って踊る若者たちが急増しましたね。
昭和のベテラン世代には、男女混合の「グリークラブ」といったほうが、わかりやすいかも…。
時代とともに「glee」の意味合いが、どんどん広がりましたね。

このドラマは、高校生たちの合唱部の青春ドラマというより、まさに音楽ドラマで、往年の名曲たちが、若者世代の手で次々に復活していきました。
私も「シーズン1」を、全回 見てしまった。

最終回でのシーン…
♪ドント・ストップ・ビリーヴィン

 


◇よくわかんねえけど、信じていいかな…

ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの1982年の大ヒット曲!
特に、日本人好みの爽快サウンド!

愛って信じていい「しろもの」ですか?
よくわかんねえけど、俺はお前の写真をずっと見つめて、ニヤニヤ…
そのうち愛をわかるよ…、そんな青春ど真ん中ソング!

♪ドゥ・ユー・ビリーヴ・イン・ラヴ

 


◇信じるものは世界にいる…

2000年生まれの米国歌手ジャッキー・エヴァンコの、2011年(当時11歳)の歌唱映像です。
今、聴いても、11歳とは…。

♪トゥ・ビリーヴ

 

* * *

イタリアの盲目の名テノール歌手のアンドレア・ボチェッリと、英国のメゾソプラノ歌手のキャサリン・ジェンキンスによる2009年の名歌唱です。
この曲はもともと、映画「中国の植物学者の娘たち」のサントラ楽曲です。
「私は世界を信じています」という歌詞が加えられ、名曲が生まれました。

♪アイ・ビリーヴ

 

* * *

こちらは、音楽映像「アフリカン・クレド」の中の「アイ・ビリーヴ」です。
「クレド」という言葉は、広い意味でさまざまに使われますが、「意思・約束・信条」など、信じること、信用に足ることなどの意味を含んでいますね。
音楽分野の「ミサ曲」の中にも「クレド」という構成要素がありますね。
同じような意味あいだと思います。

私は、このナイジェリアの合唱団のことを知りませんが、アフリカの底知れぬ「音楽パワー」を感じます。

♪アイ・ビリーヴ

 


◇信じてばかりでは…

ここからは少しだけ、60~70年代の楽曲を…

「デイドリーム・ビリーヴァー」は、日本的な言い方でタイトルを訳しますと、「白日夢を信じる者たち…」「夢見心地の若者たち…」といったところでしょうか?
この歌には、夢見心地(まだまだ未熟)な青年と、かつての学園の「クィーン」の女性のカップルが登場します。

♪(恋の歌を奏でる)青い鳥たちの翼の下に、まだまだ隠れていたいよ…
♪目覚まし時計なんて鳴らなきゃいいのに…

ようするに、まだまだ大人になりたくない若者たちですね。

♪(恋人に向かって)あなたは、僕のことを「白馬に乗った王子様」って言ってくれたよね…
♪僕たちには、お金なんて必要なかった…
♪でも、今は、いくらくらいのお金が必要なの…
♪僕たちは、白日夢を信じるのを、そろそろ卒業して、しっかりしなくちゃね…

歌詞の個人的な解釈ですが、たぶん、そんなような歌詞内容の曲…。
人間は、信じるものが、少しずつ変わっていきますね。
まだまだ若いカップルの、不安だけど、前向きな雰囲気を感じる、時代を超えた「愛され曲」ですね。
モンキーズの、1967年の大ヒット曲。

♪デイドリーム・ビリーヴァー

 


◇信じることをやめないで…、私のこともね…

先ほど、ジャーニーの「ドント・ストップ・ビリーヴィン」を紹介しましたが、70年代音楽世代の方なら、こちらの同名タイトル曲のほうでしょうか。
その美貌で、世界中の男性をとりこにした、オリビア・ニュートン・ジョンのヒット曲ですね。

下記の映像の中の彼女の姿が、いかに70年代から80年代にかけての日本の女性アイドルのつくり方に影響したか、よくわかる気がしますね。
髪型、衣装、表情、仕草、歌う雰囲気…、まさに絵に描いたようなアイドルです。

当時から、時代を経るごとに、音楽性、イメージ像などを、多様に変化させながら、長く歌い続けてきた彼女です。
病気から回復して、まだまだ、ベテランのアイドルぶりを見せてほしいものです。
アイドルは、努力次第で生涯アイドルでいられる気もしますね。

* * *

この楽曲の歌詞内容は、ある幸運で栄光をつかんだ男性が、少し暗雲がたちこめ始め、その男性を追いかける、ある女性から、その彼への言葉です。

♪幸運が、いつまでも続くなんて思っていなかったでしょうね…
♪(あなたの努力ではなく)夢のほうが、あなたに寄ってきていたのよ…
♪あなたの幸運な栄光はいつかは…
♪でも心配しないで…
♪信じることをやめないで…
♪私は、あなたのことをよく知ってるの…
♪これからも、ずっと追いかけるわ…
♪あなたが、私を振り返る日まで…

私の個人的な意訳ですが、絶対にストップしたくないのは、その彼女ですね。
かわいいアイドルのお姿なのに…、結構、強烈な歌詞。
日本にも、この手の女性心理の歌詞の曲は、たくさんありますよね。
♪わたし 待~つ~わっ

オリビア・ニュートン・ジョンの1976年の大ヒット曲で、邦題は「たそがれの恋」です。
日本のレコード会社の人…「たそがれ」と表現するとは、恐れ入りました。

70年代のお姿…
♪ドント・ストップ・ビリーヴィン

 

 

近年の歌声です。

♪ドント・ストップ・ビリーヴィン

 


◇いったい何を信じているんだ…

最近、テレビCMで、再び急に耳にするようになった楽曲です。
ドゥービー・ブラザーズの1979年の大ヒット曲です。

今はおそらく付いていないと思いますが、当時、邦題として「ある愚か者の場合」というタイトルが付いていました。
私も、この邦題には、ドキッとしたものです。
実は、歌詞内容も相当にドキッとする内容ですね。

女性に捨てられた男が、許してもらえる…、まだ何とかなる…、と思って、いろいろ行動します。
周囲の男たちは、彼をアホな男だと思いながら、声をかけて止めようとはしません。
いくら言っても、あいつのアホは、どうにもできないよ…
いったい何を信じているんだ、あいつは…。
愚かだなあ。

端的に言うと、そんな内容の歌です。
こういう男…世の中に掃いて捨てるほどいますよね。
でも、世の男たちは、自身のことを棚にあげて、この歌詞を笑って楽しんでいます。

信じる信じない以前の、世の男たちの問題ですね。
愚か者は、自分の「愚かさ」に、なかなか気がつかない。
まさに「ある愚か者の場合」。

男のアホぶりに不釣り合いな、カッコよさ抜群の曲ですね。
男性も、女性も、別の意味で笑っていた歌詞の…

♪ホワット・ア・フール・ビリーヴス

 


◇イヤ イヤ イヤ イヤ 絶対イヤ! 信じてるの!

上記の「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」は、愚かで一途な男性のお話しですが、この曲は、それは強靭な心の一途な女性のお話しです。
まさに、女性の「信じる」執念の楽曲です。
ここまでくると、前述曲のような「愚かさ」など微塵も感じさせませんね。

歌詞にある「♪No No No No No No No、 I need you baby!(イヤ イヤ イヤ イヤ 絶対イヤ!、私にはあなたが必要なの!置いてかないで…)」なんて言葉を、女性に強烈な口調で言われたことのある男性は、そうそう多くはないかもしれません。
でも、下記動画のような軍隊の男性兵士たちには、絶対に帰還したいと思わせるかもしれませんね。

この音楽動画は、マライア・キャリーと同時に、かつてのあの時代のマリリン・モンローを思い起こさせる映像です。
二人とも、恋に迷う、ナイーブな、でもパワーを持った女性ですね。
何かを「信じる」女性像が歌われた名曲です。
1999年の、マライアの大ヒット・カバー曲。

♪アイ・スティル・ビリーヴ

 


◇信じてくれている人に、応えたい…

次は、昨年亡くなられた、カントリー音楽とポピュラー音楽の二分野を制覇した名歌手のケニー・ロジャースさんの曲です。
1978年の大ヒット曲です。

ある売れない男性歌手が、毎晩毎晩、彼女が眠っている横で、歌をつくって歌っています。
彼女を起こしてしまわないように、そっと歌うのです。
でも時々、彼女は目を覚まし、聞いてきます。

♪今夜の調子はどう?
♪うん、上々さ…。(そんな はずはありません…)

♪彼女は、僕のことをずっと信じてくれている。
♪僕は、自分の音楽で世界をあっと言わせてみせると、オオクチをたたいてしまった。
♪でも、それは難しい…。

♪彼女は僕に言うんです。
♪あなたのやるべきことが終わったら、私を起こしてね…と。
♪彼女は、僕を信じ続けてくれている…。
♪このままで、僕は終わりたくない…。
♪僕は、彼女が僕を待ってくれているあいだに、奇跡を起こさなくちゃ…。

…そんな歌詞内容です。
歌手の男の、切ない思いがヒシヒシを伝わってくる曲ですね。
男たちの胸に染みわたる曲です。

「信じる」、「信じてくれる」、「信じてくれている人に応えたい」など、さまざまな感情が歌詞に盛り込まれていますね。
まさにケニー・ロジャースの、「大人の男を泣かせる」音楽世界です。

♪シー・ビリーヴス・イン・ミー

 


◇信じることに価値がある

ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの歌詞…

♪私は信じている…だから追い出されようと孤独じゃない…
♪信じることに価値はある…
♪誰が何と言おうと、私は信じる…

ボブ・ディランが、キリスト教徒となった1978年の翌年に発表した曲で、聖書を学んでいる時期の楽曲。

♪アイ・ビリーヴ・イン・ユー

 


◇すべてを信じる…

今回のコラムの最後は、聴き比べです。
名曲「アイ・ビリーヴ・イン・ユー・アンド・ミー」です。

まずは、ホイットニー・ヒューストンの1997年の歌唱です。
彼女の代表曲のひとつですね。

♪アイ・ビリーヴ・イン・ユー・アンド・ミー

 

* * *

この楽曲は、恋人どうしの男女の運命のすべてを信じている、片方の人物の言葉を歌っています。
自身の運命のすべてだけではなく、相手の運命のすべてだけでもなく、二人の共通の「すべて」なのです。

この楽曲を、ホイットニーの追悼場面で聴かされると、本当に切ない思いがこみ上げてきますね。
彼女は、勇気づけてくれる「信じる」楽曲をたくさん私たちに届けてくれましたが、ホイットニー自身には、誰も歌ってくれなかったのでしょうか…。
彼女の最期は、身も心もズタズタでしたね。
何かを信じてくれていたでしょうか…。

* * *

2012年のアッシャーの歌声です。
2012年に亡くなったホイットニーを偲んで、同年のグラミ-賞授賞式での追悼「ソルート・ホイットニー」での歌唱です。

♪アイ・ビリーヴ・イン・ユー・アンド・ミー

 

* * *

この曲の最初のヒットは、1982年の歌手グループ「フォー・トップス」が歌ったバージョンです。
かつてモータウンのスターグループのひとつであった「フォー・トップス」ですが、4人のメンバーで存命の方は、アブドゥール・デューク・ファキールだけになりました。

2004年に米国デトロイトで行われた「フォー・トップス結成50周年記念トリビュート・コンサート」では、女性歌手のアレサ・フランクリンに紹介され、車椅子でステージに登場した彼が、涙ながらに、「アイ・ビリーヴ・イン・ユー・アンド・ミー」を歌いました。


彼は、自身を含めて、メンバー4人のグループ活動すべてを思い出していたのかもしれませんね。
彼は、「フォー・トップス」のすべてを信じて疑わないのだろうと思います。

2004年のそのイベントでの彼の歌唱…
♪アイ・ビリーヴ・イン・ユー・アンド・ミー

 

1982年のフォ―・トップスの名歌唱です。
♪アイ・ビリーヴ・イン・ユー・アンド・ミー

 

生涯のすべてを信じる…、相手のすべてを信じる…、「信じる」とは、地球に生きるものすべてに、生まれながらに与えられた、とてつもなく大きな、特別な能力なのかもしれませんね。
そんなパワーが、なぜ、生きものに与えられているのか…。

私は、「信じる」チカラを…、「ビリーヴ」の名曲たちを…、信じています。


「びり~む”…ムニャ ムニャ」

「この子 寝言でしゃべった! ママとパパも、あなたのことを信じています…」。

* * *

次回コラムでも、近年の洋楽曲も含め、さらに「ビリーヴ曲」のことを書いていきます。

コラム「音路(54)信じてもいいですか【3】ビリーヴにイン!」につづく

 

2021.10.2 天乃みそ汁

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【追伸】

スピーチ原稿や広告原稿、代理執筆など、各種執筆依頼をお待たせしておりますが、信じて待っていてくださいね。 びり~む”!

 

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